【ITパスポート練習問題 6.3対応】11.ビジネス戦略と目標・評価

【解説】

正解: 3 市場シェア

この問題は、BSC（バランススコアカード）を構成する4つの基本的な視点を正しく理解しているかを確認するものです。

BSCは「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」の4つの視点から業績を評価します。「市場シェア」は、これらの視点、特に「顧客」視点の具体的な指標の一つとして使われることはあっても、BSCを構成する4つの基本視点そのものではありません。したがって、3が正解です。

「業務プロセス」と「財務指標」は、どちらもBSCの4つの基本視点に含まれているため、誤りです。

【解説】

正解: 2 非財務的な視点も含めた戦略評価を行う

この問題は、BSC（バランススコアカード）が従来の財務指標偏重の評価方法とどう違うのか、その中核的な特徴を理解しているかを問うものです。

BSCの最大の特徴は、従来の財務指標（財務の視点）だけでなく、「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」という3つの非財務的な視点も加えて、戦略の達成度を多角的に評価することにあります。したがって、2が正解です。

1の「短期的な財務成果のみを重視する」は、BSCが登場する以前の伝統的な業績評価方法の特徴であり、BSCが克服しようとした課題そのものです。3の「単一の評価軸に集中する」も、4つの視点でバランスよく評価するBSCの特徴と正反対であり、誤りです。

【解説】

正解: 1 従業員のスキル向上率

この問題は、BSC（バランススコアカード）の4つの視点のうち、「学習と成長」の視点が具体的に何を目指しているのか、その指標例を正しく識別できるかを確認するものです。

「学習と成長」の視点は、戦略目標を達成するために必要な組織や個人の能力、イノベーションの基盤を評価します。「従業員のスキル向上率」は、まさに人材育成の成果を示す指標であり、この視点に該当します。したがって、1が正解です。

2の「販売収益の増加率」は、最終的な金銭的成果であり「財務」の視点に該当する指標です。3の「新規顧客の獲得数」は、市場や顧客に対する成果であり「顧客」の視点に該当する指標です。

【解説】

正解: 3 業界ごとに異なる成功要因を含む

この問題は、CSF（重要成功要因）の基本的な定義と、それが企業や業界の状況によって変わるという特性を理解しているかを確認するものです。

CSF（Critical Success Factors）とは、組織が戦略目標を達成する上で、特に重要となる要因のことです。この要因は、業界の特性、市場での立ち位置、競合の状況などによって異なります。例えば、飲食業と製造業では成功に必要な要因が違うように、業界ごとに異なる成功要因を含むのがCSFの特徴です。したがって、3が正解です。

1の「すべての業界に共通する要因のみを指す」は誤りです。CSFは状況によって変わるため、普遍的なものではありません。2の「組織目標とは無関係の要因を管理する」も誤りです。CSFは、まさに組織目標を達成するために「重要な」要因を特定し、管理するためのものです。

【解説】

正解: 2 無関係な市場の動向調査

この問題は、CSF（重要成功要因）を特定するプロセスにおいて、どのような分析が必要で、どのような情報が不要かを理解しているかを確認するものです。

CSFは、自社が目標を達成するために「特に重要な」要因です。これを設定するためには、自社が属する「業界動向の分析」（外部環境分析）や「自社の強みの把握」（内部環境分析）が不可欠です。しかし、「無関係な市場の動向」を調査しても、自社の成功に直結する要因を見つけることはできません。したがって、CSFの設定に含まれないものとして、2が正解です。

1の「業界動向の分析」は、外部環境を理解し、その中で成功する要因を見つけるために必要です。3の「自社の強みの把握」は、内部環境を理解し、自社のリソースを活かせるCSFを特定するために必要です。

【解説】

正解: 3 必要なリソースの優先順位付け

この問題は、CSF（重要成功要因）を設定する目的、すなわち、それによって組織運営にどのようなメリットがもたらされるかを理解しているかを確認するものです。

CSFを明確にすると、「何を達成すれば成功に近づくか」が具体的になります。組織のリソース（人、モノ、カネ、時間）は限られているため、成功に直結するCSF関連の活動にリソースを集中投下する必要があります。このように、CSFは「必要なリソースの優先順位付け」を行うための重要な基準となります。したがって、3が正解です。

