【ITパスポート練習問題 6.3対応】18.情報システム戦略

【解説】

正解: 2 自社の経営戦略や事業戦略の実現

この問題は、情報システム戦略が企業活動の中でどのような位置づけにあるか、その根本的な目的を理解しているかを確認するものです。単にコンピュータを導入することではなく、経営の方向性とITが一致しているかどうかが問われます。

正解である「自社の経営戦略や事業戦略の実現」は、情報システム戦略の定義そのものです。企業が将来あるべき姿（経営戦略）を目指すために、IT（情報技術）をどのように活用するかを計画・実行することが情報システム戦略の役割です。つまり、ITは経営の道具であり、目的はビジネスの成功にあります。

選択肢1の「従業員の教育レベル向上」は、人事戦略や人材育成に関する目標であり、情報システム戦略の主目的ではありません。選択肢3の「ハードウェアの最新化を促進」は、手段の一つに過ぎません。最新機器への更新自体が目的となってしまうと、無駄な投資につながる恐れがあり、戦略の目的としては不適切です。

【解説】

正解: 3 顧客のプライバシー情報の公開

この問題は、情報システム戦略を立案・実行する際に守るべきコンプライアンス（法令遵守）や企業倫理に関する判断力を問うものです。

選択肢3の「顧客のプライバシー情報の公開」は、個人情報保護法などの法令に違反する行為であり、企業の信用を失墜させる重大なリスクです。戦略立案において「してはいけないこと」の代表例であるため、これが重要でない（やってはいけない）ものとして正解となります。

選択肢1の「経営環境の分析」は、競合他社の状況や市場の動向を知るために不可欠なプロセスです。選択肢2の「具体的な戦略目標の設定」も、いつまでに何を達成するかを明確にするために必要な要素です。これらはどちらも戦略立案において極めて重要です。

【解説】

正解: 2 業務目標を分析してITシステムを導入する

この問題は、情報システム戦略を具体化する際の正しい手順を理解しているかを確認するものです。「何のためにシステムを入れるのか」という目的意識の有無が問われています。

正解は「業務目標を分析してITシステムを導入する」です。システム導入は、業務上の課題解決や目標達成のための手段です。まず「どのような業務を実現したいか」という目標があり、それに合わせて必要なITシステムを選定・構築するという順序が、戦略実現の正しいステップとなります。

選択肢1の「顧客情報を漏洩させないシステムを構築する」は、セキュリティ対策としての要件の一つですが、戦略実現のプロセス全体を指すものではありません。選択肢3の「毎年新しい技術を導入する」は、技術の導入自体が目的化しており、業務の必要性と乖離する可能性があるため不適切です。

【解説】

正解: 1 企業内の情報を効率的に検索する

この問題は、「エンタープライズサーチ」という用語の意味と、その導入目的を正しく理解しているかを問うものです。

エンタープライズサーチは、企業内のファイルサーバー、データベース、Webサイトなどに散らばっている様々なデータを、一括して検索できるようにする仕組みです。Googleなどの検索エンジンの「社内版」と考えると分かりやすいでしょう。社員が必要な情報を素早く見つけられるようにすることで、業務効率を上げることが目的です。

選択肢2の「顧客情報の流出を防ぐ」は、DLP（情報漏洩対策）ツールやアクセス制御機能の役割であり、検索システムの主目的ではありません。選択肢3の「社員のスキル向上を図る」は、eラーニングシステムなどの役割であり、検索システムとは直接関係ありません。

【解説】

正解: 3 システムのセキュリティ向上

この問題は、エンタープライズサーチの機能的な特徴と、それがもたらすメリットを区別できるかを確認するものです。

エンタープライズサーチは「情報を探しやすくする」ためのツールです。そのため、導入によって直接的に期待される効果ではない「システムのセキュリティ向上」が、この問いにおける「適切でないもの（正解）」となります。もちろん検索結果の表示制御などのセキュリティ機能は持っていますが、システム全体のセキュリティレベルを上げることが導入の主目的ではありません。

選択肢1の「社内データ検索の効率化」と、選択肢2の「情報資産の活用促進」は、エンタープライズサーチを導入することで得られる代表的なメリットです。資料を探す時間が減り、過去のナレッジ（知識）を有効活用できるようになります。

【解説】

正解: 2 企業内の文書やデータを横断的に検索できる

この問題は、一般的なWeb検索エンジンと、企業向け検索エンジン（エンタープライズサーチ）の違いや特徴を理解しているかを問うものです。

正解は「企業内の文書やデータを横断的に検索できる」です。企業では、部署ごとのファイルサーバー、社内ポータルサイト、メールシステムなど、情報があちこちに保存されています。これらを横串を通して検索し、どこに何があるかを意識せずに情報を探し出せる点が、エンタープライズサーチの最大の特徴です。

選択肢1の「外部のインターネット情報を効率的に検索できる」は、一般的なWeb検索エンジンの説明です。エンタープライズサーチは主に社内（内部）の情報が対象です。選択肢3の「検索対象を限定して分析を行う」は、特定のデータ分析ツールの説明に近く、社内全体を広く検索するエンタープライズサーチの特徴とは異なります。