【ITパスポート練習問題 6.3対応】(2) ネットワークの構成要素 – 2

【解説】

正解: 3 ネットワークを論理的に分割し、セキュリティを向上させる

この問題は、ネットワーク構築において重要な技術であるVLAN（仮想LAN）の導入目的とメリットを正しく理解しているかを確認するものです。

正解は「ネットワークを論理的に分割し、セキュリティを向上させる」です。VLANを使用すると、物理的な配線を変えることなく、スイッチの設定だけでネットワークを論理的なグループに分けることができます。これにより、部署ごとやゲスト用などにネットワークを分離し、関係のない部門への通信を遮断できるため、セキュリティが向上します。

選択肢1の「ネットワークデバイスの物理的な距離を短縮する」は誤りです。VLANは論理的な構成技術であり、物理的な距離や配線を変えるものではありません。選択肢2の「異なるセグメント間の通信を簡便化する」も誤りです。VLANはむしろ通信を分割（制限）する技術であり、異なるVLAN間で通信させるにはルーターなどの追加設定が必要になるため、単純に通信を簡便化するものではありません。

【解説】

正解: 2 異なるネットワーク間の通信を自由にするため

この問題は、VLANが持つ「分割と制限」という基本的な性質と目的を理解しているかを問うものです。

VLANの主な目的は、トラフィックの分離やセキュリティの確保です。したがって、選択肢2の「異なるネットワーク間の通信を自由にするため」という記述は、VLANの目的（分離・遮断）とは逆の概念であるため、適切ではありません。VLANで分けられたネットワーク同士は、ルーターなどを介さない限り直接通信できなくなります。

選択肢1の「ネットワークトラフィックを分離して管理しやすくするため」は、ブロードキャストストームの影響範囲を限定できるため、正しい目的です。選択肢3の「セキュリティポリシーに基づきネットワークを分割するため」も、機密情報を扱う部署と一般部署を分けるなどの運用が可能になるため、VLANの主要な目的の一つです。

【解説】

正解: 1 スイッチ

この問題は、VLANを構築するために必要なネットワーク機器の知識を問うものです。

正解は「スイッチ（L2スイッチ、L3スイッチ）」です。VLANは、スイッチのポートごとにグループID（VLAN ID）を割り当てることで実現されます。一般的な家庭用ハブなどではVLAN機能を持っていないことが多く、業務用のインテリジェントスイッチなどが利用されます。

選択肢2の「アクセスポイント」や選択肢3の「モデム」は、VLANの設定主体となる機器ではありません。ただし、法人向けのアクセスポイントにはVLAN対応のものもありますが、VLANの基本構成要素として最も適切なのはスイッチです。

【解説】

正解: 1 通信速度の向上と接続デバイス数の増加

この問題は、無線LAN規格の進化、特に「Wi-Fi 6（IEEE 802.11ax）」がもたらすメリットを理解しているかを確認するものです。

正解は「通信速度の向上と接続デバイス数の増加」です。Wi-Fi 6は、OFDMAなどの新技術により、多数の機器が同時に接続しても通信速度が低下しにくくなっています。スマートフォン、タブレット、IoT家電など、接続機器が増加する現代の環境に適した規格です。

選択肢2の「5GHz帯のみを使用した通信」は誤りで、Wi-Fi 6は2.4GHz帯と5GHz帯の両方を利用できます。選択肢3の「WEPによるセキュリティ強化」は誤りです。WEPは非常に古い暗号化方式であり、現在は危険なため使われていません。Wi-Fi 6では、より強固なWPA3というセキュリティ規格が標準的にサポートされます。

【解説】

正解: 2 6GHz帯を利用して通信混雑を避ける

この問題は、Wi-Fi 6の拡張版である「Wi-Fi 6E」の最大の特徴である、新しい周波数帯域の利用について理解しているかを問うものです。

正解は「6GHz帯を利用して通信混雑を避ける」です。従来のWi-Fiは2.4GHz帯と5GHz帯を使用していましたが、これらは利用者が多く混雑していました。Wi-Fi 6Eは新たに開放された「6GHz帯」を使えるため、電波干渉が少なく、高速で安定した通信が可能になります。

