【ITパスポート練習問題 6.3対応】(1) コンプライアンス

【解説】

正解: 2 法令や倫理規範を守る組織の行動指針

この問題は、「コンプライアンス」という用語の基本的な意味を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「法令や倫理規範を守る組織の行動指針」がコンプライアンスの正しい定義です。コンプライアンスは、単に「法令遵守」と訳されるだけでなく、社会的な倫理や道徳、社内規定など、企業活動を行う上で守るべきルール全般を遵守することを指します。

選択肢1「組織内の競争を促進するための取り組み」は、経営戦略や人事制度の話であり、コンプライアンスとは異なります。 選択肢3「製品の品質を確保するための管理手法」は、品質管理（QC）や品質保証（QA）に関する説明であり、コンプライアンスとは異なります。

【解説】

正解: 1 社会的信頼の獲得

この問題は、企業がなぜコンプライアンス（法令遵守）に取り組むのか、その根本的な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、コンプライアンスの最も重要な目的は「社会的信頼の獲得」です。法令や倫理を守って誠実な企業活動を行うことで、顧客、取引先、株主、社会全体からの信頼を得ることができます。

選択肢2「競争力の強化」や選択肢3「製品開発のスピード向上」は、コンプライアンスの直接的な目的ではありません。むしろ、コンプライアンス違反（法令違反や不祥事）が発覚すると、信頼が失墜し、結果として競争力が低下するリスクがあります。

【解説】

正解: 3 内部情報の不正な取引

この問題は、コンプライアンス（法令遵守）に「違反する行為」の具体例を識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3「内部情報の不正な取引」は、コンプライアンス違反の典型例です。これは一般にインサイダー取引と呼ばれるもので、金融商品取引法などの法令に違反する犯罪行為です。

選択肢1「法令に基づく環境保護対策の実施」や選択肢2「顧客情報の適切な管理」（個人情報保護法など）は、法令や社会規範を守る行動であり、コンプライアンスを「遵守」している例です。

【解説】

正解: 3 国連のビジネスと人権に関する指導原則

この問題は、企業活動における人権尊重の取り組み（ビジネスと人権）に関する、最も基本的な国際的指針（フレームワーク）を知っているかを確認するものです。

正解は選択肢3「国連のビジネスと人権に関する指導原則」です。これは、企業が人権を尊重する責任を持つことを明確にした国際的な基準であり、「保護、尊重、救済」の3つの柱で構成されています。

選択肢1「WTO協定」は、世界貿易機関（WTO）が定める貿易に関する国際ルールです。 選択肢2「パリ協定」は、気候変動（地球温暖化）対策に関する国際的な枠組みです。

【解説】

正解: 2 社員の安全と健康を守る

この問題は、「ビジネスと人権」の考え方に基づき、企業が実践すべき適切な行動の例を理解しているかを確認するものです。

正解は選択肢2「社員の安全と健康を守る」です。企業は、自社の従業員（最も身近なステークホルダー）の人権を尊重する責任があります。安全な労働環境を提供し、過重労働を防ぎ、健康を守ることは、その基本的な行動にあたります。

選択肢1「企業の利益を最優先する」と選択肢3「利益追求のみを重視する」は、どちらも誤りです。ビジネスと人権の考え方では、利益追求よりも人権の尊重が優先されるべきとされています。

【解説】

正解: 3 競争相手への対策

この問題は、「ビジネスと人権」のトピック（企業の責任）に「含まれないもの」を識別できるかを確認するものです。

正解は選択肢3「競争相手への対策」です。これは、市場シェアを競うためのマーケティング戦略や経営戦略の話であり、「人権」とは別の問題領域です。

選択肢1「労働環境の改善」や選択肢2「人権侵害の予防」（自社だけでなく、サプライチェーンにおける児童労働や強制労働の防止など）は、まさに企業が取り組むべき「ビジネスと人権」の中心的な課題です。

【解説】

正解: 2 不適切な叱責と人格否定

この問題は、職場における「ハラスメント」に該当する行為と、正当な業務指示との違いを理解しているかを確認するものです。

正解は選択肢2「不適切な叱責と人格否定」です。業務上の指導・注意であっても、「お前は馬鹿か」などの人格を否定する発言や、必要以上に大声で威圧的に叱責する行為は、業務の適正な範囲を超えており、パワーハラスメント（パワハラ）に該当します。

選択肢1「業務上の正当な指示」や選択肢3「チーム内の通常のコミュニケーション」は、業務を円滑に進めるために必要な行為であり、ハラスメントにはあたりません。

【解説】

正解: 1 ハラスメント防止研修の実施

この問題は、企業が「ハラスメントを防止する」ために講じるべき、適切な施策（対策）を理解しているかを確認するものです。

正解は選択肢1「ハラスメント防止研修の実施」です。ハラスメントを未然に防ぐためには、どのような行為がハラスメントにあたるのか、それを防ぐためにどうすべきかを従業員全員が学ぶ（周知・啓発する）ことが重要であり、研修はそのための有効な施策です。

選択肢2「問題を個人間で解決させる」は、誤った対応です。ハラスメントは職場環境の問題であり、企業が組織として対応すべき（相談窓口の設置など）ことであり、当事者任せにしてはいけません。 選択肢3「上司による監視強化のみ」では、対策として不十分です。

【解説】

正解: 2 個人の容姿をからかう発言

この問題は、ハラスメントに「該当する」行為の具体例を、正当な業務行為と区別できるかを確認するものです。

正解は選択肢2「個人の容姿をからかう発言」です。業務とは全く関係のない、個人の身体的な特徴（容姿、性別、国籍など）についてからかったり、侮辱したりする発言は、相手に精神的な苦痛を与えるハラスメント行為（パワハラやセクハラなど）に該当します。

選択肢1「業務遂行のための合理的な指導」や選択肢3「チーム内の建設的な議論」は、業務を行う上で必要な、正当なコミュニケーションです。