【ITパスポート練習問題 6.3対応】(3) 標準化団体と規格

【解説】

正解: 2 製品やサービスの国際標準を設定するため

この問題は、国際的な標準化機関であるISO（国際標準化機構）の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。

ISOは、製品やサービスが世界中で通用するように、品質、安全性、互換性などに関する国際的な基準（標準）を定めることを主な目的としています。

「世界的な競争を抑制するため」は誤りです。ISOは標準化を通じて公正な競争の基盤を作りますが、競争自体を抑制する組織ではありません。「各国の法律を統一するため」も誤りです。ISOは技術的な標準や管理の仕組みを定めますが、各国の主権に関わる法律を統一する権限や目的はありません。

【解説】

正解: 2 ファッションデザインの流行予測

この問題は、ISOがどのような分野の標準を扱っているか、その範囲を大まかに理解しているかを確認するものです。

ISOは、工業製品、管理システム、情報技術など、非常に広範な分野で標準を策定していますが、「ファッションデザインの流行予測」のような、市場の動向やトレンドを予測する業務は標準化の対象外です。流行予測は標準化できる性質のものではありません。

「環境管理」はISO 14000シリーズとして、「情報セキュリティ管理」はISO/IEC 27000シリーズとして、それぞれ国際規格が策定されており、ISOの主要な活動分野です。

【解説】

正解: 3 貿易の促進

この問題は、ISO規格という国際的な「共通のルール」を採用することによって、どのようなメリットがもたらされるかを理解しているかを確認するものです。

ISO規格（国際標準）を採用すると、製品の品質や仕様が世界中で共通化されます。これにより、異なる国や企業間でも製品の互換性が保たれ、信頼性が高まるため、国境を越えた取引、つまり「貿易の促進」に繋がります。

「国際紛争の解決」は誤りです。これは政治的・外交的な問題であり、技術標準を定めるISOの役割ではありません。「国内市場の独占」も誤りです。むしろISO規格は、国内外の企業が同じ基準で競争できる環境を整えるため、独占を防ぎ、公正な競争を促す側面があります。

【解説】

正解: 1 電気技術分野の国際標準化

この問題は、ISOと並ぶ主要な国際標準化機関であるIEC（国際電気標準会議）が、どの専門分野を担当しているかを理解しているかを確認するものです。

IECは、その名称（International Electrotechnical Commission）が示す通り、特に「電気技術分野」および電子技術分野における国際標準の策定を専門としています。これにより、電気製品の安全性や互換性を世界的に確保しています。

「食品の安全基準策定」は誤りです。これはCodex（コーデックス委員会）など、別の専門機関が担当しています。「国際的な貿易協定の仲介」も誤りです。これはWTO（世界貿易機関）などの役割であり、技術標準を定めるIECの役割ではありません。

【解説】

正解: 2 電力供給と配電システム

この問題は、IECが担当する「電気技術分野」の具体的な例を理解しているかを確認するものです。

「電力供給と配電システム」は、電気エネルギーを安全かつ効率的に供給するための根幹となる技術であり、IECが担当する中心的な分野の一つです。

「建築設計」は、建築基準や構造に関する標準が中心であり、主にISOなどが扱います（電気設備部分はIECが関わりますが、設計全体ではありません）。「自動車のデザイン」は、工業デザインの領域であり、IECの標準化の対象外です。

【解説】

正解: 3 機器の互換性向上

この問題は、IEC規格（電気分野の国際標準）を導入することによる具体的な利点を理解しているかを確認するものです。

IEC規格という世界共通のルールに従って電気製品を作ることで、異なるメーカーの製品（例：コンセントとプラグ、充電器とデバイス）が正しく接続できたり、安全に使用できたりします。これを「機器の互換性向上」と呼びます。

「貿易摩擦の増加」は誤りです。むしろ規格が統一されることで、国ごとの独自基準（非関税障壁）がなくなり、貿易摩擦は減少する方向に働きます。「新規市場の閉鎖」も誤りです。共通の規格があれば、新しい企業もその規格に沿って製品開発ができるため、市場への参入が容易になります。

