【ITパスポート練習問題 6.3対応】(4) 動画処理

【解説】

正解: 1 動画を構成する静止画の1枚

この問題は、動画データがどのような仕組みで成り立っているか、その最小単位である「フレーム」の概念を理解しているかを問うものです。

正解は1の「動画を構成する静止画の1枚」です。動画は、パラパラ漫画のように少しずつ内容の異なる静止画を高速に切り替えて表示することで、人間の目に動いているように錯覚させています。この一枚一枚の静止画のことを「フレーム」と呼びます。

選択肢2の「動画の再生速度」は、1秒間に何枚のフレームを表示するかを示す「フレームレート」の説明です。選択肢3の「動画の音声部分の構成要素」は、画像データであるフレームとは全く別の音声データ（サンプリングデータなど）を指すため誤りです。

【解説】

正解: 3 動きが滑らかになるが、データ量も増加する

この問題は、動画の滑らかさを決める「フレーム数」と、それに伴う「データ容量」のトレードオフ（相関関係）を正しく理解しているかを確認するものです。

正解は3の「動きが滑らかになるが、データ量も増加する」です。1秒間に表示するフレーム数（静止画の枚数）を増やせば、動きの隙間が埋まり映像は滑らかになります。しかし、保存すべき画像の枚数が増えることになるため、必然的に動画全体のデータ量は増加します。

選択肢1は誤りです。フレーム数が増えても画質としての品質が低下することはありません。選択肢2も誤りです。枚数が増えるためデータ量が減少することはあり得ず、逆に増加します。

【解説】

正解: 2 動画の滑らかな再生

この問題は、フレームという概念が動画視聴においてどのような役割を果たしているか、その実用的な重要性を理解しているかを問うものです。

正解は2の「動画の滑らかな再生」です。フレームは動画における「動き」を表現するための基礎です。十分な数のフレームが連続して表示されることで、人間の目はそれを滑らかな動きとして認識します。フレームが欠けたり不足したりすると、映像がカクカクして見づらくなります。

選択肢1の「音声編集」は、映像のコマであるフレームとは直接関係のない音声データの処理です。選択肢3の「データ圧縮」に関して、フレーム間予測などの圧縮技術でフレームが利用されることはありますが、フレームそのものが最も重要となる直接的な目的（ユーザー体験としての目的）は「動きの表現（滑らかな再生）」にあります。

【解説】

正解: 2 1秒間に表示されるフレームの数

この問題は、動画の性能を表す基本的な指標である「フレームレート」の定義を正しく記憶しているかを確認するものです。単位は「fps（frames per second）」で表されます。

正解は2の「1秒間に表示されるフレームの数」です。例えば「30fps」であれば、1秒間に30枚の静止画を切り替えて表示していることを意味します。この数値が高いほど、映像はよりリアルで滑らかになります。

選択肢1の「音声のビット数」は、音質に関わるビットレートやサンプリング周波数の話であり、映像の指標ではありません。選択肢3の「データが圧縮される速度」は、エンコード速度や転送速度に関わる概念であり、表示される画像の枚数とは異なります。

【解説】

正解: 1 動画の動きが滑らかになる

この問題は、フレームレートの数値を変化させた際に、視聴者が感じる映像効果の違いを理解しているかを問うものです。

正解は1の「動画の動きが滑らかになる」です。1秒あたりのコマ数（フレームレート）が増えることで、速い動きのあるスポーツやゲーム映像でも、残像感が減り、被写体の動きをはっきりと滑らかに追うことができるようになります。

選択肢2の「色彩が鮮やかになる」は、画素数や色深度（ビット深度）に関わる要素であり、コマ数であるフレームレートとは無関係です。選択肢3の「音質が向上する」も、映像データと音声データは独立しているため、フレームレートを上げても音質は変わりません。

【解説】

正解: 2 24fps

この問題は、映像メディアごとの標準的な規格の違いに関する知識を問うものです。特に映画特有の映像表現を作り出している要素を知っているかがポイントです。

正解は2の「24fps」です。伝統的なフィルム映画の時代から、映画は1秒間に24コマ（24fps）で撮影・上映されてきました。この独特のコマ数が、映画らしい質感や雰囲気を作り出しています。