選択肢1の「IPv6に対応した通信規格」は、インターネットプロトコルの話であり、無線LAN規格であるWi-Fi 6Eの定義とは直接関係ありません。選択肢3の「有線接続を前提とした高速通信」は、無線規格の説明として矛盾しています。

【解説】

正解: 3 Wi-Fi 5よりもWi-Fi 6の方が通信効率が高い

この問題は、新旧のWi-Fi規格（Wi-Fi 5とWi-Fi 6）の性能差や改善点を正しく理解しているかを確認するものです。

正解は「Wi-Fi 5よりもWi-Fi 6の方が通信効率が高い」です。Wi-Fi 6では、混雑した環境でも効率よくデータを送受信できる技術が導入されており、実効スループットが向上しています。

選択肢1の「Wi-Fi 5は4GHz帯」という記述は誤りです。Wi-Fi 5（IEEE 802.11ac）は5GHz帯を使用します。選択肢2の「Wi-Fi 5は最大2デバイス」というのも誤りです。Wi-Fi 5でも多数のデバイスを接続できますが、同時通信の効率性においてWi-Fi 6が優れています。

【解説】

正解: 2 アクセスポイントを介さずにデバイス間通信が可能

この問題は、無線LANルーター（アクセスポイント）を経由せずに通信を行う技術「Wi-Fi Direct」の仕組みを理解しているかを問うものです。

正解は「アクセスポイントを介さずにデバイス間通信が可能」です。通常、Wi-Fi通信はルーターを経由しますが、Wi-Fi Directに対応した機器同士であれば、1対1やグループで直接接続し、データをやり取りできます。

選択肢1の「インターネット接続が必須である」は誤りです。インターネット環境がない場所でも機器同士がつながれば利用可能です。選択肢3の「低速な通信を前提とした技術である」も誤りで、Wi-Fi技術を使っているため、Bluetoothなどに比べて高速なデータ転送が可能です。

【解説】

正解: 3 インターネットブラウジング

この問題は、Wi-Fi Directがどのような用途に適しており、どのような用途には適さないかを理解しているかを問うものです。

Wi-Fi Directはデバイス間の直接通信技術であるため、インターネット上のWebサイトを閲覧する「インターネットブラウジング」には適していません（通常、インターネット接続にはルーターへの接続が必要です）。

選択肢1の「スマートフォンとプリンターを無線で接続する」や、選択肢2の「ノートパソコンからスマートフォンへのファイル転送」は、ルーターがない環境でも直接データを送れるため、Wi-Fi Directの代表的な利用シーンです。

【解説】

正解: 2 インターネット接続なしでデバイス間のファイル転送ができる

この問題は、Wi-Fi Directを利用するメリットを具体的なシーンと結びつけて理解しているかを確認するものです。

正解は「インターネット接続なしでデバイス間のファイル転送ができる」です。例えば、外出先でデジカメの写真をスマホに送りたい場合など、Wi-Fiルーターやインターネット回線がない環境でも、高速にファイルを転送できるのが大きな利点です。

選択肢1の「長距離通信が可能である」は誤りです。Wi-Fiの電波が届く範囲（数十メートル程度）での通信に限られます。選択肢3の「高度なセキュリティ設定が必須である」については、WPA2などのセキュリティは使われますが、ユーザーが複雑な設定をすることを「必須の利点」とする文脈ではないため不適切です。

【解説】

正解: 1 複数のルーターが相互に通信してネットワークを構築する

この問題は、広いエリアで安定したWi-Fi環境を構築するための「メッシュWi-Fi」の基本的な仕組みを理解しているかを問うものです。

正解は「複数のルーターが相互に通信してネットワークを構築する」です。メインのルーターと、サテライト（中継機）となるルーターが網の目（メッシュ）のように連携し、家全体を一つの大きなWi-Fiエリアとしてカバーします。

選択肢2の「1台のルーターのみで広範囲をカバーする」は、従来型のハイパワーなルーターの説明に近いですが、メッシュWi-Fiは「複数台」でカバーするのが特徴です。選択肢3の「有線接続のみでネットワークを構築する」は、無線LANシステムであるメッシュWi-Fiの説明として誤りです。

