【ITパスポート練習問題 6.3対応】27.プロジェクトマネジメント

【解説】

正解: 2 プロジェクトの目標達成

この問題は、プロジェクトマネジメントという活動が、最終的に何を目指しているのかという根本的な目的を理解しているかを確認するものです。

正解である「プロジェクトの目標達成」は、プロジェクトマネジメントの核心です。プロジェクトとは、独自の製品やサービスを創造するために行われる有期性の業務です。マネジメントの役割は、決められた期間（納期）、予算（コスト）、品質などの制約条件の中で、あらかじめ設定されたプロジェクトのゴール（目標）を確実に達成することにあります。

選択肢1の「利益の最大化」は、企業経営や事業活動全体の目的としては正しいですが、個々のプロジェクトマネジメントにおいては、あくまで予算内での目標達成が優先されます。選択肢3の「顧客満足度の向上」も重要な成果の一つですが、それ自体は目標達成の結果として得られるものであり、マネジメント活動の第一義的な定義（QCDの管理など）とは区別されます。

【解説】

正解: 1 プロジェクトの全体の範囲を明確にし管理すること

この問題は、プロジェクトにおける「スコープ（Scope）」の定義と、それを管理する目的を正しく理解しているかを問うものです。

正解の「プロジェクトの全体の範囲を明確にし管理すること」は、スコープマネジメントの定義そのものです。スコープとは「プロジェクトで何を行い、何を行わないか」という作業の範囲のことです。これを明確にすることで、必要な作業の漏れや、不要な作業の追加を防ぎ、プロジェクトのゴールをぶれないように管理します。

選択肢2の「チームメンバーの仕事量を均等に配分すること」は、人的リソースマネジメントの領域です。選択肢3の「プロジェクト完了後の維持管理計画を立てること」は、運用保守フェーズの計画であり、プロジェクトの作業範囲（スコープ）の管理とは直接関係しません。

【解説】

正解: 3 メンテナンス

この問題は、プロジェクトマネジメントにおける活動の「期間（ライフサイクル）」の定義を理解しているかを確認するものです。プロジェクトには「始まり」と「終わり」があることが特徴です。

正解の「メンテナンス（保守・運用）」は、プロジェクトマネジメントのプロセスには含まれません。プロジェクトは「独自の製品やサービスを作り出す有期性の活動」であり、完了して成果物を引き渡した時点で終了します。その後の継続的なメンテナンスは「定常業務（オペレーション）」として扱われます。

選択肢1の「立ち上げ」と選択肢2の「実行」は、PMBOKなどの標準的なプロジェクトマネジメント体系において、計画、監視・コントロール、終結と並ぶ主要なプロセス群の一部であり、プロジェクト期間内に行われる活動です。

【解説】

正解: 2 プロジェクトマネージャに権限を付与する

この問題は、プロジェクトの開始時に作成される「プロジェクト憲章」という文書の役割と重要性を理解しているかを問うものです。

正解は「プロジェクトマネージャに権限を付与する」です。プロジェクト憲章は、経営層やスポンサーが発行する文書で、プロジェクトの存在を公式に認め、任命されたプロジェクトマネージャに対して、組織のリソース（人、物、金）を使用してプロジェクトを推進する権限を与えます。これがプロジェクトの正式なスタート地点となります。

選択肢1の「プロジェクトの詳細なスケジュールを定める」や、選択肢3の「チームメンバーの業務内容を決定する」は、プロジェクト憲章が承認された後に行われる「計画プロセス」での活動です。憲章の段階では、まだ詳細な計画は決定していません。

【解説】

正解: 1 詳細なタスクの一覧

この問題は、プロジェクト憲章に記載される情報の「粒度（細かさ）」を理解しているかを確認するものです。プロジェクト憲章は立ち上げ段階で作られるため、大枠の合意形成が目的です。

正解の「詳細なタスクの一覧」は、プロジェクト憲章には含まれません。詳細なタスク（WBSやアクティビティ）は、プロジェクトが正式に発足した後の「計画段階」で策定されるものです。立ち上げの時点では、まだ具体的な作業レベルまでは決まっていないのが一般的です。

選択肢2の「プロジェクトの目的」や選択肢3の「プロジェクトの関係者（主要なステークホルダ）」は、プロジェクトの方向性を定め、誰が関わるかを明らかにするために、プロジェクト憲章に必ず記載すべき重要な要素です。

【解説】

正解: 3 プロジェクトの立ち上げ時

この問題は、プロジェクトマネジメントのプロセスにおいて、どのタイミングでプロジェクト憲章が作成されるかという順序を理解しているかを問うものです。

正解は「プロジェクトの立ち上げ時」です。プロジェクト憲章は、プロジェクトの開始を公式に宣言し、マネージャを任命するための文書であるため、すべての活動の最初（立ち上げプロセス群）に作成されます。

選択肢1の「プロジェクトの完了後」では意味を成しません。選択肢2の「リスクが発生した時点」は実行中や監視コントロール中の話であり、プロジェクトの設立を宣言するタイミングではありません。

【解説】

正解: 2 プロジェクトの範囲の明確化と管理

この問題は、スコープマネジメントを行うことによって何を実現したいのか、その目的を理解しているかを確認するものです。

正解は「プロジェクトの範囲の明確化と管理」です。プロジェクトの成功には、顧客の要求事項をもとに「やるべきこと（範囲）」を定義し、それ以外の「やらなくてよいこと」を区別することが不可欠です。スコープマネジメントは、この範囲を定義し、勝手に範囲が広がったり変わったりしないよう管理することを目的とします。

選択肢1の「リソースの最適化」はリソースマネジメント、選択肢3の「コスト削減の促進」はコストマネジメントの領域であり、スコープマネジメントの直接的な目的ではありません。

【解説】

正解: 3 スケジュールの策定

この問題は、プロジェクトマネジメントの各知識エリア（スコープ、タイム、コストなど）に含まれる具体的なプロセスを区別できているかを問うものです。

正解の「スケジュールの策定」は、スコープマネジメントではなく、タイムマネジメント（スケジュール管理）のプロセスに含まれます。いつ作業を行い、いつ完了するかを決める活動だからです。

選択肢1の「スコープの定義」は、成果物や作業範囲を詳細に記述するプロセスであり、選択肢2の「スコープの確認」は、完了した成果物が要求通りかを受け入れるプロセスです。これらはどちらもスコープマネジメントの活動です。

【解説】

正解: 2 変更管理プロセス

この問題は、プロジェクト進行中にスコープ（作業範囲）を変更する必要が生じた場合、どのような手続きを踏むべきかという「統制」の仕組みを理解しているかを問うものです。

正解は「変更管理プロセス」です。スコープの変更は、スケジュールやコスト、品質に大きな影響を与えます。そのため、思いつきで変更するのではなく、変更要求を正式に文書化し、影響を分析した上で、承認または却下を判断する一連の手続き（変更管理）を経る必要があります。

選択肢1の「リスクマネジメント」は不確実性への対処であり、選択肢3の「コミュニケーション計画」は情報の伝え方の計画です。変更を承認する手続きそのものではありません。