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企業活動と経営資源
企業理念や経営の方向性を支える要とは?
企業が成長を続けるうえで、経営理念(企業理念)やMVV(ミッション,ビジョン,バリュー)を定めることが重要視されています。人材を資産として考える人的資本経営や、社会や環境との共生を目指すパーパス経営の流れも強まってきています。経営課題が多様化するなか、株主総会や決算の役割を正しく捉え、柔軟に取り組む力が求められています。
組織の方向性を全員で共有し、事業の継続性や信頼を高めるためには、社会的責任(CSR)を果たす姿勢が欠かせません。投資を通じて企業の在り方を評価する社会的責任投資(SRI)も広まり、ステークホルダーからの視点がより厳しくなってきています。
こうした経営理念や責任に関する用語を押さえておくと、就職や転職などキャリアアップを考える際にも役立ち、組織全体に貢献しやすい視点を得やすくなります。
学習ポイントをチェック
- 企業理念を定める意味
組織全体が一体感を持ちながら行動し、目指す姿に向かって経営資源を集中させる
- 人的資本経営が重視される背景
人のスキルやモチベーションが企業価値を左右するため、教育や研修への投資が重要とされる
- パーパス経営と社会的責任の関係
社会課題の解決と収益獲得を両立しながら、長期的に支持されるビジネスモデルを築く
- 株主総会や決算情報を活用する意義
経営戦略の方向性や企業の信頼度を把握し、利害関係者との関係をより良くする土台をつくる
企業活動の目的や価値を明確にしていく取り組みは、今後のキャリア形成にもつながりやすいといえます。用語解説に目を通したら、練習問題にも挑戦して理解を深めてみてください。
このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。
◆大分類:1.企業と法務
◆中分類:1.企業活動
| ◆小分類 |
◆見出し |
◆学習すべき用語 |
| 1.経営・組織論 |
(1) 企業活動と経営資源 |
経営理念(企業理念)
MVV(ミッション,ビジョン,バリュー)
人的資本経営
パーパス経営
株主総会
決算
社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)
社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investment) |
見出し
経営理念(企業理念)
経営理念とは企業が存在する目的や価値観、使命を示す基本的な考え方です。これには、企業の行動指針や社会的な責任、従業員や顧客との関係をどのように築くかといった指針が含まれます。
経営理念は、企業の成長戦略や事業展開における意思決定の基盤として機能し、企業文化の形成にも影響を与えます。多くの企業では、ビジョン(将来像)やミッション(使命)とともに明文化され、社内外に広く共有されています。
経営理念に関する学習用問題
企業が経営理念を策定する主な目的はどれですか?
【解説】
正解: 3 企業の価値観や使命を明確に示すため
この問題は、経営理念が単なるスローガンではなく、企業の根本的な存在理由(Why)を問うものであることを理解しているかを確認します。戦略や利益(How/What)との違いがポイントです。
経営理念は、その企業が「何のために存在するのか」「何を大切にするのか」という最も根幹となる価値観や使命(ミッション)を定義するものです。これが全ての企業活動の基盤となります。
選択肢1の「収益最大化」は、経営理念を実現した結果として目指すもの(目標)であって、理念そのものではありません。 選択肢2の「差別化」は、経営理念に基づいて策定される経営戦略の「手段」の一つです。目的ではありません。
経営理念が最も影響を与える企業活動はどれですか?
【解説】
正解: 2 経営戦略の立案
この問題は、経営理念が「お飾り」ではなく、企業の具体的な方向性を決める「経営戦略」の最上位にあることを理解しているかを確認します。理念と戦略の階層関係(理念→戦略→戦術)が問われています。
正解である選択肢2は、経営理念と経営戦略の密接な関係を示しています。経営理念(あり方)を実現するために、具体的な方針や計画(やり方)である「経営戦略」が立案されます。理念は戦略の土台であり、最も強く影響を与えます。
選択肢1の「市場調査の手法」や選択肢3の「生産コストの削減」は、経営戦略を実行するための、より具体的・戦術的な活動(オペレーション)です。これらは理念から直接導かれるものではなく、策定された戦略に基づいて選択される「手段」であるため、間違いと判断できます。
経営理念を明文化する主なメリットはどれですか?