【解説】

正解: 2 どのルーターでも通信速度が同じである

この問題は、メッシュWi-Fiの特性について、正しい理解と誤解を区別できるかを確認するものです。

適切でない説明は「どのルーターでも通信速度が同じである」です。メッシュWi-Fiは利便性が高いですが、無線でバケツリレーのようにデータを中継する場合、メインルーターから離れたサテライト経由の通信は、直接接続する場合に比べて速度が低下することがあります。完全に同じ速度が保証されるわけではありません。

選択肢1の「ネットワークの範囲を拡大しやすい」は、サテライトを追加するだけでエリアを広げられるため、正しい利点です。選択肢3の「接続デバイスに最適なルーターを自動的に選択する」も、移動しても電波の強いルーターに自動で切り替わるため、メッシュWi-Fiの大きなメリットです。

【解説】

正解: 2 大規模な施設や複雑な建物内のカバレッジ

この問題は、どのような環境でメッシュWi-Fiを導入するのが効果的か、その適用シーンを理解しているかを問うものです。

正解は「大規模な施設や複雑な建物内のカバレッジ」です。3階建ての戸建てや、鉄筋コンクリートで電波が届きにくい部屋があるマンションなど、1台のルーターでは死角（デッドゾーン）ができてしまう環境で、メッシュWi-Fiはその真価を発揮します。

選択肢1の「小規模な一部屋のカバレッジ」であれば、通常のルーター1台で十分であり、コストのかかるメッシュWi-Fiは過剰スペックとなります。選択肢3の「移動中の車内」は、モバイルルーターなどの領域です。

【解説】

正解: 3 ボタン操作やPIN入力で簡単に接続設定ができる

この問題は、無線LANの設定を簡略化する機能である「WPS（Wi-Fi Protected Setup）」の概要を理解しているかを問うものです。

正解は「ボタン操作やPIN入力で簡単に接続設定ができる」です。従来、Wi-Fi接続にはSSIDや長く複雑な暗号化キーの手入力が必要でしたが、WPS対応機器であれば、ルーターと端末のボタンを押すだけで自動的に設定が完了します。

選択肢1の「長いパスワードを手動で入力する必要がある」は、WPSを使わない通常の手順のことです。選択肢2の「公衆Wi-Fi向けのセキュリティ規格である」は誤りです。WPSは主に家庭用ルーター向けの機能です。

【解説】

正解: 2 簡単に接続できる反面、セキュリティリスクもある

この問題は、利便性の高い機能にはリスクも伴うという、セキュリティのトレードオフについて理解しているかを確認するものです。

正解は「簡単に接続できる反面、セキュリティリスクもある」です。特にPINコード方式のWPSは、総当たり攻撃によって突破される脆弱性が指摘されています。そのため、利用しない場合は機能を無効にすることが推奨されることもあります。

選択肢1の「無制限に接続デバイスを追加できる」は、ルーターの性能による制限があるため誤りです。選択肢3の「一度設定すると再設定が不可能になる」も誤りです。設定をリセットしてやり直すことは可能です。

【解説】

正解: 1 自宅で新しいデバイスをWi-Fiネットワークに追加する

この問題は、WPSが実際にどのような場面で使われることを想定して設計されているか、その用途を問うものです。

正解は「自宅で新しいデバイスをWi-Fiネットワークに追加する」です。スマホ、ゲーム機、プリンターなどを買った際、専門知識がなくてもボタン一つで家のWi-Fiにつなげられるようにするために利用されます。

選択肢2の「企業の大規模ネットワーク」では、セキュリティの観点からWPSは通常使用されず、より厳格な認証方式（WPA2-Enterpriseなど）が採用されます。選択肢3の「インターネットプロバイダの設定」は、回線接続設定の話であり、Wi-Fi接続設定であるWPSとは異なります。

