【ITパスポート練習問題 6.3対応】② データ分析における統計情報の活用

【解説】

正解: 2 調査対象全体の集合

この問題は、統計調査における「母集団」の意味を正しく理解しているかを確認するものです。母集団と標本、さらに調査結果としてのデータという三つの概念を区別できるかどうかがポイントです。

正解の選択肢2「調査対象全体の集合」は、母集団の定義そのものです。例えば「日本に住む全社会人」「ある製品の全購入者」といったように、本来調べたい対象をすべて含んだ集合が母集団であり、統計的な推測はこの母集団を前提として行われます。

選択肢1「調査対象の一部のサンプル」は、母集団から取り出した一部分であり「標本」と呼ばれます。標本は母集団そのものではなく、母集団を推測するために用いるデータです。 選択肢3「調査の結果得られたデータ」は、回答値や測定値などの「観測データ」を指し、集合としての母集団とは別の概念です。そのため母集団の説明としては不適切です。

【解説】

正解: 1 ある学校の全生徒

この問題は、具体例を通して母集団がどのような集合を指すのかをイメージできているかを確認するものです。定義だけでなく、具体的な場面に当てはめて考えられるかがポイントです。

正解の選択肢1「ある学校の全生徒」は、調査対象となる「すべての個体」を含んでおり、典型的な母集団の例です。例えば「その学校の満足度を知りたい」といった調査を考えるとき、分析の対象となるのは学校に在籍するすべての生徒になります。

選択肢2「一部の選ばれた生徒」は、母集団から抽出された一部であり「標本」にあたります。標本は母集団を推測するためのデータですが、それ自体が母集団ではありません。 選択肢3「調査票に回答した生徒」は、「実際にデータが得られた対象」を指しており、回答しなかった生徒を含まない場合もあります。そのため、調査対象全体としての母集団とは一致しません。

【解説】

正解: 2 調査対象全体の集合

この問題は、用語ではなく文章による説明から母集団の定義を読み取れるかを確認するものです。同じ概念でも言い換えられた表現を正しく理解できるかがポイントです。

正解の選択肢2「調査対象全体の集合」は、母集団の定義をそのまま文章化したものです。統計調査においては、この母集団を前提にして標本を取り、そこから母集団の性質を推定します。

選択肢1「調査対象の属性の平均値」は、母集団や標本から計算される「統計量」や「母数」の説明に近く、集合そのものを指しているわけではありません。 選択肢3「調査のために選ばれた少数の個体」は、標本の説明です。標本は母集団を代表する一部であり、母集団そのものではないため誤りです。

【解説】

正解: 3 母集団をいくつかの層に分け、各層から無作為に抽出する

この問題は、標本抽出法の一つである「層別抽出」の特徴を理解しているかを確認するものです。単純無作為抽出や全数調査との違いを区別できるかがポイントです。

正解の選択肢3「母集団をいくつかの層に分け、各層から無作為に抽出する」は、層別抽出の定義を正しく示しています。性別や年代、地域などの属性ごとに母集団を層に分け、各層からバランスよく標本を取ることで、偏りを抑えた代表性の高い標本が得られます。

選択肢1「母集団全体からランダムに抽出する」は、層に分けずに母集団全体から一括で無作為抽出する「単純無作為抽出」の説明です。層別抽出では「層に分ける」ステップがある点が重要な違いです。 選択肢2「母集団のすべての要素を調査する方法」は、標本調査ではなく「全数調査」を説明しており、抽出法ではありません。そのため層別抽出の説明としては不適切です。

【解説】

正解: 1 国全体の人口を対象とする全数調査

この問題は、国勢調査が標本調査ではなくどのような調査方法に分類されるかを理解しているかを確認するものです。標本調査と全数調査の違いを区別できるかがポイントです。

正解の選択肢1「国全体の人口を対象とする全数調査」は、国勢調査の特徴を正しく表しています。国勢調査は、特定の標本に限定せず、原則として国内在住のすべての人や世帯を対象とした調査です。