【解説】

正解: 2 通信技術と電子工学

この問題は、ISOやIECとは異なる標準化機関であるIEEE（アイトリプルイー）が、特にどの技術分野で活動しているかを理解しているかを確認するものです。

IEEE（Institute of Electrical and Electronics Engineers）は、日本語で「米国電気電子学会」と訳されるように、「通信技術と電子工学」分野における世界的な専門家組織です。特にコンピュータネットワーク（無線LANなど）の分野で重要な標準を多く策定しています。

「機械工学」や「農業技術」は、電気・電子工学や通信技術とは異なる専門分野であり、IEEEの主な活動分野ではありません。

【解説】

正解: 2 無線LAN（Wi-Fi）の標準規格

この問題は、IEEEが策定した規格の中で、特にITパスポート受験者にとって身近な「IEEE 802.11」が何を指すか、その具体的な知識を問うものです。

IEEE 802.11は、私たちが日常的に「Wi-Fi（ワイファイ）」と呼んでいる技術の正式な標準規格の名称です。この規格があるおかげで、異なるメーカーのスマートフォンやパソコン、ルータが互いに接続できます。

「衛星通信の標準規格」や「電力供給システムの管理基準」は、IEEE 802.11が定める範囲ではありません。これらは別の専門分野の規格として定められています。

【解説】

正解: 1 通信技術の国際標準化

この問題は、IEEE規格を採用することが、社会や技術にどのような良い影響をもたらすかを理解しているかを確認するものです。

IEEE規格（特にネットワーク関連）は、事実上の国際標準として世界中で広く採用されています。これにより、世界中のメーカーが同じルールで機器を製造でき、「通信技術の国際標準化」が進み、結果として機器間の互換性が確保されます。

「貿易摩擦の激化」は誤りです。標準化はむしろ貿易障壁を下げ、摩擦を緩和する効果があります。「法律の統一」も誤りです。IEEEは技術の標準を定める学会であり、各国の法律を統一する機関ではありません。

【解説】

正解: 3 Web技術の標準化

この問題は、私たちが日常的に利用するWeb（ワールド・ワイド・ウェブ）の技術的なルールを定めている主要な組織「W3C」の役割を理解しているかを確認するものです。

W3C（World Wide Web Consortium）は、Webを健全に発展させるために設立された非営利団体です。Webページを作成するためのHTMLや、デザインを指定するCSSなど、「Web技術の標準化」を行っています。

「コンピュータハードウェアの設計」は、CPUやメモリなどの物理的な機器に関するもので、W3Cの活動範囲外です。「ソフトウェア販売のライセンス管理」は、ソフトウェアの利用許諾に関するものであり、Web技術の標準化とは異なります。

【解説】

正解: 2 HTML

この問題は、W3Cが策定した具体的な「Web技術の標準」を、他のインターネット関連技術と区別できるかを問うものです。

HTML（HyperText Markup Language）は、Webページの構造（見出し、段落、リンクなど）を定義するための言語であり、W3Cが中心となって標準化を進めている代表的な規格です。

HTTP（Hypertext Transfer Protocol）は、Webサーバとブラウザが通信するための中核的なプロトコルですが、主にIETF（インターネット技術タスクフォース）という別の組織が標準化しています。FTP（File Transfer Protocol）も同様にIETFが標準化した、ファイルを転送するためのプロトコルです。

【解説】

正解: 1 Webページの相互運用性向上

この問題は、W3Cが定めるWeb標準（HTML, CSSなど）に従うことによって、どのような利点が得られるかを理解しているかを確認するものです。

W3Cの標準規格に従ってWebページを作成すると、Google Chrome, Safari, Firefoxなど、異なる種類のWebブラウザでも意図した通りに表示されやすくなります。これを「Webページの相互運用性向上」と呼びます。

「ネットワーク通信速度の向上」は、主に回線事業者やネットワーク機器の性能によるもので、W3C規格の直接の目的ではありません。「ソフトウェアの無料提供」も誤りです。W3Cは標準を策定する組織であり、ソフトウェアを提供する組織ではありません。

【解説】

正解: 1 日本国内の産業製品の標準化

この問題は、日本の国内規格である「JIS（日本産業規格）」の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。