【解説】

正解: 2 他のネットワークへのデータ転送を担当する

この問題は、ネットワーク設定において必須となる「デフォルトゲートウェイ」の役割を理解しているかを確認するものです。

正解は「他のネットワークへのデータ転送を担当する」です。自分の所属するネットワーク（LAN）内には宛先が見つからない場合、とりあえずデータを送る先の「出口（ゲートウェイ）」となる機器のIPアドレスを指定します。これにより、インターネットなどの外部ネットワークへ通信が可能になります。

選択肢1の「同一ネットワーク内のデバイス間のデータ転送」は、スイッチや直接通信で行われるため、デフォルトゲートウェイは不要です。選択肢3の「クライアントデバイスのIPアドレスを管理する」は、DHCPサーバーの役割です。

【解説】

正解: 2 ルーター

この問題は、デフォルトゲートウェイの実体として、どのような機器が指定されるかを理解しているかを問うものです。

正解は「ルーター」です。家庭や小規模オフィスでは、インターネット回線に接続されている「ブロードバンドルーター」のLAN側IPアドレスを、PCやスマホのデフォルトゲートウェイとして設定します。

選択肢1の「スイッチ」は、通常はネットワーク内のデータ転送を行う機器であり、外部への出口（ゲートウェイ）の役割は持ちません（L3スイッチを除く）。選択肢3の「モデム」は信号変換を行う機器であり、IPルーティング機能を持たない単体モデムの場合はゲートウェイになりません。

【解説】

正解: 2 インターネットなど外部ネットワークへの通信ができなくなる

この問題は、ネットワーク設定ミスによるトラブルシューティングの知識として、デフォルトゲートウェイの欠如がどのような影響を及ぼすかを問うものです。

正解は「インターネットなど外部ネットワークへの通信ができなくなる」です。デフォルトゲートウェイが設定されていないと、PCは「自分のネットワーク外」へのデータの送り先がわからなくなります。その結果、Webサイトの閲覧やメールの送受信ができなくなります。

選択肢1の「同一ネットワーク内の通信ができなくなる」は誤りです。同じネットワーク内のプリンターやファイルサーバーへのアクセスは、ゲートウェイを経由しないため、問題なく行えます。

【解説】

正解: 1 クライアントとサーバー間の通信を中継する

この問題は、企業内ネットワークなどでよく利用される「プロキシサーバー（代理サーバー）」の基本的な仕組みを理解しているかを問うものです。

正解は「クライアントとサーバー間の通信を中継する」です。Webブラウザなどのクライアントが直接Webサーバーにアクセスする代わりに、プロキシサーバーにリクエストを送り、プロキシサーバーが代理（Proxy）となってWebサーバーからデータを取得し、クライアントに返します。

選択肢2の「ネットワーク上のデバイスを物理的に接続する」は、ハブやスイッチの役割です。選択肢3の「インターネットサービスプロバイダ（ISP）の設定を管理する」は、プロキシサーバーの機能ではありません。

【解説】

正解: 2 通信内容を暗号化する

この問題は、プロキシサーバーを導入する目的と、それだけでは実現できないこと（誤解しやすい点）を区別できるかを確認するものです。

適切でない利点は「通信内容を暗号化する」です。プロキシサーバー自体は通信の中継を行いますが、通信経路の暗号化はSSL/TLS（HTTPS）などのプロトコルによって行われるものであり、プロキシを通すこと自体が暗号化を意味するわけではありません。

選択肢1の「クライアントのIPアドレスを隠す」は、Webサーバー側にはプロキシのIPアドレスが伝わるため、内部のPCの情報を隠蔽できるという正しい利点です。選択肢3の「ネットワークのパフォーマンスを向上させる」も、プロキシが一度アクセスしたデータを保存（キャッシュ）し、再利用することで高速化できるため、正しい利点です。

【解説】

正解: 1 リバースプロキシ

この問題は、プロキシサーバーの応用形態の一つである「リバースプロキシ」という用語と役割を知っているかを問うものです。

正解は「リバースプロキシ（逆プロキシ）」です。通常のプロキシ（フォワードプロキシ）が「内部から外部へ」のアクセスを中継するのに対し、リバースプロキシは「外部（インターネット）から内部のWebサーバーへ」のアクセスを受け付け、負荷分散やセキュリティ対策として機能します。