【解説】
正解: 3 企業内外の関係者が共有すべき価値観が明確になる
この問題は、理念を「明文化(=言語化)」する目的を問うています。理念が個人の頭の中にあるだけでなく、組織内外の共通認識となって初めて機能することを理解しているかがポイントです。
正解である選択肢3は、明文化の「直接的な」メリットを正しく示しています。理念を言葉にして公開することで、従業員、顧客、取引先といった全ての関係者(ステークホルダー)が「この会社が何を大切にしているか」を共通認識として持つことができ、行動のズレを防ぎます。
選択肢1や2は、明文化することの「直接的なメリット」ではありません。理念が共有・実践された結果として、間接的に評価制度や顧客満足度に良い影響が出る可能性はありますが、明文化した「だけ」で自動的に起きるものではないため、間違いと判断できます。
MVV(ミッション,ビジョン,バリュー)
MVVとは企業の方向性を示す重要な要素であるミッション(使命)、ビジョン(将来の理想像)、バリュー(価値観)を指します。
ミッションは企業が果たすべき社会的役割を示し、ビジョンはその使命を達成するための目標像を表します。バリューは組織内外での行動の基本となる価値観を示します。これらは企業の戦略や文化形成の基盤となり、持続的な成長を支える重要な指針です。
MVVに関する学習用問題
MVVのうち、企業の行動基準を示す要素はどれですか?
【解説】
正解: 3 バリュー
この問題は、経営理念を構成するMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の3つの要素の役割を、正確に区別できているかを確認します。特にバリューの役割が問われています。
正解である選択肢3のバリュー(Value)は、ミッションやビジョンを実現するために、従業員が日々どのように行動すべきか、どのような価値観を大切にすべきかを示す「行動基準」であり、定義そのものです。
選択肢1のミッション(Mission)は、企業が果たすべき「使命」や「社会的役割」を示します。
選択肢2のビジョン(Vision)は、企業が目指す「将来の理想像」を示します。
これらは「行動基準」とは役割が異なるため、間違いと判断できます。
企業の将来の理想像を示すMVVの要素はどれですか?
【解説】
正解: 1 ビジョン
この問題は、前問に続き、MVVの定義を問う問題です。今回は「ビジョン」の役割を正確に理解しているかを確認します。ミッション(使命)との違いを明確に区別することが重要です。
正解である選択肢1のビジョン(Vision)は、ミッション(使命)を果たした結果として実現したい「将来の理想像」や「目標とする姿」を示すものであり、定義そのものです。
選択肢2のバリュー(Value)は、ビジョンを目指すための「行動基準」や「価値観」です。
選択肢3のミッション(Mission)は、企業が社会で果たすべき「使命」や「存在意義」です。
どちらも「将来の理想像」とは役割が異なるため、間違いと判断できます。
ミッションに最も関連するのはどれですか?
【解説】
正解: 2 社会における企業の役割
この問題は、MVVの定義、特にミッションの概念を問うています。ミッションが、単なる社内目標ではなく、社会との関わりの中で定義される「存在意義」であることを理解しているかを確認します。
正解である選択肢2は、ミッション(Mission)の定義そのものです。ミッションとは、その企業が「社会においてどのような役割を果たし、貢献するのか」という「使命」や「存在意義」を定義したものです。
選択肢1の「従業員の行動基準」は、ミッションではなくバリュー(Value)が示す内容です。
選択肢3の「経営指標の達成状況」は、ミッションやビジョンを実現するための戦略がうまくいっているかを測る「業績評価(KGI/KPIなど)」であり、ミッションそのものではありません。よって、これらは間違いと判断できます。
人的資本経営
人的資本経営は従業員の知識、スキル、経験といった人的資源を資本として捉え、企業価値の向上を目指す経営手法です。
企業は人材への投資を利益創出の重要な要因と見なし、組織力の強化や革新力の向上に取り組みます。育成計画、キャリアパスの設計、評価制度の整備が人的資本経営の中心的な施策です。
人的資本経営に関する学習用問題
人的資本経営の主な目的はどれですか?