選択肢1の「60fps」は、動きの激しいアクションゲームや一部の高品質なWeb動画などで使われる、非常に滑らかな設定です。選択肢3の「30fps」は、日本のテレビ放送などで一般的に採用されてきたフレームレートです。

【解説】

正解: 3 動画や音声の圧縮方式の標準化を行う団体およびその規格

この問題は、マルチメディアデータの主要な国際標準規格である「MPEG」の基本的な定義と役割を理解しているかを確認するものです。

正解は3の「動画や音声の圧縮方式の標準化を行う団体およびその規格」です。MPEG（Moving Picture Experts Group）は、ISO（国際標準化機構）とIEC（国際電気標準会議）が合同で設立した組織であり、そこで策定された動画圧縮技術の規格名（MPEG-1, MPEG-2, MPEG-4など）としても使われます。

選択肢1の「インターネット接続プロトコル」は、TCP/IPやHTTPなどを指し、圧縮技術とは異なります。選択肢2の「画像の解像度を高める技術」は、アップスケーリングや超解像技術のことであり、MPEGの主目的である「データの圧縮」とは異なります。

【解説】

正解: 2 高い圧縮率でありながら、品質を維持することが可能

この問題は、MPEG規格が普及した理由である技術的なメリットを正しく理解しているかを問うものです。

正解は2の「高い圧縮率でありながら、品質を維持することが可能」です。動画データはそのままでは膨大な容量になりますが、MPEGでは「前の画面との差分だけを記録する」などの技術を使ってデータを大幅に小さく（圧縮）しつつ、人間の目には劣化が目立たないように品質を保つことができます。

選択肢1の「圧縮率が低く」は誤りです。MPEGは効率的な高圧縮を目指した規格です。選択肢3の「圧縮は行わず」も誤りです。MPEGは非圧縮ではなく、不可逆圧縮を含む圧縮技術の規格です。

【解説】

正解: 1 ストリーミング配信やモバイルコンテンツ

この問題は、MPEGシリーズの中でも特に「MPEG-4」がどのような用途を想定して作られ、現在どこで活用されているかを知っているかを確認するものです。

正解は1の「ストリーミング配信やモバイルコンテンツ」です。MPEG-4は、低い通信速度でも再生できるように設計されており、インターネットでの動画配信やスマートフォンの動画撮影、ワンセグ放送などで広く普及しました。

選択肢2の「高精細度テレビ（HDTV）放送」では、一般的にMPEG-2などが使われてきました（現在はより新しい規格への移行も進んでいます）。選択肢3の「光ディスクへの無圧縮保存」は誤りです。MPEG-4は圧縮を行う規格であり、無圧縮保存のためのものではありません。

【解説】

正解: 2 高圧縮率であり、比較的低いビットレートで高品質な映像を提供

この問題は、現在主流となっている動画圧縮規格の一つ「H.264（MPEG-4 AVC）」の技術的な強みを理解しているかを問うものです。

正解は2の「高圧縮率であり、比較的低いビットレートで高品質な映像を提供」です。H.264は、それまでのMPEG-2などに比べて同じ画質ならデータ量を半分程度にできるほど圧縮効率が高く、限られた通信速度（ビットレート）でも綺麗な映像を送ることができます。

選択肢1は誤りです。H.264は「高圧縮率」が最大の特徴であり、大容量を必要とする古い形式とは逆の性質を持ちます。選択肢3も誤りです。H.264はデータを圧縮するための技術（コーデック）であり、圧縮機能を持たないわけではありません。

【解説】

正解: 3 ライブ配信やストリーミング動画

この問題は、H.264という技術が現代のインターネット社会において具体的にどのようなサービスを支えているかを理解しているかを確認するものです。

正解は3の「ライブ配信やストリーミング動画」です。YouTubeなどの動画サイト、ZoomなどのWeb会議システム、テレビのデジタル放送など、現在私たちが目にする多くの動画サービスでH.264が標準的に採用されています。