選択肢2の「DHCPプロキシ」や選択肢3の「ファイルプロキシ」といった用語は、一般的なプロキシサーバーの分類としては使用されません。

【解説】

正解: 2 ネットワーク上でデバイスを一意に識別する

この問題は、ネットワーク機器それぞれに割り振られた固有のIDである「MACアドレス」の役割を理解しているかを確認するものです。

正解は「ネットワーク上でデバイスを一意に識別する」です。世界中のネットワーク機器に重複しないように割り当てられた物理的なアドレスであり、データの最終的な届け先（隣接する機器）を特定するために使われます。

選択肢1の「デバイスに一意のIPアドレスを割り当てる」は、DHCPサーバーなどの役割です。IPアドレスは論理アドレスであり、MACアドレスとは異なります。選択肢3の「ネットワーク通信を暗号化する」は、MACアドレスの役割ではありません。

【解説】

正解: 3 デバイスの製造時に割り当てられる

この問題は、MACアドレスがいつ、誰によって決定されるかという基本的な性質を問うものです。

正解は「デバイスの製造時に割り当てられる」です。NIC（ネットワークインタフェースカード）などの通信部品の製造メーカーが、製造段階でROMに焼き付けるため、原則として変更することができません（ソフトウェア的に偽装することは可能です）。そのため「物理アドレス」とも呼ばれます。

選択肢1の「ネットワーク管理者が手動で設定する」や選択肢2の「DHCPサーバーが動的に割り当てる」は、IPアドレスの設定方法に関する記述です。

【解説】

正解: 2 データリンク層

この問題は、OSI参照モデルにおけるMACアドレスの位置づけを理解しているかを問うものです。

正解は「データリンク層（第2層）」です。MACアドレスは、直接つながっている隣の機器（スイッチやルーターなど）と通信を行うために使用されるアドレスであり、この物理的な転送制御を行うのがデータリンク層です。

選択肢1の「アプリケーション層」はメールやWebなどのサービスを提供する層です。選択肢3の「ネットワーク層」はIPアドレスを使用して経路制御を行う層です。

【解説】

正解: 1 Wi-Fiネットワークの識別名として機能する

この問題は、Wi-Fiを利用する際に必ず目にする「ESSID（SSID）」の意味と役割を理解しているかを確認するものです。

正解は「Wi-Fiネットワークの識別名として機能する」です。スマホやPCのWi-Fi設定画面に表示される「Wi-Fiの名前（例: Office-Guest, Home-Wi-Fi）」のことです。利用者はこの名前を見て、接続すべきネットワークを選択します。

選択肢2の「デバイス間の通信を暗号化する」は、WPA2などの暗号化方式の役割です。選択肢3の「インターネット接続の速度を制御する」は、ESSIDの機能ではありません。

【解説】

正解: 2 信号が最も強いアクセスポイントに自動的に接続する

この問題は、ESSIDを共通化することで実現できる「ローミング機能」について理解しているかを問うものです。

正解は「信号が最も強いアクセスポイントに自動的に接続する」です。広いオフィスなどで複数のアクセスポイントに同じESSIDを設定しておくと、PCを持って移動した際に、自動的に電波の強い近くのアクセスポイントに接続先が切り替わります。これを利用者は意識することなく通信を継続できます。

選択肢1の「最初に見つけたアクセスポイントに接続し続ける」は、ローミングがうまく機能しない場合の挙動です。選択肢3の「すべてのアクセスポイントに同時に接続する」ことは通常ありません。

【解説】

正解: 2 Wi-Fi接続

この問題は、ESSIDという用語がどの通信技術に関連する用語かを問う基礎的な問題です。

正解は「Wi-Fi接続（無線LAN）」です。ESSIDはIEEE 802.11シリーズの無線LAN規格において、ネットワークを識別するためのIDです。

選択肢1の「Bluetooth接続」では、デバイス名などは使われますがESSIDとは呼びません。選択肢3の「イーサネット接続（有線LAN）」では、ケーブルを物理的に接続するため、無線のように電波上の識別名（ESSID）を選択する必要はありません。