JIS（Japanese Industrial Standards）は、日本の産業製品に関する規格や測定方法などを定めた国家規格です。その主な目的は、「日本国内の産業製品の標準化」を通じて、品質の安定、安全性の確保、互換性の向上などを図ることにあります。

「国際貿易協定の策定」は、政府間の交渉（例：WTO）によって行われるもので、JISの目的ではありません。「知的財産権の保護」は、特許庁などが担う領域であり、産業標準化とは異なります。

【解説】

正解: 2 食品の衛生基準

この問題は、JIS（日本産業規格）がどのような分野を対象としているか、その範囲を理解しているかを確認するものです。

JISは主に「産業製品」（工業製品）やサービス、管理システムなどを対象としています。一方、「食品の衛生基準」は、食品表示法や食品衛生法など、主に厚生労働省や消費者庁が所管する別の法律や基準に基づいて定められています（JAS規格という農林水産分野の規格もありますが、JISの直接の対象ではありません）。

「電気機器」や「機械部品」は、JISが対象とする代表的な産業製品の分野です。

【解説】

正解: 3 一定の品質基準を満たしていることの証明

この問題は、製品に付いている「JISマーク」が、消費者に何を伝えているのか、その意味を正しく理解しているかを確認するものです。

JISマークは、その製品がJIS（日本産業規格）の定める品質、性能、安全性などの「一定の品質基準を満たしていること」を、国の登録を受けた認証機関が証明（認証）したことを示すマークです。

「国際認証の証明」ではありません。JISはあくまで日本の国家規格です（ただし、ISOなどの国際規格に基づいている場合もあります）。「政府からの直接販売許可」でもありません。JISマークがなくても販売できる製品は多くあります。

【解説】

正解: 2 製品やサービスの品質管理

この問題は、国際規格の中でも特に有名な「ISO 9000シリーズ（またはISO 9001）」が、何を目的とした規格なのかを理解しているかを確認するものです。

ISO 9000シリーズは、「品質マネジメントシステム（QMS）」に関する国際規格です。組織（企業など）が、顧客に提供する「製品やサービスの品質管理」を継続的に行い、顧客満足度を向上させるための仕組み（プロセス）を構築・運用することを目的としています。

「組織の財務管理の強化」は、会計基準などの領域です。「製品の国際輸出手続きの簡素化」は、貿易協定などの領域であり、ISO 9000の直接の目的ではありません（ただし、認証が取引条件になることはあります）。

【解説】

正解: 2 組織の業務プロセスの改善

この問題は、ISO 9000シリーズの認証を取得するために取り組むことが、組織にどのような良い効果をもたらすかを理解しているかを確認するものです。

ISO 9000シリーズ（認証規格はISO 9001）の認証を取得するということは、品質管理のための仕組みを国際規格に沿って構築・運用している証拠になります。この過程で、業務の手順が明確化・標準化され、結果として「組織の業務プロセスの改善」が期待できます。

「製品の市場価格の引き上げ」を保証するものではありません。品質が良くても価格は市場が決めるため、誤りです。「国際特許の自動取得」も全く関係ありません。特許は技術的な発明に対して個別に申請・審査されるものであり、管理システムの認証とは別です。

【解説】

正解: 2 製品やサービスの品質管理

この問題は、ISO 9000シリーズが、ISOの数ある規格の中で、どの専門分野を担当しているかを明確に理解しているかを確認するものです。

ISO 9000シリーズは、一貫して「製品やサービスの品質管理」に関する仕組み（品質マネジメントシステム）を扱っています。業種や組織の規模に関わらず適用できるのが特徴です。

「自然環境の保護」は、ISO 14000シリーズ（環境マネジメントシステム）が扱う分野です。「財務データの保護」は、情報セキュリティの一環であり、ISO/IEC 27000シリーズ（情報セキュリティマネジメントシステム）などが関連します。

【解説】

正解: 2 環境への負荷軽減と持続可能な発展

この問題は、ISO 9000シリーズと並んで有名な「ISO 14000シリーズ（またはISO 14001）」が、何を目的とした規格なのかを理解しているかを確認するものです。