【解説】
正解: 3 人材の能力向上を通じた企業価値の向上
この問題は、「人的資本」という経営の考え方を理解しているか問う問題です。人を「コスト」ではなく、投資すべき「資本(資産)」と捉え、企業価値向上につなげる視点が重要です。
正解である選択肢3は、人的資本経営の「目的」を正しく説明しています。従業員の持つスキルや経験を「資本」と捉え、教育や投資によってその能力を高め、最終的に企業全体の価値向上につなげる経営手法です。
選択肢1や2も企業価値向上に寄与しますが、これらは「人」ではなく「モノ(物的資産)」や「プロセス(自動化)」に焦点を当てたものです。人的資本経営が対象とする「資本」ではないため、間違いと判断できます。
人的資本経営が重視する主な資産はどれですか?
【解説】
正解: 2 従業員のスキルや経験
この問題は「人的資本」という言葉の定義そのものを理解しているかを確認します。従来の「モノ(設備)」や「カネ(財務)」といった経営資源と、「ヒト」を資本としてどう捉えるかを区別する問題です。
正解である選択肢2は、「人的資本」が何を指すかを正確に示しています。人的資本とは、従業員が持つ「スキル、経験、知識、ノウハウ」といった目に見えない資産(無形資産)を指します。
選択肢1の「物的資産」は、工場や設備などの有形資産です。
選択肢3の「財務資産」は、現金や株式などの金融資産です。
これらは「人的」資本ではないため、明確に間違いと判断できます。
人的資本経営が企業にもたらす主な効果はどれですか?
【解説】
正解: 3 組織の競争力と革新力の向上
この問題は、人的資本経営の「目的」や「手段」だけでなく、その結果として企業に何がもたらされるか(効果)を理解しているか問う問題です。人材への投資がイノベーションに繋がる点が重要です。
正解である選択肢3は、人的資本経営がもたらす「直接的な効果」を述べています。人材に投資し能力を高めることで、従業員の意欲(エンゲージメント)が向上し、新しいアイデア(革新力=イノベーション)が生まれやすくなり、組織全体の競争力が高まります。
選択肢1は人的資本経営とは直接関係のない業務です。
選択肢2は、競争力が高まった結果として得られる「最終的な成果」であり、人的資本経営が「直接的」にもたらす効果とは言い難いため、間違いと判断できます。
パーパス経営
パーパス経営とは企業の存在意義(パーパス)を明確にし、その目的を事業活動全般に反映させる経営手法です。単なる利益追求ではなく、社会的な課題解決や長期的な価値創造を目指す企業が採用します。
パーパスはステークホルダーとの共感を生み出し、ブランド価値の向上や従業員のモチベーション向上にも寄与します。
パーパス経営に関する学習用問題
パーパス経営の主な目的はどれですか?
【解説】
正解: 2 企業の存在意義の明確化と社会的価値の創出
この問題は、近年注目される「パーパス経営」の定義を問う問題です。利益追求(Profit)だけでなく、企業の存在意義(Purpose)を重視する経営スタイルであることを理解しているかがポイントです。
正解である選択肢2は、パーパス経営の定義そのものです。パーパス(Purpose)とは「存在意義」を意味します。自社が社会において「何のために存在するのか」を明確にし、利益追求と同時に社会的価値を生み出すことを目指します。
選択肢1や3は、従来の利益追求型の経営で重視される指標です。パーパス経営は、これらよりも上位の概念として「存在意義」を置くため、これらは目的ではなく、結果として付いてくるものとされます。よって間違いと判断できます。
パーパス経営が企業にもたらす直接的な効果はどれですか?
【解説】
正解: 3 社会的価値の向上とブランド力の強化
この問題は、パーパス経営を実践した結果、企業がどのような恩恵を受けるかを問う問題です。社会的な存在意義を掲げることが、ステークホルダー(利害関係者)からの評価に繋がる点を理解します。
正解である選択肢3は、パーパス経営の「直接的な効果」を示しています。企業の「存在意義(パーパス)」が社会に共感されると、顧客や従業員からの支持が高まり、それが「ブランド力」の強化や「社会的価値」の向上に直接つながります。
選択肢1は経営判断の一つであり、パーパス経営と直接関係はありません。
選択肢2は、社会的評価が高まった結果として得られる「間接的な」効果であり、パーパス経営が直接もたらすものではないため、間違いと判断できます。
パーパス経営の一環として企業が取り組むべきものはどれですか?
