【ITパスポート練習問題 6.3対応】(3) IoT ネットワークの構成要素

【解説】

正解: 3 低消費電力で広範囲に通信可能

この問題は、IoT（モノのインターネット）の普及に伴って重要となっている無線通信技術「LPWA（Low Power Wide Area）」の名称と、その特性を正しく理解しているかを確認するものです。

正解は3の「低消費電力で広範囲に通信可能」です。LPWAはその名の通り、「Low Power（低消費電力）」と「Wide Area（広域）」を兼ね備えた通信技術です。乾電池などで数年以上稼働でき、数キロメートルから数十キロメートル先までデータを送れるため、電源確保が難しい屋外のセンサー管理などに適しています。

選択肢1の「高速で大量のデータ通信」は、5GやWi-Fiの特徴ですが、LPWAは通信速度を低く抑えることで省電力と長距離通信を実現しているため、これとは対極にあります。選択肢2の「短距離での低遅延通信」は、Bluetoothなどが得意とする領域であり、LPWAの特徴ではありません。

【解説】

正解: 2 高品質な音声通話

この問題は、LPWAのメリット（省電力・長距離）とトレードオフの関係にあるデメリット（低速・小容量）を理解し、適切なユースケースを判断できるかを確認するものです。

正解は2の「高品質な音声通話」です。LPWAは一度に送れるデータ量が非常に少なく（数バイト〜数百バイト程度）、通信速度も遅いため、音声データのような連続した大容量データの送受信には適していません。

選択肢1の「遠隔地の環境モニタリング」や選択肢3の「大規模なセンサーネットワーク」は、送信するデータが「温度」や「水位」などの数値データであり、頻度も少ないため、LPWAの「電池が長持ちし、遠くまで届く」という利点が最大限に活きる最適なシーンです。

【解説】

正解: 2 Sigfox

この問題は、数ある通信規格の中で、どれがLPWAに分類される具体的な規格名称であるかを知っているかを確認するものです。

正解は2の「Sigfox」です。Sigfoxは、LoRaWANやNB-IoTと並ぶ代表的なLPWAの規格の一つです。免許不要の周波数帯を使用し、低コストでIoTデバイスをネットワークに接続できるサービスとして知られています。

選択肢1の「Wi-Fi」は、高速ですが通信距離が短く消費電力も大きいため、LPWAではありません。選択肢3の「5G」は、超高速・多数同時接続・低遅延を特徴とする次世代モバイル通信規格であり、IoT向けの仕様も含みますが、一般的にLPWAとして対比される文脈ではSigfoxが最も適切な例となります。

【解説】

正解: 1 データ処理の遅延を減少させる

この問題は、すべてのデータをクラウドに送って処理する「クラウドコンピューティング」の課題を解決するための技術である「エッジコンピューティング」の目的とメリットを理解しているかを確認するものです。

正解は1の「データ処理の遅延を減少させる」です。エッジコンピューティングでは、IoTデバイスやその近くにあるサーバ（エッジ）でデータの分析や処理を行います。遠くのデータセンター（クラウド）まで往復する必要がないため、通信にかかる時間を短縮でき、リアルタイムな応答が可能になります。

選択肢2の「全データをクラウドに一元管理できる」は、従来の中央集権的なクラウドコンピューティングの特徴です。選択肢3の「高速通信が常に必要とされる」については、エッジ側で処理して必要なデータだけを送ることで通信量を減らせるため、むしろ通信環境への依存度を下げる効果があります。

【解説】

正解: 2 常にクラウドと連携する必要がある

この問題は、エッジコンピューティングの仕組みと柔軟性について正しく理解しているかを確認するものです。ここでは「誤っているもの」を選ぶ必要があります。

正解は2の「常にクラウドと連携する必要がある」です。エッジコンピューティングの利点の一つは、現場（エッジ）側で処理を完結できることです。そのため、一時的にネットワークが切断されてもシステムを稼働させ続けることが可能であり、常時接続が必須というわけではありません。

選択肢1の「データ処理の遅延が減少する」や選択肢3の「リアルタイム性が向上する」は、物理的に近い場所で処理を行うことによるエッジコンピューティングの主要なメリットであり、正しい記述です。

【解説】

正解: 3 IoTデバイスが生成するデータをリアルタイムで処理すること

この問題は、エッジコンピューティングがどのような場面で導入されるべき技術なのか、その適用シーンを理解しているかを確認するものです。

正解は3の「IoTデバイスが生成するデータをリアルタイムで処理すること」です。例えば、自動運転車が歩行者を検知してブレーキをかける場合や、工場の機械が故障の予兆を検知して停止する場合など、通信の遅延が事故につながるような場面で、即座に判断・処理を行うために利用されます。