ISO 14000シリーズは、「環境マネジメントシステム（EMS）」に関する国際規格です。組織が事業活動を行う上で、環境に与える影響（「環境への負荷軽減」）を継続的に管理し、改善していく仕組みを構築することで、「持続可能な発展」に貢献することを目的としています。

「労働環境の改善」は、労働安全衛生（ISO 45001など）の領域です。「事業の財務報告強化」は、会計基準などの領域であり、ISO 14000の目的ではありません。

【解説】

正解: 1 環境に配慮した製造プロセスの採用

この問題は、ISO 14000の目的である「環境への負荷軽減」を実現するために、具体的にどのような行動が求められるかを理解しているかを確認するものです。

ISO 14000シリーズ（認証規格はISO 14001）では、組織が自らの活動が環境に与える影響を特定し、それを低減するための具体的な目標や計画を立てて実行することが求められます。例えば、「環境に配慮した製造プロセスの採用」（省エネ、廃棄物削減など）は、その中心的な取り組みの一つです。

「業務効率化のための自動化設備導入」や「国際競争力の向上」は、環境管理の直接的な取り組みではなく、他の経営課題や、環境管理の結果として副次的に得られる可能性のある効果です。

【解説】

正解: 2 環境に関する企業イメージの向上

この問題は、組織がISO 14000シリーズの認証を取得することが、社会や市場からどのように評価されるか、その利点を理解しているかを確認するものです。

ISO 14000認証を取得していることは、その組織が国際的な基準に沿って環境負荷の低減に自主的に取り組んでいることの客観的な証明となります。これにより、消費者や取引先、地域社会などからの信頼が高まり、「環境に関する企業イメージの向上」が期待できます。

「法的義務の免除」は誤りです。環境関連の法律（法規制）を守ることは認証取得の前提であり、認証によって法律が免除されることはありません。「製品の市場価格の保証」も誤りです。認証が価格を保証するものではありません。

【解説】

正解: 3 組織の社会的責任の促進

この問題は、近年重要性が高まっている「組織の社会的責任（CSR）」について、ISOが定めた規格「ISO 26000」の目的を理解しているかを確認するものです。

ISO 26000は、組織（企業、政府、NPOなど）が「社会的責任（SRまたはCSR）」を果たしていくための国際的なガイダンス（手引き）規格です。組織が自らの決定や活動が社会や環境に与える影響に責任を持ち、持続可能な発展に貢献することを促進します。

「製品の品質保証」はISO 9000シリーズの分野です。「環境保護のための法的拘束」は誤りです。ISO 26000は認証を目的としない「ガイダンス規格」であり、法的な拘束力はありません（環境保護は社会的責任の一部ですが）。

【解説】

正解: 2 人権の尊重と公正な労働慣行

この問題は、ISO 26000が定義する「社会的責任」に、どのような具体的なテーマが含まれているかを理解しているかを確認するものです。

ISO 26000は、社会的責任の中核主題として7つの分野（組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画）を挙げています。選択肢の中では「人権の尊重と公正な労働慣行」が、これらに明確に含まれる重要な内容です。

「財務報告の透明性」は、組織統治の一部とは言えますが、会計基準などの別の領域が主です。「貿易手続きの簡素化」は、社会的責任の主要なテーマではありません。

【解説】

正解: 2 倫理的行動を指針とする非認証型の標準規格

この問題は、ISO 26000が、ISO 9001やISO 14001といった他の有名な規格とどのように異なるか、その最も重要な特徴を理解しているかを確認するものです。

ISO 26000の最大の特徴は、ISO 9001（品質）やISO 14001（環境）とは異なり、第三者が審査して「認証」を与えることを目的としていない「非認証型の標準規格」である点です。あくまで組織が自主的に社会的責任に取り組むための「指針（ガイダンス）」として提供されています。

「認証を得ることで市場競争力が高まる」は誤りです。ISO 26000は認証を目的としていません。「国際特許の取得を促進する規格」でもありません。特許とは全く異なる概念です。

【解説】

正解: 3 情報セキュリティの管理体制強化

この問題は、IT社会において非常に重要な「情報セキュリティ」に関して、ISOが定めている規格「ISO/IEC 27000シリーズ（またはISO/IEC 27001）」の目的を理解しているかを確認するものです。