【解説】

正解: 3 低遅延と高信頼性の通信が可能

この問題は、第5世代移動通信システム「5G」の主要な特徴（高速大容量、高信頼・低遅延、多数同時接続）を理解しているかを問うものです。

正解は「低遅延と高信頼性の通信が可能」です。5Gは、通信のタイムラグ（遅延）を極限まで小さくし、通信エラーの少ない安定した接続を実現します。これにより、遠隔手術や自動運転など、リアルタイム性が命となる分野での活用が期待されています。

選択肢1の「4Gよりも低い通信速度」は誤りで、5Gは4Gより遥かに高速です。選択肢2の「通信エリアが限られている」については、普及初期には限定的でしたが、技術的な目標としては全国をカバーするものであり、「特徴」として挙げるには不適切です（むしろ、4G同様に広域をカバーすることが目指されています）。

【解説】

正解: 2 5Gと同様に低遅延を実現している

この問題は、現在主流である「LTE（4G）」と、最新の「5G」の性能差を正しく認識しているかを問うものです。

誤っている特徴は「5Gと同様に低遅延を実現している」です。LTEも高速な通信が可能ですが、5Gが実現する「1ミリ秒以下」といった極めて短い遅延性能には及びません。この圧倒的な低遅延こそが、5Gが産業用途で注目される大きな理由です。

選択肢1の「3Gに比べて通信速度が向上している」は正しい記述です。選択肢3の「モバイルネットワークにおける標準的な規格である」も、現状広く普及している規格として正しい説明です。

【解説】

正解: 2 自動運転技術

この問題は、通信技術の進化がどのような新しい社会基盤やサービスを実現するか、その関連性を理解しているかを問うものです。

正解は「自動運転技術」です。自動運転車は、周囲の状況や信号機、他の車とリアルタイムに情報をやり取りし、瞬時に判断する必要があります。そのためには、5Gのような「超低遅延」で「高信頼」な通信インフラが不可欠となります。

選択肢1の「高度な画像編集」は、主に端末（PCやスマホ）の処理能力に依存します。選択肢3の「クラウドストレージ」は4G時代から普及していますが、通信規格の進化「により可能になった」決定的な新技術というよりは、高速化でより便利になったサービスと言えます。

【解説】

正解: 2 bps

この問題は、ITの世界で通信速度（回線の太さ）を表す基本的な単位を知っているかを問うものです。

正解は「bps（bits per second：ビット・パー・セコンド）」です。1秒間に何ビットのデータを送れるかを示します。通常は、kbps、Mbps、Gbpsのように接頭辞をつけて使われます。

選択肢1の「MHz（メガヘルツ）」は周波数やクロック数を表す単位です。選択肢3の「dB（デシベル）」は音の大きさや信号の強度、増幅率などを表す単位です。

【解説】

正解: 1 使用する通信回線の帯域幅

この問題は、通信速度が決まる要因についての理解を問うものです。

正解は「使用する通信回線の帯域幅」です。帯域幅とは、一度に流せるデータの量（道路の幅のようなもの）を指します。この幅が広ければ広いほど、単位時間あたりに多くのデータを送ることができ、結果として伝送速度が速くなります。

選択肢2の「データの暗号化方式」は、処理負荷には影響しますが、伝送路の速度そのものを決定する要因ではありません。選択肢3の「デバイスの画面解像度」は、表示性能の話であり、通信速度とは直接関係ありません。

【解説】

正解: 2 1秒間に転送できるデータ量が多い

この問題は、通信速度の単位「bps」の数値の意味を具体的にイメージできているかを確認するものです。

正解は「1秒間に転送できるデータ量が多い」です。例えば 100Mbps よりも 1Gbps の方が数値が大きいため、1秒間により多くの動画データやファイルを送受信でき、「回線が速い」状態を意味します。

選択肢1の「データ転送の効率が低い」は逆の意味になります。選択肢3の「通信回線の遅延が大きい」も誤りで、一般的に帯域が広く速度が速い回線は、遅延も小さい傾向にあります（ただし、bpsと遅延は別の指標です）。