選択肢1の「画像の無圧縮保存」はBMP形式などの役割であり、動画圧縮規格であるH.264とは異なります。選択肢2の「アナログテレビ放送」は、デジタルデータへの圧縮を行わない古い放送方式であり、H.264は使用されません。

【解説】

正解: 1 H.265

この問題は、動画圧縮技術の進化の順序と、各規格の性能差（圧縮率の違い）を正しく認識しているかを問うものです。

正解は1の「H.265」です。H.265（HEVC）は、H.264の後継として開発された規格です。H.264と比較して、理論上約2倍の圧縮性能を持っており、より少ないデータ量で同等の高画質を実現できます。

選択肢2の「MPEG-2」はH.264よりも一世代前の古い規格であり、圧縮率はH.264より低くなります。選択肢3の「JPEG」は静止画の圧縮規格であり、動画の圧縮効率の比較対象としては不適切ですが、動画圧縮技術としてはH.264やH.265の方が遥かに高効率です。

【解説】

正解: 2 HEVC

この問題は、IT用語における同義語や別名を把握しているかを確認するものです。特に動画規格は複数の名称で呼ばれることが一般的です。

正解は2の「HEVC」です。H.265は正式には「High Efficiency Video Coding（高効率ビデオコーディング）」と呼ばれ、その頭文字をとってHEVCと表記されることが多くあります。

選択肢1の「AVC」は、一つ前の世代であるH.264の別名（Advanced Video Coding）です。選択肢3の「MPEG-1」は、ビデオCDなどで使われていた非常に初期の動画規格であり、H.265とは全く別のものです。

【解説】

正解: 1 H.264に比べて圧縮効率が2倍に向上

この問題は、最新の動画規格であるH.265を導入するメリット、つまり「何がどれくらい良くなったのか」という性能向上ポイントを理解しているかを問うものです。

正解は1の「H.264に比べて圧縮効率が2倍に向上」です。H.265は、計算処理は複雑になりますが、H.264と同じ画質の動画を約半分のファイルサイズで保存できるように設計されています。これにより、4Kや8Kといった高画質映像の配信が現実的になりました。

選択肢2は誤りです。圧縮効率が上がっているため、画質を維持したままサイズを小さくできます。画質が低下するわけではありません。選択肢3も誤りです。圧縮効率は高く、また音質の向上は動画コーデックではなく音声コーデックに依存します。

【解説】

正解: 3 高精細度の動画配信や4Kテレビ放送

この問題は、H.265の高い圧縮効率が、具体的にどのような場面で必要とされているかを理解しているかを確認するものです。

正解は3の「高精細度の動画配信や4Kテレビ放送」です。4Kや8Kなどの高精細映像はデータ量が膨大になるため、従来のH.264では配信に必要な通信帯域が大きくなりすぎます。そこで、圧縮効率に優れたH.265を使うことで、データ量を抑え、スムーズな4K配信や放送を実現しています。

選択肢1の「モノクロ画像の保存」や選択肢2の「音声ファイルの圧縮」は、H.265が対象とする「高解像度カラー動画」の用途とは異なります。

【解説】

正解: 2 音声と動画を一つのファイルにインターリーブして格納

この問題は、Windows標準の動画ファイル形式として長く使われてきた「AVI」の基本的な構造（コンテナフォーマットとしての特徴）を理解しているかを問うものです。

正解は2の「音声と動画を一つのファイルにインターリーブして格納」です。AVI（Audio Video Interleave）という名称の通り、音声データと映像データを交互（インターリーブ）に配置して1つのファイルにまとめる仕組みを持っています。

選択肢1は誤りです。AVI自体はただの「入れ物」であり、中身の圧縮形式によってはファイルサイズが巨大になることも多く、必ずしもインターネット配信に最適とは言えません。選択肢3も誤りです。AVIはコーデック（圧縮ソフト）に依存するため、再生環境に同じコーデックがないと再生できないトラブルが発生しがちです。