ISO/IEC 27000シリーズは、「情報セキュリティマネジメントシステム（ISMS）」に関する国際規格です。組織が保有する情報資産（データなど）を守るために、どのような管理体制を構築し、運用・改善していくべきかを定めており、「情報セキュリティの管理体制強化」を目的としています。

「財務管理の透明性確保」は会計基準などの領域です。「製造工程の自動化」は生産技術の領域であり、情報セキュリティ管理とは直接の関係はありません。

【解説】

正解: 2 情報の機密性、完全性、可用性の確保

この問題は、ISO/IEC 27000シリーズが目的とする「情報セキュリティ」とは、具体的に情報のどのような状態を守ることなのか、その基本要素を理解しているかを確認するものです。

情報セキュリティ管理では、情報資産を守るために3つの要素（CIA）をバランス良く維持することが基本とされています。それは、許可された人だけが情報にアクセスできる「機密性」、情報が正確で改ざんされていない「完全性」、必要な時に情報が利用できる「可用性」です。ISO/IEC 27000シリーズは、これら3つを確保するための管理体制を求めています。

「製品設計の最適化」や「マーケティング戦略の策定」は、情報セキュリティ管理とは異なる経営活動です。

【解説】

正解: 2 セキュリティインシデントのリスク軽減

この問題は、組織がISO/IEC 27000シリーズ（ISMS）を導入し、適切に運用することによって、どのような具体的な効果が期待できるかを理解しているかを確認するものです。

ISO/IEC 27000シリーズに基づいた管理体制（ISMS）を構築・運用することで、組織の情報資産に対する脅威（不正アクセス、情報漏えい、改ざん、サービス停止など）への対策が体系的に行われます。これにより、「セキュリティインシデント（事故）」が発生する可能性、すなわち「リスクを軽減」することができます。

「製品の製造コスト削減」は、情報セキュリティ管理の直接的な効果ではありません。「国際貿易手続きの簡素化」も誤りです。これは貿易協定などに関連するものです。

【解説】

正解: 1 人的資本に関する透明性の向上

この問題は、比較的新しい分野の規格である「ISO 30414」が、組織のどのような情報を扱うものなのか、その目的を理解しているかを確認するものです。

ISO 30414は、「人的資本（Human Capital）」、つまり組織で働く人々（従業員）に関する情報を、どのように測定し、社内外に報告（開示）するかについての国際的なガイドラインです。これにより、「人的資本に関する透明性の向上」を図り、投資家などが組織の価値を正しく評価できるようにすることを目的としています。

「財務報告の国際基準策定」は、会計基準（IFRSなど）の領域です。「貿易手続きの簡素化」も、人的資本とは関係のない分野です。

【解説】

正解: 2 生産設備の耐用年数

この問題は、ISO 30414が扱う「人的資本」の情報と、そうでない情報（「物的資本」など）とを、具体的に区別できるかを確認するものです。

ISO 30414は「人」に関する情報を扱います。一方、「生産設備の耐用年数」は、建物や機械といった「モノ（物的資産）」に関する情報です。したがって、人的資本の報告ガイドラインであるISO 30414の評価対象とはなりません。

「従業員のスキル開発状況」や「職場の多様性（ダイバーシティ）とインクルージョン」は、組織の「人」の状態を示す重要な情報であり、ISO 30414が報告項目として例示している内容に含まれます。

【解説】

正解: 2 投資家やステークホルダーへの信頼性向上

この問題は、ISO 30414のガイドラインに沿って「人的資本」に関する情報を開示することが、組織にどのような良い効果をもたらすかを理解しているかを確認するものです。

従来、財務諸表には表れにくかった「人」に関する情報を、ISO 30414に沿って分かりやすく開示することで、組織の透明性が高まります。これにより、「投資家やステークホルダー（利害関係者）」が、その組織の将来性や持続可能性をより深く理解できるようになり、「信頼性向上」に繋がります。

