【ITパスポート練習問題 6.3対応】4.知的財産権

【解説】

正解: 1 著作物の一部を個人的な学習目的で利用する

この問題は、著作権法で認められている権利の制限、特に「私的利用のための複製」の範囲を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1は、著作権法で認められている「私的利用」に該当します。個人的な学習や家庭内で楽しむために著作物を複製することは、著作権者の許可なく行うことが例外的に認められています。

選択肢2の「SNSへのアップロード」は、個人的な範囲を超えて不特定多数の人が閲覧できる状態にする行為であり、「公衆送信権」の侵害にあたるため、無断では許されません。 選択肢3の「商業目的での販売」は、利益を得るための行為であり、私的利用とは全く異なります。「複製権」や「譲渡権」の侵害にあたるため、無断では許されません。

【解説】

正解: 3 一般的な事実やアイデア

この問題は、著作権法が保護する対象（創作的な「表現」）と、保護しない対象（「アイデア」や「事実」）を区別できているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、著作権法は「アイデア」や「事実」そのものを保護しません。例えば、「空は青い」という事実や、「男女が入れ替わる物語」というアイデア自体は誰でも自由に利用できます。著作権は、そのアイデアを基に作られた具体的な小説や映画などの「表現」を保護します。

選択肢1の「コンピュータプログラム」は、具体的な記述（コード）が「プログラムの著作物」として保護されます。 選択肢2の「音楽の楽譜」も、音を具体的に表現したものとして「音楽の著作物」として保護されます。

【解説】

正解: 2 著作者の死後70年

この問題は、著作権の保護期間に関する原則を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、日本の著作権法では、著作権の保護期間は原則として「著作者の死後70年」までと定められています。

選択肢1の「死後50年」は、かつての日本の規定や、国によっては現在の規定ですが、日本では法改正により70年に延長されました。 選択肢3の「著作物の公開から」起算するのは、映画の著作物や無名・変名の著作物など、一部の例外的なケースです。個人の著作物の原則は、著作者の死亡時から起算します。

【解説】

正解: 2 新しい技術的なアイデアの製造方法

この問題は、特許法が保護する対象である「発明」とは何かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、特許法は「発明」を保護します。発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されており、新しい技術的なアイデア（製造方法や装置など）がこれに該当します。

選択肢1の「自然界の法則そのもの」（例：万有引力）は、人間が創作したものではなく「発見」であるため、発明には該当せず、特許の対象外です。 選択肢3の「単なるビジネス上の販売手法」は、それ自体が技術的な思想を含まない場合（例：単なるポイント還元）は、特許の対象外です。

【解説】

正解: 3 出願日から20年

この問題は、特許権の存続期間（権利が続く期間）を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、特許権の存続期間は、原則として「出願日」から20年間です。登録日からではない点に注意が必要です。

選択肢1の「5年」は短すぎます。 選択肢2の「10年」は、実用新案権の存続期間です。特許権はそれよりも長く保護されます。

【解説】

正解: 2 発明が新規で産業上の利用可能性があること

この問題は、発明が特許として認められるための主要な条件（特許要件）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、特許を取得するためには、主に3つの条件を満たす必要があります。「新規性」（まだ世の中に知られていないこと）、「進歩性」（簡単に思いつけないこと）、そして「産業上の利用可能性」（産業として利用できること）です。

選択肢1のように、発明が出願前にすでに公開されていると「新規性」を失い、原則として特許を受けることができません。 選択肢3のように、具体的な技術的思想にまでなっていない「単なるアイデア」の段階では、発明とは言えず、特許の対象になりません。

【解説】

正解: 2 インターネット上の取引システムの具体的な方法

この問題は、「ビジネスモデル特許」がどのような発明を対象とするかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、ビジネスモデル特許とは、ビジネスの方法（商売の仕組み）を、コンピュータやインターネットなどのIT技術（ソフトウェアなど）を利用して実現する具体的なシステムや方法に関する発明を指します。

選択肢1の「単なる販売促進のアイデア」は、IT技術などの具体的な手段と結びついていない場合、特許の対象となりません。 選択肢3の「商品の名称やロゴデザイン」は、特許法ではなく、商標法（名称やロゴ）や意匠法（デザイン）の保護対象です。