【解説】

正解: 1 ファイルサイズが大きくなりやすい

この問題は、古い形式であるAVIが持つデメリットや、現代の環境での扱いにくさを理解しているかを確認するものです。

正解は1の「ファイルサイズが大きくなりやすい」です。AVIは設計が古く、現代の高圧縮な形式（MP4など）に比べると、データの管理効率が悪かったり、圧縮率の低いコーデックと組み合わせて使われることが多かったりするため、結果としてファイル容量が大きくなる傾向があります。

選択肢2は誤りです。適切な再生ソフトがあればMacやLinuxなど非Windows環境でも再生可能です。選択肢3も誤りです。AVIは「Audio Video Interleave」の名前の通り、音声を映像と一緒に格納することができます。

【解説】

正解: 2 Windows環境での互換性が高いため

この問題は、AVI形式が過去に普及し、現在でも特定の場面で見かける理由である「プラットフォームとの親和性」を理解しているかを問うものです。

正解は2の「Windows環境での互換性が高いため」です。AVIはマイクロソフト社が開発した形式であり、Windows 95以降のWindows OSに標準で対応していたため、Windowsユーザー間でのデータのやり取りや、古いソフトウェアでの利用において高い互換性を持っています。

選択肢1は誤りです。AVI自体が高い圧縮率や画質を保証するわけではなく、使用するコーデックに依存します。選択肢3も誤りです。非圧縮で保存することも可能ですが、一般的には何らかの圧縮を行って利用されることが多く、「非圧縮形式だから」という理由だけで広く利用されているわけではありません。

【解説】

正解: 3 音声、動画、字幕などを一つのファイルに格納できる

この問題は、現在最も普及している動画ファイル形式「MP4」の持つ機能性と汎用性について理解しているかを問うものです。

正解は3の「音声、動画、字幕などを一つのファイルに格納できる」です。MP4は、映像や音声だけでなく、字幕や静止画、チャプター情報など、多様なデータを1つのファイルにまとめて格納できる高機能な「コンテナフォーマット」です。

選択肢1は誤りです。MP4はPC、スマホ、タブレット、ゲーム機など、極めて幅広いデバイスで再生可能です。選択肢2も誤りです。MP4は通常、H.264などの高圧縮コーデックと組み合わせて使用され、非圧縮データをそのまま保存する用途では使われません。

【解説】

正解: 2 ストリーミングやモバイルでの動画配信

この問題は、MP4形式が現代のデジタルライフにおいてどのようなシーンで活用されているか、その主要な用途を理解しているかを確認するものです。

正解は2の「ストリーミングやモバイルでの動画配信」です。MP4はファイルサイズを小さく抑えつつ高画質を維持でき、さらにスマホやPCなど再生できる機器が非常に多いため、YouTubeやSNSなどのネット動画、動画配信サービスでの標準的な形式として最適です。

選択肢1の「大容量のデータ保存」は、アーカイブ用途などを指す場合もありますが、MP4の強みは「圧縮して軽くすること」にあるため、最も適した表現ではありません。選択肢3の「音声のみの録音データ」には、MP3やAACなどの音声専用形式が使われるのが一般的です（MP4に音声だけ入れることも可能ですが、主用途は動画です）。

【解説】

正解: 1 ファイルサイズが大きくなりがちである

この問題は、MP4とAVIという新旧のファイル形式を比較し、それぞれの特性の違いを正しく理解しているかを問うものです。

正解は1の「ファイルサイズが大きくなりがちである」です。MP4はH.264やH.265といった最新の高圧縮技術と組み合わせて使われることが前提となっており、非常にコンパクトです。一方、AVIは古い設計であり、圧縮効率の低い形式で保存されることも多いため、同じ画質の動画でもMP4に比べてファイルサイズが大きくなる傾向があります。

選択肢2の「幅広いデバイスでの再生が難しい」もAVIの弱点の一つと言えますが、ファイルサイズの問題の方がより形式自体の特性（圧縮効率の差）として顕著です。選択肢3は誤りで、AVIも音声を含むことができます。