「国際貿易の関税率の引き下げ」は政府間の交渉事です。「製品設計の最適化」は技術開発の領域であり、人的資本の情報開示とは直接関係ありません。

【解説】

正解: 3 リスクの識別と管理の強化

この問題は、「リスクマネジメント」に関する規格である「JIS Q 31000」（ISO 31000の日本産業規格版）の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。

JIS Q 31000は、組織が事業を行う上で直面する様々な不確実性（リスク）に効果的に対処するためのガイドライン（指針）です。組織が「リスクの識別と管理の強化」を行うための原則と枠組みを提供し、目標達成の確度を高めることを目的としています。

「製品開発の加速化」や「財務データの管理」は、リスクマネジメントが適用される対象の一つではありますが、規格そのものの目的ではありません。

【解説】

正解: 1 リスクの特定と評価

この問題は、JIS Q 31000が示すリスクマネジメントのプロセスにおいて、中核となる活動は何かを理解しているかを確認するものです。

JIS Q 31000が示すリスクマネジメントのプロセスは、まず「どのようなリスクがあるか（リスクの特定）」、次に「そのリスクはどれくらい重要か（リスクの評価）」、そして「そのリスクにどう対処するか（リスク対応）」という流れで進みます。したがって、「リスクの特定と評価」はその最も基本となる重要なステップです。

「製品の市場価格の引き上げ」や「生産コストの削減」は、リスクマネジメントの直接的な活動内容ではありません。

【解説】

正解: 3 組織の危機管理能力の向上

この問題は、JIS Q 31000のガイドラインに沿ってリスクマネジメントを組織的に行うことで、どのような効果が期待できるかを理解しているかを確認するものです。

JIS Q 31000を適用することで、組織は平常時から様々なリスクを想定し、それに対応する準備を体系的に行うことができます。これにより、予期せぬ事態（危機）が発生した際にも、適切かつ迅速に対応できる能力、すなわち「組織の危機管理能力の向上」が期待できます。

「セキュリティ対策の軽減」は誤りです。リスク評価の結果、逆に対策を強化する必要があるかもしれません。「自動化プロセスの導入」も、リスク管理とは別の経営判断です。

【解説】

正解: 2 ITの運用における意思決定の標準化

この問題は、「ITガバナンス」に関する規格である「JIS Q 38500」（ISO/IEC 38500の日本産業規格版）の目的を理解しているかを確認するものです。

JIS Q 38500は、組織のトップマネジメント（経営層）がITを適切に管理・活用するための指針（ITガバナンス）を示しています。IT投資や運用に関する「意思決定」のプロセスや責任体制を標準化し、ITが組織の目標達成に確実に貢献できるようにすることを目的としています。

「ITシステムの技術的性能向上」は、ITガバナンスの結果として目指すものの一つかもしれませんが、規格の目的そのものではありません。「製品の市場展開の加速化」も同様に、ITをうまく活用した結果の一つに過ぎません。

【解説】

正解: 3 ITの戦略的活用と管理のガイドライン提供

この問題は、JIS Q 38500（ITガバナンス規格）が、具体的にどのような内容を扱っているかを理解しているかを確認するものです。

JIS Q 38500は、組織の経営層（取締役会など）がITをどのように評価し、指示し、モニタリングすべきかという原則を示しています。これは、単なるITの運用管理（ITマネジメント）にとどまらず、「ITの戦略的活用と管理のガイドライン提供」を行うものです。

「製造ラインの自動化」や「電力供給システムの最適化」は、ITガバナンスの対象となる個別のIT活用事例ではありますが、規格そのものの内容ではありません。

【解説】

正解: 1 組織のIT管理における責任の明確化

この問題は、JIS Q 38500（ITガバナンス規格）を適用することで、組織にどのような良い効果がもたらされるかを理解しているかを確認するものです。

JIS Q 38500を適用すると、組織の経営戦略とIT戦略が連動するようになります。また、ITに関する投資判断やリスク管理、コンプライアンス（法令遵守）などの「IT管理における責任」が誰にあるのかが明確になり、適切な意思決定が行われるよう促されます。

「製造プロセスの標準化」や「国際貿易手続きの簡素化」は、ITガバナンス規格の直接的な効果ではありません。