選択肢2「一部地域の人口を標本とする層別抽出」は、地域を層として扱う標本調査のイメージであり、国勢調査の目的である「国全体の把握」とは異なります。 選択肢3「代表的な世帯を選ぶ多段抽出」は、標本調査に用いられる方法で、調査コストを下げたい場合などに使われますが、国勢調査のような全数調査の説明にはなりません。

【解説】

正解: 3 母集団から無作為に選ぶ

この問題は、「単純無作為抽出」が他の抽出法と比べてどのような特徴を持つかを理解しているかを確認するものです。層別抽出や多段抽出との違いを押さえられているかがポイントです。

正解の選択肢3「母集団から無作為に選ぶ」は、単純無作為抽出の基本的な定義です。母集団内のすべての要素が同じ確率で選ばれるようにランダムに標本を取る方法であり、最も基本的な無作為抽出法です。

選択肢1「全体を層に分けた後、各層から選ぶ」は、層別抽出の説明です。層別抽出では、層に分けることで属性ごとの偏りを抑える工夫が加えられています。 選択肢2「特定の段階を踏んで標本を選ぶ」は、多段抽出のイメージに近く、まず地域などの大きな単位を選び、その中から世帯を選ぶといった段階的な抽出を指します。単純無作為抽出とは異なります。

【解説】

正解: 2 データ分析の基礎となる前提仮説

この問題は、仮説検定における「帰無仮説」の役割を理解しているかを確認するものです。帰無仮説と対立仮説の位置づけの違いを説明できるかがポイントです。

正解の選択肢2「データ分析の基礎となる前提仮説」は、帰無仮説の役割を端的に表しています。帰無仮説は一般に「差がない」「効果がない」といった状態を仮定し、その前提のもとでデータがどの程度起こりやすいかを検定します。

選択肢1「データに基づいて常に採択される仮説」は誤りで、帰無仮説は場合によっては棄却されます。仮説検定は、帰無仮説が「常に正しい」とするものではありません。 選択肢3「検定結果が正しいとされた仮説」は、検定の結果採択される側の仮説を指しているように見えますが、採択されるのは状況に応じて帰無仮説か対立仮説のどちらかです。この選択肢は帰無仮説の役割を説明していません。

【解説】

正解: 3 検定結果が帰無仮説の主張を否定する場合

この問題は、仮説検定において対立仮説が採択される条件を理解しているかを確認するものです。帰無仮説と対立仮説のどちらが採択されるかの判断基準を説明できるかがポイントです。

正解の選択肢3「検定結果が帰無仮説の主張を否定する場合」は、対立仮説が採択される状況を正しく表しています。データが「もし帰無仮説が正しければ起こりにくい」と判断されるとき、有意水準を基準として帰無仮説を棄却し、その代わりに対立仮説を採択します。

選択肢1「検定結果が帰無仮説の主張を支持する場合」は、そのまま帰無仮説を棄却せず維持する場面です。この場合、対立仮説は採択されません。 選択肢2「データに偏りがない場合」は、データの性質についてのあいまいな表現であり、対立仮説の採否と直接結びつく条件ではありません。偏りが小さいからといって対立仮説が自動的に採択されるわけではないため誤りです。

【解説】

正解: 2 有意水準と検定統計量

この問題は、仮説検定を実施する際に最低限必要な要素が何かを理解しているかを確認するものです。検定の考え方に関わる要素と、単なるデータ項目を区別できるかがポイントです。

正解の選択肢2「有意水準と検定統計量」は、仮説検定の枠組みを構成する中核要素です。有意水準はどの程度の誤判定を許容するかを決める基準であり、検定統計量は標本データから計算され、帰無仮説のもとでの位置づけを評価する指標です。

選択肢1「標本サイズと平均値」は、検定統計量の計算には用いられますが、それ自体が検定のルールや基準を表しているわけではありません。必要なデータ項目の一部に過ぎません。 選択肢3「母集団の全数データ」は、多くの場合入手できないため、仮説検定では標本データを前提とします。検定の前提として「必須」ではなく、この選択肢は現実的でもありません。