選択肢1の「大量のデータを迅速にクラウドで処理すること」は、クラウドコンピューティングの説明です。選択肢2の「ネットワーク全体のトラフィックを増大させること」は誤りです。エッジでデータを処理・選別することで、クラウドへ送るデータ量を減らし、トラフィックを削減することが目的の一つです。

【解説】

正解: 1 低消費電力で短距離通信が可能

この問題は、身近な無線技術であるBluetoothの中でも、特にIoT機器向けに拡張された規格である「BLE（Bluetooth Low Energy）」の特徴を理解しているかを確認するものです。

正解は1の「低消費電力で短距離通信が可能」です。BLEはその名の通り「Low Energy（省電力）」に特化した技術です。ボタン電池1個で数ヶ月から数年動作するように設計されており、通信距離は通常数メートルから数十メートル程度です。

選択肢2の「高速で長距離通信が可能」は、Wi-FiやLTEなどの特徴です。選択肢3の「大規模なネットワーク構築」については、基本的には1対1や1対多の接続が主ですが、メッシュネットワーク技術などもあります。しかし、BLEの最も基本的かつ代表的な特徴としては「省電力・短距離」が適切です。

【解説】

正解: 2 長距離にわたるデータのストリーミング

この問題は、BLEの技術的な制約（通信速度と距離）を理解し、不向きな用途を判断できるかを確認するものです。

正解は2の「長距離にわたるデータのストリーミング」です。BLEは省電力を優先しているため、通信速度は遅く、一度に送れるデータ量も制限されています。そのため、高画質な映像や音楽を途切れなく送り続けるストリーミングや、遠く離れた場所への送信には適していません。

選択肢1の「ウェアラブルデバイス間のデータ通信」や選択肢3の「IoTセンサーのデータ送信」は、送るデータ量が少なく、通信頻度も限られているため、BLEの省電力性が活きる最適な用途です。

【解説】

正解: 2 スマートウォッチとスマートフォンの連携

この問題は、日常生活の中でBLEが実際にどのような製品やシチュエーションで使われているかを知っているかを確認するものです。

正解は2の「スマートウォッチとスマートフォンの連携」です。スマートウォッチはバッテリー容量が限られているため、常時スマートフォンと接続して通知を受け取るような用途には、消費電力が極めて少ないBLEが標準的に採用されています。

選択肢1の「スマートフォンと無線ルーターの接続」には、高速通信が可能なWi-Fiが使われます。選択肢3の「テレビと家庭内ネットワークの接続」にも、映像配信などの大容量通信が必要なため、Wi-Fiや有線LANが適しています。

【解説】

正解: 3 LoRa

この問題は、IoTシステムを構築する際に現場エリアで使用される無線通信技術（IoTエリアネットワーク）の具体例を知っているかを確認するものです。

正解は3の「LoRa」です。LoRa（ローラ）は、LPWA（省電力広域無線通信）の一種であり、免許不要で誰でもネットワークを構築できるため、工場内のセンサー監視や農業用センサー網など、独自のIoTエリアネットワーク構築によく利用されます。

選択肢1の「FTTH（Fiber To The Home）」は光ファイバーによる家庭向けインターネット回線、選択肢2の「ADSL」は電話回線を利用したインターネット回線であり、これらはインターネットへの接続回線（アクセス回線）であって、IoTデバイス間をつなぐエリアネットワーク技術ではありません。

【解説】

正解: 1 Zigbee

この問題は、短距離無線通信規格の中で、特にセンサーネットワークなどに適した技術を識別できるかを確認するものです。

正解は1の「Zigbee」です。Zigbee（ジグビー）は、家電の制御やセンサーネットワーク向けに策定された短距離無線通信規格です。通信速度は遅いですが、消費電力が非常に少なく、多数の機器がバケツリレー式にデータをつなぐ「メッシュネットワーク」を構築しやすいのが特徴です。

選択肢2の「光ファイバー」は有線かつ高速通信用です。選択肢3の「LTE」は携帯電話網を利用する広域通信であり、短距離・局所的なネットワーク構築用ではありません。

【解説】

正解: 2 データセンター

この問題は、IoTシステムの全体像において、「IoTエリアネットワーク（現場側）」と「WAN/クラウド（バックエンド側）」の構成要素を区別できるかを確認するものです。

正解は2の「データセンター」です。IoTエリアネットワークは、家庭内、工場内、農場内など、特定のエリアにあるセンサーやデバイスを相互に接続するネットワーク部分を指します。データセンターは、そこから収集されたデータをインターネットなどを経由して集約・保存・分析する場所であり、通常はエリアネットワークの外側に位置します。

選択肢1の「IoTデバイス」や選択肢3の「センサー」は、まさにIoTエリアネットワークの中に配置され、データを生成・送信する構成要素そのものです。