【ITパスポート練習問題 6.3対応】(1) 業務の把握

【解説】

正解: 2 大量のデータを効率的に収集できる

この問題は、データ収集手法の一つである「アンケート」が持つ、主な利点（メリット）は何かを理解しているかを確認するものです。

アンケート調査は、あらかじめ用意した質問票を配布・回収することにより、多くの対象者から同時に情報を集めることができます。特にWebアンケートなどは、短時間で非常に「大量のデータを効率的に収集できる」点が最大の利点です。

「全ての対象者から直接インタビューが可能」は、アンケートではなくインタビュー調査の説明です。アンケートは通常、対面での聞き取りを行いません。「対象者の回答を自動的に修正できる」機能はアンケートにはありません。回答を修正することはデータの改ざんにあたり、不適切です。

【解説】

正解: 3 質問内容に偏りがある設問を含める

この問題は、信頼できる公正なアンケート結果を得るために、質問を作成する（設計する）際に「避けるべきこと」は何かを理解しているかを確認するものです。

「質問内容に偏りがある設問」とは、特定の回答に誘導するような聞き方（例：「〜すべきですよね？」）や、作成者の意見が反映された質問のことです。このような設問を含めると、回答者の回答が誘導され、客観的で公正なデータが得られなくなるため、絶対に避けなければなりません。

「明確で簡潔な質問を使用する」ことや、「回答者の匿名性を確保する」ことは、回答者が迷わず、本音で答えやすい環境を作るために重要であり、アンケート設計で推奨される良い方法です。

【解説】

正解: 2 結果を数値化して統計的に処理する

この問題は、アンケートで集めた多くの回答（データ）を「効果的に分析する」ためには、どのような処理が必要かを理解しているかを確認するものです。

アンケートの回答（例：「とても満足」「やや満足」「不満」など）は、そのままでは集計や比較が困難です。そこで、回答を「5点」「4点」「2点」のように「数値化」し、全体の平均値や割合を計算するなどの「統計的な処理」を行います。これにより、客観的な傾向やパターンを把握することができます。

「回答内容をそのまま公開する」ことは、分析ではなく、個人情報保護の観点からも問題があります。「全ての回答を同一の意見と見なす」ことは、回答の傾向を無視する行為であり、分析とは呼べません。

【解説】

正解: 1 データの比較が容易で標準化された情報が得られる

この問題は、インタビュー手法の一つである「構造化インタビュー」が持つ主な利点（メリット）を理解しているかを確認するものです。

構造化インタビューとは、調査対象者全員に、あらかじめ決められた質問を、決められた順序で尋ねる手法です。質問内容が統一されているため、回答も「標準化された情報」として得られます。これにより、複数の回答者間での「データの比較が容易」になるという利点があります。

「インタビュアーの主観が反映されやすい」のは、質問が固定されている構造化インタビューではむしろ少なく、非構造化インタビューで起こりやすいです。「対話の自由度が高く、深い洞察が得られる」のは、質問を固定しない「非構造化インタビュー」の利点です。

【解説】

正解: 2 必要に応じてインタビューの途中で質問を変更できる

この問題は、「構造化」と「非構造化」の中間にあたる「半構造化インタビュー」の特長を正しく理解しているかを確認するものです。

半構造化インタビューは、事前に大まかな質問項目（インタビューガイド）は用意しておきますが、厳格にそれに従うわけではありません。相手の回答や話の流れに応じて、質問の順序を変えたり、ガイドにない追加の質問をしたりするなど、「途中で質問を柔軟に変更できる」点が特長です。

「事前にすべての質問内容が決められている」のは、構造化インタビューの特長です。「インタビュー対象者が自由に話すだけで良い」のは、特定のテーマのみを設定する非構造化インタビューの特長です。

【解説】

正解: 3 分析に時間がかかる場合がある

この問題は、自由に回答してもらう「非構造化インタビュー」が持つ主な欠点（デメリット）は何かを理解しているかを確認するものです。

非構造化インタビューは、決まった質問がなく自由な対話形式で進むため、回答者から深く多様な情報を得られる利点があります。しかしその反面、回答内容が定型化されておらず、文字起こしや内容の解釈・分類といった整理作業が必要になるため、「分析に時間がかかる」という欠点があります。

「質問が固定されすぎるため、自由な意見が得られない」のは、構造化インタビューの欠点です。「データの収集範囲が限定される」こともなく、むしろ話が発散して収集範囲が広がりすぎることがあります。

【解説】

正解: 1 現場での観察やデータ収集を行う調査手法

この問題は、「フィールドワーク」という調査手法の基本的な定義を理解しているかを確認するものです。

フィールドワークは、日本語で「現地調査」とも訳されます。調査対象となる人々が生活したり、現象が起きたりしている「現場（フィールド）」に研究者が実際に出向き、そこで「観察」したり、インタビューしたりすることを通じて、生の「データ収集を行う調査手法」です。

「室内での理論的なデータ分析」は、フィールドワークで集めたデータを持ち帰った後に行う作業（デスクリサーチ）です。「全てのデータを自動生成する方法」はシミュレーションなどに近く、現実の現場から情報を得るフィールドワークとは異なります。

【解説】

正解: 3 調査対象者への十分な説明と同意の取得

この問題は、フィールドワークを「実施する」上で、特に重要となる「注意点」は何かを理解しているかを確認するものです。

フィールドワークは、現実の人間や社会を対象とすることが多いため、倫理的な配慮が極めて重要です。調査の目的、データの利用方法、プライバシーの保護などを「調査対象者へ十分な説明」を行い、相手が納得した上で協力の「同意（インフォームド・コンセント）を取得する」必要があります。

「現地に行かずにインターネットで情報を収集する」のは、フィールド（現場）ワークの定義に反します。「調査結果を主観的に報告する」のは、客観性が求められる調査報告として不適切です。

【解説】

正解: 2 現地の状況を詳細に把握し、改善案を提案する場合

この問題は、フィールドワークで得られた成果（データや知見）が、どのような場面で最も「活用」されるかを理解しているかを確認するものです。

フィールドワークの最大の強みは、統計データや文献調査（デスクリサーチ）だけでは分からない、現場の生の状況や人々の本音、文脈といった「現地の状況を詳細に把握」できる点にあります。この具体的な情報を基にして、現状の問題点を発見し、「具体的な改善案を提案する場合」に非常に有効です。

「理論モデルのみに基づいて仮説を立てる」のは、通常フィールドワークを行う「前」の段階です。「調査計画を全く立てずにデータを収集する」のは、非効率的であり、成果の活用以前の問題です。