【解説】

正解: 1 新規性と産業上の利用可能性があること

この問題は、ビジネスモデル特許が「特許」である以上、通常の特許と同じ要件が必要であることを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、ビジネスモデル特許も特許法に基づく特許の一種です。したがって、通常の特許と同様に、「新規性」「進歩性」「産業上の利用可能性」といった特許要件を満たす必要があります。

選択肢2の「著作権登録」は著作権法に関するものであり、特許の要件とは関係ありません。 選択肢3の「商標登録」は商標法に関するものであり、特許の要件とは関係ありません。

【解説】

正解: 2 特許出願前に公開されていた場合

この問題は、特許権が無効になる主要な理由の一つである「新規性」の喪失について理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、特許を受けるためには「新規性」（出願時にまだ世に知られていないこと）が必要です。もし特許出願前にその発明が雑誌やインターネットで公開されていた場合、新規性がないと判断され、特許が認められなかったり、認められた後でも無効になったりします。

選択肢1のように、他社が独自に（知らずに）同じ発明を開発した場合でも、先に出願して特許権を得た者の権利が優先されます（先願主義）。 選択肢3の「商標登録」と「特許権」は全く別の権利であり、商標登録の有無が特許権の有効性に影響することはありません。

【解説】

正解: 3 工具の新しい形状の考案

この問題は、実用新案法が保護する対象（考案）と、特許法が保護する対象（発明）との違いを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、実用新案法は、物品の「形状」「構造」「組み合わせ」に関する「考案」を保護します。工具の新しい形状は、まさにこの「物品の形状」に該当します。

選択肢1の「ソフトウェアのアルゴリズム」は「物品」ではないため、実用新案の対象外です（特許法の対象にはなり得ます）。 選択肢2の「ビジネスの新しい取引方法」も「物品」ではないため、実用新案の対象外です（特許法の対象にはなり得ます）。

【解説】

正解: 2 出願日から10年

この問題は、実用新案権の存続期間を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、実用新案権の存続期間は、特許権（出願から20年）よりも短く、「出願日」から10年間と定められています。

選択肢1の「5年」は短すぎます。 選択肢3の「20年」は、特許権の存続期間です。

【解説】

正解: 1 登録は無審査で行われる

この問題は、実用新案法の特徴である「無審査登録制度」を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、実用新案法は、迅速に権利を保護することを目的としており、出願時の「実体審査」（新規性や進歩性があるかどうかの審査）を行わずに登録されます（無審査登録制度）。

選択肢2の「厳しい審査を経る」のは、特許法の特徴です。 選択肢3の「新しいビジネス方法」は、実用新案法の保護対象（物品の形状など）ではありません。

【解説】

正解: 2 製品の美しい外観デザイン

この問題は、意匠法が何を保護するための法律かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、意匠法は、物品（や建築物、画像）の「外観」、すなわち「デザイン」を保護します。製品の美しさや形状、模様、色彩などが対象となります。

選択肢1の「製品の内部機構」は、外観（デザイン）ではなく機能に関するものであり、特許法や実用新案法の保護対象です。 選択肢3の「製品の販売戦略」は、アイデアや手法であり、意匠法が保護するデザインではありません。

【解説】

正解: 3 {TAB}出願日から25年

この問題は、意匠権の存続期間を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、意匠権の存続期間は「出願日」から25年間です。（以前は登録日から20年でしたが、法改正により変更されました）

選択肢1の「10年」は、実用新案権の存続期間です。 選択肢2の「15年」は、現在の制度では設定されていません。

【解説】

正解: 2 他社による模倣を防ぐため

この問題は、意匠権のような知的財産権を取得する目的（独占排他権の確保）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、意匠登録を行う最大の理由は、意匠権という独占的な権利を取得することで、他社が同じデザインや類似のデザインを無断で使用（模倣）するのを法的に防ぐためです。

選択肢1の「市場シェアを高める」や選択肢3の「販売価格を上げる」ことは、模倣を防いだ結果として得られる可能性はありますが、意匠登録の直接的な理由や目的ではありません。

【解説】

正解: 2 商品名やロゴマーク

この問題は、商標法が何を保護するための法律かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、商標法は、自社の商品やサービスと、他社の商品やサービスとを区別するための「標識（マーク）」を保護します。商品名やロゴマークは、その典型的な例です。