【解説】

正解: 2 仮説が偶然に棄却される許容確率

この問題は、「有意水準」という用語が統計的に何を意味しているかを理解しているかを確認するものです。特に、第1種の誤りとの関係を説明できるかがポイントです。

正解の選択肢2「仮説が偶然に棄却される許容確率」は、帰無仮説が本当は正しいのに、標本の偶然によって棄却してしまう確率、すなわち第1種の誤りをどこまで許容するかという意味を表しています。一般によく使われる5％や1％といった値がこれにあたります。

選択肢1「帰無仮説が真であると仮定する確率」は、仮説の「真偽の確率」を意味する表現であり、有意水準の定義とは異なります。有意水準は仮定の確からしさではなく、「誤って棄却する確率」の上限を決めるものです。 選択肢3「検定結果が必ず正しい確率」は、有意水準を「正しさの保証」と誤解した表現です。実際には、有意水準を設定しても誤判定のリスクは残り、その上限をどこに置くかを決めるのが有意水準です。

【解説】

正解: 3 帰無仮説を棄却する誤りの確率は1%である

この問題は、有意水準の具体的な値（0.01）がどのように解釈されるかを理解しているかを確認するものです。抽象的な定義を具体的な数値に落とし込めるかがポイントです。

正解の選択肢3「帰無仮説を棄却する誤りの確率は1%である」は、有意水準0.01の意味を正しく説明しています。これは、本来は正しい帰無仮説を、標本の偶然によって誤って棄却してしまう確率を1％まで許容する、という設定を表します。

選択肢1「検定結果が必ず正しいことを意味する」は、有意水準を「正しさの保証」と誤解しています。有意水準をどれだけ小さくしても誤判定の可能性はゼロにはなりません。 選択肢2「検定統計量が1%以上であれば帰無仮説は棄却される」は、有意水準と検定統計量の関係を取り違えています。棄却の判断は、検定統計量と臨界値やp値との比較で行うものであり、「1%以上」という表現は有意水準0.01の説明として不適切です。

【解説】

正解: 1 第1種の誤りの確率が低くなる

この問題は、有意水準の設定を変えることが誤りの種類にどのような影響を与えるかを理解しているかを確認するものです。第1種の誤りと第2種の誤りの関係を区別できるかがポイントです。

正解の選択肢1「第1種の誤りの確率が低くなる」は、有意水準を小さくしたときの直接的な効果を表しています。有意水準は「本当は正しい帰無仮説を誤って棄却する確率」の上限なので、その値を小さくすれば第1種の誤りを起こしにくくなります。

選択肢2「第2種の誤りの確率が低くなる」は、多くの場合逆の関係になります。有意水準を厳しくすると、帰無仮説を棄却しにくくなるため、本当は偽の帰無仮説を受容してしまう第2種の誤りは増えやすくなります。 選択肢3「検定結果の精度が必ず高まる」は、有意水準を小さくすることと「検定の全体的な精度」を混同しています。有意水準は第1種の誤りに関する設定であり、それだけで検定全体の精度向上が保証されるわけではありません。

【解説】

正解: 1 帰無仮説が真なのに棄却する誤り

この問題は、第1種の誤りの定義を正しく理解しているかを確認するものです。帰無仮説の真偽と、検定の判断がどのように食い違う場合かを説明できるかがポイントです。

正解の選択肢1「帰無仮説が真なのに棄却する誤り」は、第1種の誤りの定義そのものです。本来は正しい帰無仮説を、標本の偶然的な偏りなどによって「棄却すべき」と誤判断してしまう状況を表します。

選択肢2「帰無仮説が偽なのに受容する誤り」は、第2種の誤りの説明です。本来は誤っている帰無仮説を維持してしまうケースであり、第1種の誤りとは逆の状況です。 選択肢3「検定の有意水準を超える誤り」は、有意水準の設定と誤りの関係を曖昧に表現しており、第1種の誤りの定義ではありません。

【解説】

正解: 2 有意水準を下げる

この問題は、第1種の誤りを減らすためにどのような操作が有効かを理解しているかを確認するものです。有意水準と第1種の誤りの関係を具体的に説明できるかがポイントです。