1の「戦略目標の無制限な拡大」は逆です。CSFは目標を達成するために「重要な要因」に絞り込む（集中させる）ためのものです。2の「成功の偶然性を高める」も誤りです。CSFは、偶然に頼るのではなく、成功の確率を高めるために管理すべき要因を明確にすることです。

【解説】

正解: 2 最終目標の達成度を評価する指標

この問題は、KGI（重要目標達成指標）の基本的な定義を理解しているか、特に行動管理指標であるKPIと区別できているかを確認するものです。

KGI（Key Goal Indicator）は、組織やプロジェクトが目指す「最終目標（Goal）」が、どの程度達成されたかを測定するための「指標（Indicator）」です。例えば「売上高」や「市場シェア」など、最終的な結果を示す指標がこれにあたります。したがって、2が正解です。

1の「日常業務の進捗を管理する指標」は、KGIを達成するための中間プロセスを管理するKPI（重要業績評価指標）の説明です。3の「従業員の満足度を測る指標」は、それ自体がKGIになる場合もありますが（例：人事戦略のKGI）、KGIの一般的な説明としては不十分です。

【解説】

正解: 2 四半期の売上高目標達成率

この問題は、KGI（重要目標達成指標）が「最終的な結果」を示す指標であることを理解し、プロセス指標であるKPIの例と区別できるかを確認するものです。

KGIは最終目標の達成度を測る指標です。「四半期の売上高目標達成率」は、経営における最終的な成果（ゴール）がどれだけ達成できたかを示す結果指標であり、KGIの典型例です。したがって、2が正解です。

1の「販売チームの月間訪問件数」や3の「従業員の定期的な研修実施数」は、最終目標（KGI）を達成するためのプロセス（過程）や行動がどれだけ実行されたかを示す指標です。これらはKPI（重要業績評価指標）の例です。

【解説】

正解: 3 測定可能で明確なゴールを設定すること

この問題は、KGI（重要目標達成指標）を設定する際に、どのような要件を満たすべきか、その基本原則を理解しているかを確認するものです。

KGIは、目標の「達成度」を客観的に評価するための指標です。そのためには、誰が見ても達成できたかどうかが判断できるよう、具体的で「測定可能（数値化可能）」なゴールを設定することが不可欠です。例えば「売上を伸ばす」ではなく「売上高1億円を達成する」のように設定します。したがって、3が正解です。

1の「日常の業務負荷を軽減すること」は、KGI設定の直接的な目的ではありません。2の「社内の全員が同じKGIを持つこと」は誤りです。通常、全社的なKGIに基づき、各部門の役割に応じたKGI（またはKPI）が設定されます。

【解説】

正解: 1 日々の業務活動の進捗を測定する

この問題は、KPI（重要業績評価指標）の主な役割、特に最終目標であるKGIとの関係性を理解しているかを確認するものです。

KPI（Key Performance Indicator）は、最終目標（KGI）を達成するための「プロセス（過程）」が順調に進んでいるかを測定・監視するための指標です。「日々の業務活動の進捗」を定量的に測定することで、目標達成に向けた軌道修正を可能にすることがKPIの主な目的です。したがって、1が正解です。

2の「最終的な経営目標の成果を示す」のは、KGI（重要目標達成指標）の役割です。3の「顧客の満足度を把握する」は、それ自体がKGIになることもありますし（例：顧客戦略のKGI）、顧客満足度を高めるための活動（例：サポートの応答時間）がKPIになることもありますが、KPIの「主な目的」の説明としては1が最も適切です。