選択肢1の「商品の機能や性能」は、特許法などの保護対象となり得ますが、商標法の対象ではありません。 選択肢3の「商品の製造方法」も、特許法の保護対象であり、商標法の対象ではありません。

【解説】

正解: 3 登録日から10年（更新可）

この問題は、商標権の存続期間と、他の知的財産権にはない「更新制度」という特徴を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、商標権の存続期間は「登録日」から10年間です。ただし、特許権や意匠権とは異なり、10年ごとに「更新」手続きを行うことで、その権利を半永久的に維持し続けることができます。

選択肢1の「5年」は短すぎます。 選択肢2の「20年（更新不可）」は、特許権の期間（出願から20年）と混同させる選択肢ですが、商標権は更新が可能です。

【解説】

正解: 1 出願して登録される必要がある

この問題は、日本の商標権がどのようにして発生するか（登録主義）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、日本の商標法は「登録主義」を採用しています。これは、特許庁に出願し、審査を経て「登録」されることによって初めて、法的な権利（商標権）が発生するという制度です。

選択肢2の「使用しているだけで取得できる」制度を「使用主義」といい、一部の国では採用されていますが、日本では採用されていません。 選択肢3のように、他社がすでに同じか似た商標を登録している場合、原則として後からの出願は登録されません。

【解説】

正解: 2 製品のブランドロゴ

この問題は、トレードマーク（商標）の具体的な例を理解しているかを確認するものです。トレードマークは商標とほぼ同じ意味で使われます。

正解の選択肢2の通り、トレードマーク（商標）は、商品やサービスを識別するためのマークです。製品のブランドロゴは、まさにその商品がどこの会社のものかを示すためのマークであり、トレードマークの典型例です。

選択肢1の「製品の製造工程」は、特許法の対象となり得る技術的な内容です。 選択肢3の「製品の価格表」は、単なる情報であり、トレードマークではありません。

【解説】

正解: 3 出願して登録する

この問題は、トレードマーク（商標）を法的に保護するために必要な手続きを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、トレードマーク（商標）は、特許庁に出願し、審査を経て「登録」されることで、商標権という法的な保護を受けられます。

選択肢1の「自動的に保護される」のは、著作権（無方式主義）の特徴です。商標権は登録が必要です（方式主義）。 選択肢2の「使用後に届出を行う」という制度ではありません。使用する前に出願・登録するのが一般的です。

【解説】

正解: 2 登録日から10年（更新可能）

この問題は、トレードマーク（商標権）の保護期間と更新制度について理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、トレードマーク（商標権）の存続期間は「登録日」から10年間です。この期間は、更新手続きを行うことで何度でも延長することができます。

選択肢1の「5年」は不正解です。 選択肢3の「20年（更新不可）」は特許権の存続期間（出願から20年）と混同させるものであり、商標権は更新が可能です。

【解説】

正解: 1 飲食店のロゴマーク

この問題は、商標の中でも「サービスマーク」（役務商標）が何を対象とするかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、サービスマークは、商品（モノ）ではなく、「サービス（役務）」の提供者を識別するための商標です。「飲食店」は食事というサービスを提供する事業であり、そのロゴマークはサービスマークに該当します。

選択肢2の「飲食物のレシピ」は、アイデアやノウハウであり、サービスマークの対象ではありません。 選択肢3の「飲食物の価格表」も、単なる情報であり、サービスマークの対象ではありません。

【解説】

正解: 3 登録しないと法的保護がない

この問題は、サービスマークも商標の一種であり、その権利の発生には「登録」が必要であること（登録主義）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、サービスマークは商標の一種であるため、日本の商標法の「登録主義」が適用されます。特許庁に出願し、登録されて初めて、商標権として法的に保護されます。

選択肢1の「自然に保護される」のは著作権です。 選択肢2の「使用するだけで権利が発生する」のは使用主義であり、日本の制度ではありません。

【解説】

正解: 2 登録日から10年（更新可能）

この問題は、サービスマーク（商標権）の保護期間と更新制度について理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、サービスマークは商標の一種であり、その存続期間は「登録日」から10年間です。他の商標と同様に、更新手続きを行うことで、10年ごとに期間を延長することができます。

選択肢1の「5年（更新不可）」は、期間も短く、更新不可の点も間違いです。 選択肢3の「20年（更新不可）」は、特許権の期間と混同させるものであり、更新不可の点も間違いです。