【ITパスポート練習問題 6.3対応】③ その他税関連

【解説】

正解: 3 消費税は商品やサービスの購入時に間接的に課される。

この問題は、受験者が消費税の基本的な仕組み、特に「間接税」であるという性質を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢は、消費税の仕組みを正しく説明しています。消費税は、商品やサービスを購入した消費者（税金を負担する人）が支払いますが、その税金は事業者が消費者から預かり、事業者がまとめて国に納付（納税）します。このように税金を負担する人と納める人が異なる税金を「間接税」と呼びます。

選択肢1は誤りです。所得に応じて課税されるのは「直接税」である所得税や法人税の説明です。消費税は所得に関わらず、購入金額に対して一定の税率で課されます。選択肢2も誤りです。事業者は消費税を「納付」する義務がありますが、実際に税金を「負担」しているのは最終的に商品やサービスを購入する消費者です。

【解説】

正解: 2 商品を販売する事業者

この問題は、消費税の「負担者（税金を実際に払う人）」と「納税義務者（税金を国に納める義務がある人）」の違いを正しく区別できているかを確認するものです。

正解の選択肢である「商品を販売する事業者」は、消費者から預かった消費税を国に納める義務があります。これを納税義務者と呼びます。事業者は、売上で預かった消費税から、仕入れで支払った消費税を差し引いた差額を納付します。

選択肢1の「商品やサービスの購入者」（消費者）は、税金を実際に負担する「負担者」ですが、自ら税務署に消費税を納付するわけではないため、納税義務者ではありません。選択肢3の「商品を製造する工場の従業員」は、個人として給与を受け取っており、事業者の立場で消費税の納税に関わるわけではないため、誤りです。

【解説】

正解: 1 海外で購入した商品

この問題は、日本の消費税がどのような取引に対して課されるのか、その「課税対象の範囲」を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢である「海外で購入した商品」は、日本の消費税の課税対象に該当しません。日本の消費税は、原則として「国内において事業者が事業として行う取引」に対して課税されます。海外の店舗などで購入した商品は、日本国外での取引にあたるため、日本の消費税の課税対象にはなりません（ただし、輸入品には輸入時に消費税がかかる場合があります）。

選択肢2の「国内で販売される食品」は、国内の事業者が行う取引であり、消費税の課税対象です。選択肢3の「国内で提供されるサービス」も、国内の事業者が行う取引であり、消費税の課税対象です。

【解説】

正解: 2 企業の純利益

この問題は、法人が納める主要な税金である「法人税」が、企業のどの財務数値に基づいて計算されるのか、その基本的な仕組みを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢は「企業の純利益」です。法人税は、企業の「課税所得」に対して課されます。課税所得とは、会計上の「純利益（税引前当期純利益）」を基に、税務上のルール（益金・損金の調整）を加味して計算された金額のことです。選択肢の中では、純利益が最も近い概念となります。

選択肢1の「企業の売上高全額」は誤りです。売上高から売上原価や経費などを差し引いたものが利益（所得）であり、この利益が課税のベースとなります。選択肢3の「企業の総資産」（会社が保有する財産の合計）も法人税の課税対象ではありません。

【解説】

正解: 3 企業の課税所得の発生

この問題は、法人税がどのような条件で「納税義務」が発生するのか、その根本的な要因を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢は「企業の課税所得の発生」です。法人税は、企業の「課税所得（利益）」が発生した場合にのみ、その所得金額に応じて課されます。したがって、課税所得が発生することが、法人税が発生する主な要因となります。

選択肢1の「売上の増加」は誤りです。売上が増加しても、それ以上に経費がかかり、結果として利益が出なければ（赤字であれば）、法人税は発生しません。選択肢2の「会社設立の届出」も誤りです。これは法人格の誕生を知らせる手続きであり、この届出自体によって税金が発生するわけではありません。

【解説】

正解: 1 赤字決算の企業

この問題は、法人税が利益（所得）に対して課される税金であることを理解していれば、どのような場合に納税義務が生じない（免除される）かを推論できるか、を確認するものです。

正解の選択肢は「赤字決算の企業」です。法人税は、企業の「課税所得（利益）」に対して課税されます。赤字決算（当期の所得がマイナス）の場合、課税対象となる所得が発生していないため、その期の法人税は原則として課されず、納税義務がありません。

選択肢2の「売上が少ない企業」は誤りです。売上が少なくても、経費をそれ以上に抑えて利益（課税所得）が発生すれば、法人税は課税されます。選択肢3の「小規模企業」も誤りです。企業規模に関わらず、法人として利益（課税所得）が発生すれば、原則として法人税の納税義務があります。

【解説】

正解: 2 消費税の透明性向上

この問題は、近年導入された「インボイス制度（適格請求書等保存方式）」が、どのような背景や狙いで導入されたのか、その主な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢は「消費税の透明性向上」です。インボイス制度の主な目的は、取引における消費税額と消費税率を請求書（インボイス）に明確に記載させることで、税金の計算を正確にし、透明性を高めることです。特に、複数の税率（標準税率と軽減税率）が混在する中で、正しい税額を把握しやすくするために導入されました。

選択肢1の「税務調査の簡素化」や、選択肢3の「事業者間の情報共有促進」は、制度の副次的な効果としてはあり得ますが、導入の最も主な目的ではありません。

【解説】

正解: 3 消費者の個人番号

この問題は、インボイス制度の具体的な実務として、適格請求書（インボイス）に記載すべき必須項目と、そうでないものを区別できるかを確認するものです。

正解の選択肢は「消費者の個人番号」です。適格請求書（インボイス）は、事業者間の取引において、消費税の計算（仕入税額控除）を正しく行うための書類です。そのため、買い手である「消費者（個人）」の個人番号（マイナンバー）を記載する必要はありませんし、記載してはいけません。

選択肢1の「発行事業者の登録番号」や、選択肢2の「取引内容の詳細な説明」は、どちらも適格請求書に必ず記載しなければならない必須事項です。

【解説】

正解: 1 適格請求書を保存していること

この問題は、インボイス制度の核心的なルールである「仕入税額控除」の適用を受けるための条件を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢は「適格請求書を保存していること」です。仕入税額控除とは、事業者が売上時に預かった消費税から、仕入れ時に支払った消費税を差し引くことです。インボイス制度導入後は、原則として「適格請求書（インボイス）」を受け取り、それを保存していることが、この控除を受けるための要件となりました。

選択肢2の「取引先の承認を得ていること」は誤りです。取引先の承認は、仕入税額控除の税務上の要件ではありません。選択肢3の「取引先の売上高が一定以上であること」も誤りです。仕入税額控除は、自社が支払った消費税に関するものであり、取引先の売上高は関係ありません。