【解説】

正解: 2 月間の顧客問い合わせ対応件数

この問題は、KPI（重要業績評価指標）が「プロセス」や「行動」を測る指標であることを理解し、結果指標であるKGIの例と区別できるかを確認するものです。

KPIは、最終目標（KGI）を達成するための日々の活動やプロセスの実行状況を測る指標です。「月間の顧客問い合わせ対応件数」は、例えば「顧客満足度の向上（KGI）」を目指す上での、サポート部門の活動量を示す典型的なKPIです。したがって、2が正解です。

1の「年間売上目標の達成率」や3の「総資産の増加率」は、どちらも経営活動の「最終的な結果」を示す指標であり、KGI（重要目標達成指標）に該当します。

【解説】

正解: 1 測定可能な具体的な指標にする

この問題は、KPI（重要業績評価指標）が日々の進捗管理に使われるという目的に照らして、設定時にどのような要件が重要かを理解しているかを確認するものです。

KPIは、日々の活動が順調かどうかを「監視」するために使われます。そのためには、進捗が客観的に判断できるよう、「測定可能（数値化可能）」で「具体的」な指標でなければなりません。例えば「頑張る」ではなく「1日の訪問件数5件」のように設定します。したがって、1が正解です。

2の「大まかに設定して柔軟に変更する」は誤りです。大まかでは進捗を管理できません。柔軟な変更は状況に応じて必要ですが、設定時の最重要事項ではありません。3の「業界標準と同じ数値を用いる」も誤りです。業界標準は参考にはなりますが、KPIは自社の戦略やKGIに基づいて設定すべきものであり、盲目的に合わせるものではありません。

【解説】

正解: 2 機能とコストのバランスを最適化する

この問題は、バリューエンジニアリング（VE）の基本的な概念を理解しているか、特に「価値＝機能／コスト」という考え方を把握しているかを確認するものです。

バリューエンジニアリング（VE）は、製品やサービスが持つ「価値（Value）」を最大化することを目的とします。ここでの価値は「機能（Function） ÷ コスト（Cost）」で定義されます。つまり、必要な機能を維持または向上させつつコストを下げる、あるいは同じコストで機能を上げるなど、「機能とコストのバランスを最適化する」ことが目的です。したがって、2が正解です。

1の「製品の品質を落としてコストを削減する」は、単なるコストダウンであり、VEの考え方ではありません。VEは必要な機能（品質）を維持することが前提です。3の「同じ品質ならどんな方法でもコストを削減する」も不十分です。VEは機能そのものを見直し、不要な機能を削除したり、代替機能に置き換えたりすることも含みます。

【解説】

正解: 3 必要な機能とそのコスト

この問題は、バリューエンジニアリング（VE）が「価値＝機能／コスト」という式に基づいて活動することを理解しているか、その構成要素を問うものです。

VEは、製品やサービスの価値を「機能」と「コスト」の関係で捉えます。価値を向上させるためには、まず「必要な機能は何か」を定義し、次に「その機能を達成するためのコストはいくらか」を分析します。この「必要な機能とそのコスト」の関係性を分析し、改善することがVEの中心的な活動です。したがって、3が正解です。

1の「製品の売上成長率」や2の「市場での競争優位性」は、VE活動の結果として得られる可能性のある経営上の成果ですが、VEが直接重視し、分析対象とする構成要素ではありません。

【解説】

正解: 1 製品の機能評価とコスト分析

この問題は、バリューエンジニアリング（VE）を実践する上での具体的な手順や、中核となる活動が何かを理解しているかを確認するものです。

VEは「価値＝機能／コスト」を最適化する活動です。その第一歩は、現在提供している製品やサービスについて、顧客が求めている「機能は何か」を評価し（機能評価）、その機能を提供するために「いくらコストがかかっているか」を分析する（コスト分析）ことです。この「機能評価とコスト分析」が、価値向上のための改善案を見つける上で最も重要なプロセスです。したがって、1が正解です。

2の「新しい市場開拓」は、マーケティング戦略や経営戦略の領域であり、VEの主要プロセスではありません。3の「コストを下げるための材料削減」は、VE活動の結果として実行される「手段」の一つに過ぎません。VEでは、単なる材料削減ではなく、機能を見直した結果として材料を変更・削減することを考えます。