【解説】

正解: 3 ネットワークの管理と制御が柔軟に行える

この問題は、新しいネットワーク管理の概念である「SDN（Software Defined Networking）」のメリットを理解しているかを問うものです。

正解は「ネットワークの管理と制御が柔軟に行える」です。従来はケーブルをつなぎ替えたり、機器ごとの設定を変更したりする必要がありましたが、SDNではソフトウェア上で設定を一括変更するだけで、ネットワーク構成やデータの流れを瞬時に切り替えることができます。

選択肢1の「ハードウェア依存のネットワーク構築」は、従来のネットワークの特徴であり、SDNはこれからの脱却（ハードウェアに依存しない制御）を目指すものです。選択肢2の「物理配置を最適化する」も、SDNは論理的な制御を行う技術であるため、物理配置そのものを扱うわけではありません。

【解説】

正解: 2 データセンターやクラウド環境

この問題は、SDNが現在どのような場所で実際に使われているか、その適用領域を問うものです。

正解は「データセンターやクラウド環境」です。ここでは、顧客ごとにネットワークを隔離したり、サーバーの増減に合わせてネットワーク設定を頻繁に変更したりする必要があります。SDNを使えばこれらの作業を自動化・効率化できるため、非常に重宝されています。

選択肢1の「家庭用Wi-Fiネットワーク」や選択肢3の「小規模オフィスのLAN管理」でも技術的には可能ですが、コストや複雑さの面で、SDNの主な活躍場所とはいえません。

【解説】

正解: 1 コントロールプレーンとデータプレーンの分離

この問題は、SDNを実現するための技術的なアプローチ（アーキテクチャ）を理解しているかを問うものです。

正解は「コントロールプレーンとデータプレーンの分離」です。ネットワーク機器の機能を、経路制御を行う頭脳部分（コントロールプレーン）と、実際にデータを転送する肉体部分（データプレーン）に切り分けます。頭脳部分をソフトウェア（SDNコントローラ）として一箇所に集約することで、全体を一元管理できるようにします。

選択肢2の「IPアドレスの動的割り当て」はDHCPのことです。選択肢3の「無線通信の最適化」はSDNの一部で実現できることもありますが、SDN全体の定義ではありません。

【解説】

正解: 2 特定エリア内での情報配信

この問題は、Bluetooth Low Energy（BLE）などを利用した「ビーコン」というデバイスの用途を理解しているかを問うものです。

正解は「特定エリア内での情報配信」です。店舗や美術館などにビーコン発信機を設置し、その近くに来た人のスマートフォンアプリに対して、クーポンや作品解説などの情報をプッシュ通知で送るような使い方が一般的です。

選択肢1の「長距離間のデータ通信」は誤りで、ビーコンは数メートルから数十メートルの近距離通信に使われます。選択肢3の「インターネット接続の中継」は、Wi-Fiルーターなどの役割です。

【解説】

正解: 3 広域の無線通信網の構築

この問題は、ビーコンの通信距離や特性を理解し、不適切な用途を判断できるかを問うものです。

適切でない用途は「広域の無線通信網の構築」です。ビーコンは微弱な電波を発信して「位置の特定」や「近接検知」を行うためのものであり、都市全体をカバーするような通信インフラを作るための技術ではありません。

選択肢1の「店舗でのプロモーション」や選択肢2の「施設内の案内」は、特定の場所に近づいたことをトリガーにするため、ビーコンの特性を活かした最適な利用シーンです。

【解説】

正解: 2 位置情報に基づくサービスの提供

この問題は、ビーコン技術を導入することで、ビジネスやユーザー体験にどのようなメリットが生まれるかを問うものです。

正解は「位置情報に基づくサービスの提供」です。GPSが届かない屋内や地下でも、ビーコンを使えば「今、商品の棚の前にいる」といったピンポイントな位置特定が可能です。これにより、その場所・その瞬間に適したサービス（O2Oマーケティングなど）を提供できます。

選択肢1の「高速なインターネット接続」はWi-Fiや5Gの役割です。選択肢3の「セキュリティ強化」については、ビーコン自体が入退室管理に使われることはありますが、主な効果として挙げられるのは位置情報の活用です。