正解の選択肢2「有意水準を下げる」は、第1種の誤りの確率を直接的に抑える方法です。有意水準を0.05から0.01に下げるといった変更は、「誤って帰無仮説を棄却してしまうリスクを小さくする」という意味を持ちます。

選択肢1「標本サイズを増やす」は、検定の検出力を高め、第2種の誤りを減らす方向には有効ですが、第1種の誤りの上限（有意水準）はそのままです。第1種の誤りを制御する操作とは別の話になります。 選択肢3「検定統計量を固定する」は、そもそも現実的な操作ではなく、統計的な誤りの制御にも直結しません。検定統計量はデータから計算される値であり、任意に固定できるものではありません。

【解説】

正解: 3 本来真である帰無仮説が誤って棄却された場合

この問題は、第1種の誤りを文章の形で説明した記述を正しく選び取れるかを確認するものです。先に学んだ定義を別表現で理解できるかがポイントです。

正解の選択肢3「本来真である帰無仮説が誤って棄却された場合」は、第1種の誤りの状況をそのまま言い換えたものです。検定の結果として「有意」と判断されたものの、実際には帰無仮説が正しかったというケースに該当します。

選択肢1「帰無仮説が棄却されるべき状況で棄却されない場合」は、第2種の誤りの説明です。本来は偽である帰無仮説を維持してしまうケースであり、第1種の誤りとは逆です。 選択肢2「検定結果が有意でないと判断された場合」は、単に「棄却しなかった」という結果を述べているだけであり、その判断が正しいのか誤りなのかを示していません。誤りの定義としては不十分です。

【解説】

正解: 1 帰無仮説が偽であるのに受容する誤り

この問題は、第2種の誤りの定義を正しく理解しているかを確認するものです。第1種の誤りとの違いを意識できているかがポイントです。

正解の選択肢1「帰無仮説が偽であるのに受容する誤り」は、第2種の誤りを端的に表しています。本来は効果や差が存在するのに、検定の結果「有意ではない」と判断され、帰無仮説を維持してしまう状況です。

選択肢2「帰無仮説が真であるのに棄却する誤り」は、第1種の誤りの説明です。真である仮説を誤って棄却してしまうケースであり、第2種の誤りとは逆のパターンです。 選択肢3「検定統計量が有意水準を下回る誤り」は、計算された検定統計量と臨界値の関係を表現しているように見えますが、誤りの定義そのものではありません。単なる判定条件の一部に過ぎません。

【解説】

正解: 3 標本サイズを増やす

この問題は、第2種の誤りを減らすためにどのような工夫が必要かを理解しているかを確認するものです。検出力と標本サイズの関係を意識できているかがポイントです。

正解の選択肢3「標本サイズを増やす」は、検定の検出力を高め、第2種の誤りを減らす代表的な方法です。標本数が多くなると、実際に存在する差や効果を統計的に検出しやすくなり、「本当は差があるのに有意と判断されない」リスクを抑えられます。

選択肢1「第1種の誤りの確率を下げる」は、有意水準を下げる方向の操作であり、第2種の誤りに対してはむしろ増加する方向に働く場合があります。第2種の誤りを減らす目的とは逆効果になりかねません。 選択肢2「有意水準を上げる」は、第2種の誤りを減らす方向に働くことはありますが、その代わり第1種の誤りが増えます。バランスの問題ではありますが、第2種の誤りを減らす「基本的な対策」としては標本サイズの増加の方が適切です。

【解説】

正解: 1 実際には効果がある薬を無効だと判断する

この問題は、第2種の誤りを具体的な事例に当てはめて理解できているかを確認するものです。定義を現実場面のストーリーとして読み替えられるかがポイントです。

正解の選択肢1「実際には効果がある薬を無効だと判断する」は、第2種の誤りの典型的な例です。本当は薬に効果があり、帰無仮説「効果はない」は偽であるにもかかわらず、検定の結果「有意ではない」となり、効果がないと判断してしまう状況です。

選択肢2「本来効果がない薬を有効だと判断する」は、第1種の誤りの例です。本来は効果がなく、帰無仮説が真であるにもかかわらず、それを棄却して「有効」と誤判断しています。 選択肢3「統計的検定において有意水準を超える場合」は、単に判定条件を述べているだけで、誤りが起きているかどうかを示していません。第2種の誤りを説明したものとは言えません。

