このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。
◆大分類:7.基礎理論
◆中分類:13.基礎理論
◆小分類 | ◆見出し | ◆学習すべき用語 |
---|---|---|
35.情報に関する理論 | (4) 論理的な記述 | 述語論理 演繹推論 帰納推論 |
述語論理
述語論理は命題論理を拡張し、より複雑な主張を論理的に表現するための形式論理です。
述語論理では「すべての人は死ぬ」というように、個々の対象やその性質を論理式で表現します。「すべての」や「ある」という量化子を用いることで、対象の全体または一部に関する命題を取り扱うことが可能です。
命題論理では表現できない複雑な文を扱えるため、人工知能やプログラミングにおける論理的推論の基礎として重要です。
述語論理に関する学習用問題
問題
述語論理で使用される量化子として正しいものはどれですか?
- かつ
- すべての
- または
%%replace6%%
正解
2 すべての
解説
述語論理では「すべての」や「ある」といった量化子を使用します。特定の対象に関する命題を論理的に表現できます。
選択肢1や3は論理接続子であり、量化子ではありません。
問題
述語論理において、命題「すべての学生は勉強する」を表す記号論理式として正しいものはどれですか?
- ∀x (学生(x) → 勉強(x))
- ∃x (学生(x) ∧ 勉強(x))
- 勉強(学生)
%%replace6%%
正解
1 ∀x (学生(x) → 勉強(x))
解説
この論理式は「すべての学生が勉強する」という述語論理の命題を正確に表現しています。
選択肢2は「ある学生が勉強する」という意味になり、選択肢3は述語論理の形式になっていません。
問題
述語論理が命題論理と異なる点として適切なものはどれですか?
- 複雑な条件を表現できない
- より単純な命題を表現する
- 変数を使用して具体的な対象を扱う
%%replace6%%
正解
3 変数を使用して具体的な対象を扱う
解説
述語論理では変数を使って具体的な対象やその性質を表現できます。
命題論理はこれに比べ単純で複雑な条件の表現には適していません。
演繹推論
演繹推論は一般的な原理や規則から具体的な結論を導き出す論理的推論の方法です。
例えば、「すべての人は死ぬ」という一般的な命題から「ソクラテスは人であるため、ソクラテスは死ぬ」という具体的な結論を導くことができます。
演繹推論は結論の真偽が前提の真偽に依存するため、前提が正しければ必ず正しい結論が導かれる特長があります。数学や論理学、プログラムの検証などに広く応用されています。
前提が間違っていることがあるのでその点は注意が必要です。
演繹推論に関する学習用問題
問題
演繹推論の特徴として正しいものはどれですか?
- 一般的な原理から具体的な結論を導き出す
- 具体的な事例から一般的な原理を導き出す
- 前提が真でなくても結論が正しくなる
%%replace6%%
正解
1 一般的な原理から具体的な結論を導き出す
解説
演繹推論は一般的な原理を基にして結論を導くため、前提が真であれば結論も必ず真となります。選択肢2は帰納推論に関するものであり、選択肢3は誤りです。
問題
「すべてのAはBである。CはAである。したがってCはBである。」という推論の種類は何ですか?
- 帰納推論
- 演繹推論
- 仮説推論
%%replace6%%
正解
2 演繹推論
解説
この推論は一般的な命題から特定の結論を導き出す演繹推論の典型例です。選択肢2の帰納推論は具体的な事例から一般化する手法、選択肢3の仮説推論は観察から仮説を立てる方法を指します。
問題
演繹推論が適用される場面として最も適切なものはどれですか?
- 未知のデータに基づいて一般的な法則を導き出す場合
- 既知の原理を応用して具体的な問題を解く場合
- 経験から得たパターンを一般化する場合
%%replace6%%
正解
2 既知の原理を応用して具体的な問題を解く場合
解説
演繹推論は既知の一般的な原理を具体的な状況に適用して結論を導く方法です。選択肢1や3は帰納推論に関する内容で、演繹推論とは異なります。
帰納推論
帰納推論は具体的な事例から一般的な原則を導き出す推論の方法です。
例えば「このカラスは黒い」「あのカラスも黒い」といった個々の観察から「すべてのカラスは黒い」といった一般化された結論を導きます。
ただし、観察された事例がすべてを代表するとは限らないため、帰納推論の結論は必ずしも真であるとは言えない点に注意が必要です。科学的な仮説形成やデータ分析の際によく用いられます。
帰納推論は「●●な人はこうだよね」という風に日常的によく使われますし、ビジネスシーンでも無意識に日常的に使われています。
しかし、観察した事例がすべてを代表しているとは限らないため、帰納推論には限界がある点に注意が必要です。
また、演繹推論の一般的な命題(例:カラスは黒い)が帰納推論で導き出された前提である場合、演繹推論自体が正しくても、帰納推論の限界(白いカラスが居るかもしれないという)不確実性が内包されている点に注意が必要です。
帰納推論に関する学習用問題
問題
帰納推論の特徴として正しいものはどれですか?
- 具体的な事例から一般的な結論を導き出す
- 一般的な原理から具体的な結論を導き出す
- 前提が真であれば結論も必ず真となる
%%replace6%%
正解
1 具体的な事例から一般的な結論を導き出す
解説
帰納推論は具体的な観察や事例を基に一般化された結論を導く方法です。
演繹推論とは異なり、必ずしも結論が真になるとは限りません。選択肢2や3は演繹推論の特徴です。
問題
「この薬を服用した100人中90人が症状改善した。したがってこの薬は効果的である。」という推論の種類は何ですか?
- 演繹推論
- 仮説推論
- 帰納推論
%%replace6%%
正解
3 帰納推論
解説
この推論は観察された具体的なデータを基に一般的な結論を導き出す帰納推論の典型例です。
選択肢1は一般的な原則から結論を導く演繹推論であり、選択肢3は観察から仮説を立てる方法を指します。
問題
帰納推論の結論が必ずしも真でない理由として適切なものはどれですか?
- 前提が論理的に矛盾している可能性があるため
- 観察された事例が全体を代表するとは限らないため
- 一般的な原理を誤って適用する可能性があるため
%%replace6%%
正解
2 観察された事例が全体を代表するとは限らないため
解説
帰納推論の結論は観察された事例が必ずしもすべてを代表していない可能性があるため、必ずしも真とは限りません。
選択肢1や3は演繹推論や仮説推論に関する誤りです。