【解説】

正解: 1 測定値が真の値から一方向にずれる現象

この問題は、「偏り（バイアス）」がどのような誤差を指しているかを理解しているかを確認するものです。ランダムなばらつきとの違いを区別できるかがポイントです。

正解の選択肢1「測定値が真の値から一方向にずれる現象」は、偏りの特徴を端的に表しています。例えば、測定器の目盛りがずれている場合、測定値は常に真の値より大きめ、あるいは小さめに出るといった「系統的なずれ」が発生します。

選択肢2「測定値が大きくばらつく現象」は、測定の「精度が低い」状態、つまりランダム誤差が大きい状況を表していますが、一方向に偏っているとは限りません。 選択肢3「測定値が偶然の誤差で変動する現象」は、ランダム誤差そのものを説明しており、特定方向への系統的なずれを指す偏りとは異なります。

【解説】

正解: 3 測定値のばらつきが小さい

この問題は、測定の「精度」が何を意味するかを理解しているかを確認するものです。「正確さ」との違いを区別できるかがポイントです。

正解の選択肢3「測定値のばらつきが小さい」は、精度の定義を正しく示しています。精度が高いとは、同じ条件で繰り返し測定したときに結果が安定しており、散らばりが小さい状態を指します。

選択肢1「測定値が常に一定である」は、一見精度が高いように見えますが、真の値から大きくずれていても一定であり得ます。精度だけでなく、真の値への近さ（正確さ）も考慮しないと評価できません。 選択肢2「測定値が真の値に近い」は、「正確さ（正確度）」の説明です。真の値への近さは重要ですが、それだけでは測定値のばらつきが小さいかどうかは分からないため、「精度」の定義とは区別されます。

【解説】

正解: 2 測定手法を見直す

この問題は、偏り（バイアス）を減らすためにどのような対策が有効かを理解しているかを確認するものです。ランダム誤差を減らす方法と、系統的な誤差を減らす方法を区別できるかがポイントです。

正解の選択肢2「測定手法を見直す」は、偏りの原因そのものに対処する方法です。測定器の校正をやり直したり、質問項目やデータ収集手順を改善したりすることで、真の値から一方向にずれる系統的な誤差を減らすことができます。

選択肢1「標本サイズを増やす」は、ランダム誤差を平均化して小さくする効果はありますが、測定手法に根本的な偏りがある場合、その偏り自体は解消されません。偏った測定をいくら繰り返しても、偏った平均値が得られるだけです。 選択肢3「有意水準を変更する」は、仮説検定における誤判定の許容度を変える操作であり、データそのものの偏りを直接解消するものではありません。

【解説】

正解: 2 標本の選び方が偏っているために生じる誤差

この問題は、「選択バイアス」がどのような場面で生じるかを理解しているかを確認するものです。標本抽出の段階で発生する偏りの性質を説明できるかがポイントです。

正解の選択肢2「標本の選び方が偏っているために生じる誤差」は、選択バイアスの定義を正しく示しています。例えば、ネット調査で「ネットをよく利用する人だけ」が回答している場合など、母集団全体を代表しない標本から結論を出してしまうと、結果に偏りが生じます。

選択肢1「データ収集後の集計ミスによる偏り」は、集計作業の誤りであり、選択バイアスというよりは単純な処理ミスの問題です。標本の選び方そのものに原因があるわけではありません。 選択肢3「情報の誤伝達によるデータの誤り」は、質問内容の誤解や記録ミスなどに起因する「情報バイアス」に近い内容であり、標本の選択過程に関わる選択バイアスとは異なります。

【解説】

正解: 1 調査票に誤った情報が記録される

この問題は、「情報バイアス」がどのような形で現れるかを理解しているかを確認するものです。データの内容自体が誤ってしまう原因を説明できるかがポイントです。

正解の選択肢1「調査票に誤った情報が記録される」は、情報バイアスの典型的な例です。調査対象者が質問を誤解して回答したり、記入・入力の過程で誤記が発生したりすると、本来とは異なる情報がデータとして残ってしまいます。

選択肢2「無作為抽出を行う標本調査」は、むしろバイアスを減らすための方法であり、情報バイアスの例ではありません。無作為化は標本の偏りを抑えるための工夫です。 選択肢3「母集団全体を調べる全数調査」も、標本抽出による偏りを避ける手段であり、情報バイアスの発生例ではありません。ただし、全数調査でも記録ミスによる情報バイアスは起こり得ますが、この選択肢はその点を説明していません。

【解説】

正解: 2 標本抽出方法を無作為に設定する

この問題は、統計的バイアスを防ぐためにどのような対策が有効かを理解しているかを確認するものです。特に、選択バイアスを減らすための基本的な考え方を説明できるかがポイントです。

正解の選択肢2「標本抽出方法を無作為に設定する」は、標本の選び方による偏りを抑える根本的な対策です。無作為抽出により、特定の属性を持つ人だけが過度に選ばれることを防ぎ、母集団をよりよく代表する標本を得ることができます。

選択肢1「データの一部を意図的に除外する」は、バイアスを増やす可能性が高い操作です。都合の悪いデータを除外すると、結果が恣意的になり、客観性が損なわれます。 選択肢3「調査対象の意見を事前に調整する」は、調査の中立性を失わせる行為であり、統計的バイアスの防止どころか、新たなバイアスを生む原因になります。

【解説】

正解: 3 自分の信念を支持する情報だけを集める現象

この問題は、「確証バイアス」という認知バイアスの内容を理解しているかを確認するものです。人の情報の集め方や解釈の偏りを説明できるかがポイントです。

正解の選択肢3「自分の信念を支持する情報だけを集める現象」は、確証バイアスの定義をそのまま表しています。自分の考えに合う情報ばかりを重視し、反対の情報を無視したり軽視したりすることで、判断が偏ってしまいます。

選択肢1「初めに得た情報に影響される現象」は、「アンカリング効果」と呼ばれる別の認知バイアスの説明です。最初の情報が基準（アンカー）となり、その後の判断が引きずられる現象を指します。 選択肢2「最新の情報を優先的に考慮する現象」は、「新奇性バイアス」や「新しい情報への過大評価」に近い内容であり、確証バイアスとは異なります。

【解説】

正解: 2 思考や判断に影響を与える無意識の偏り

この問題は、「認知バイアス」という概念の全体像を理解しているかを確認するものです。統計的なミスや作業上の手違いと、人間の思考プロセスの偏りを区別できるかがポイントです。

正解の選択肢2「思考や判断に影響を与える無意識の偏り」は、認知バイアスの本質を表しています。人は自覚しないうちに、過去の経験や感情、先入観などの影響を受けて判断を歪めてしまうことがあり、これが認知バイアスと呼ばれます。

選択肢1「データ収集時の標本選択ミス」は、標本抽出の誤りであり、統計的な意味でのバイアス（選択バイアス）に近い内容です。認知の問題というより、調査設計や手順の問題です。 選択肢3「調査手順の手違いによる誤差」は、作業ミスや手続き上のエラーを指しており、これも認知バイアスとは別の種類の問題です。

【解説】

正解: 1 最初に提示された情報に強く影響される現象

この問題は、「アンカリング効果」という特定の認知バイアスの内容を理解しているかを確認するものです。最初の情報がその後の判断にどのように影響するかを説明できるかがポイントです。

正解の選択肢1「最初に提示された情報に強く影響される現象」は、アンカリング効果の定義です。例えば、最初に高い価格を提示されると、その後の価格判断がその「高い値」に引きずられ、実際より安く感じてしまうといった現象がこれにあたります。

選択肢2「過去の経験に基づいて判断する現象」は、一般的な学習や経験則による判断であり、必ずしもバイアスとは限りません。経験が役に立つ場合も多く、この選択肢はアンカリング効果の説明ではありません。 選択肢3「情報を無作為に受け入れる現象」は、そもそも特定の偏りを示しておらず、バイアスの説明としても不適切です。アンカリング効果のような系統的な傾きとは逆のイメージになります。