【解説】
正解: 2 長期的な社会課題の解決
この問題は、パーパス(存在意義)をどのように「行動」に移すかを問う問題です。パーパス経営が、目先の利益ではなく、持続可能性(サステナビリティ)と密接に関連していることを理解します。
正解である選択肢2は、パーパス経営の具体的な「行動」を示しています。パーパス経営は、自社の存在意義に基づき、「長期的な視点」で事業を通じて「社会課題の解決」に取り組むことを重視します。
選択肢1や3は、パーパスとは直接関係のない、日々の経営判断や戦術の一つです。「短期的な利益」はパーパス経営が目指す「長期的な視点」と対立する場合もあり、間違いと判断できます。
株主総会
株主総会は株式会社の最高意思決定機関であり、株主が出席して経営方針や重要事項を議決する場です。通常は定時株主総会が毎年開催され、決算報告、役員の選任、報酬の決定などが行われます。
特別な事項が必要な場合は臨時株主総会が開かれます。株主総会は、会社法に基づき適切に運営され、経営の透明性を高める役割を果たします。
株主総会に関する学習用問題
株主総会で議決される内容として適切なものはどれですか?
【解説】
正解: 1 会社の取締役の選任
この問題は、会社の最高意思決定機関である「株主総会」の役割を理解しているか問う問題です。会社の所有者である株主が決定すべき「経営の根幹に関わる重要事項」が何かを区別します。
正解である選択肢1は、株主総会の最も重要な議決事項の一つです。株主総会は、会社の所有者である株主が集まり、経営の基本方針や重要事項を決定する場です。「取締役の選任」は、経営を誰に任せるかを決める根幹の議案です。
選択肢2や3は、株主が選任した取締役(経営陣)が行う「日常の業務執行」の範囲です。これら全てを株主総会で決議していては経営が停滞するため、議決対象ではありません。よって間違いと判断できます。
株主総会の開催頻度として一般的なものはどれですか?
【解説】
正解: 2 毎年1回
この問題は、株主総会の基本的なルール(会社法)を問う問題です。会社が株主に対し、定期的に経営成績を報告し、承認を得る義務があることを理解しているかを確認します。
正解である選択肢2は、会社法で定められた頻度です。会社法では、事業年度の終了後、一定の時期に「定時株主総会」を「毎年1回」開催することが定められています。ここで決算の承認や役員の選任などが行われます。
選択肢1や3は会社法で定められた頻度ではありません。ただし、必要に応じて「臨時株主総会」が開催されることはありますが、「一般的」な開催頻度ではないため、間違いと判断できます。
株主総会に参加できる権利を持つのは誰ですか?
【解説】
正解: 2 株式を保有する株主
この問題は、株式会社の仕組みの根幹である「所有と経営の分離」を理解しているか問う問題です。会社の「所有者」が誰であるかを正しく認識しているかを確認します。
正解である選択肢2は、株式会社の定義そのものです。株式会社の「所有者」は、その会社の株式を保有する「株主」です。そのため、会社の最高意思決定機関である株主総会に参加し、議決権を行使する権利は株主のみが持ちます。
選択肢1(従業員)や選択肢3(顧客)は、会社にとって重要な関係者ですが、会社の「所有者」ではありません。そのため、原則として株主総会に参加する権利はないため、間違いと判断できます。
決算
決算とは一定期間の企業活動の成果を財務諸表などで報告するプロセスです。通常は年度ごとに行われ、企業の収益、費用、利益などの経営成績を明確にします。
主な財務諸表には、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)が含まれ、これらは経営の透明性と株主への説明責任を果たすための基盤です。
決算に関する学習用問題
決算時に作成される主な財務諸表はどれですか?
【解説】
正解: 1 損益計算書(PL)
この問題は、企業の経営成績を報告する「財務諸表」の基本的な種類を理解しているか問う問題です。特に「財務三表」と呼ばれる中心的な書類を把握しているかがポイントです。
正解である選択肢1の「損益計算書(PL)」は、財務諸表の中心である「財務三表」の一つで、一定期間の儲け(利益)を示します。他に「貸借対照表(BS)」と「キャッシュフロー計算書(CF)」があります。
選択肢2や3も会社にとって重要な書類ですが、これらは企業の財政状態や経営成績を示す「財務諸表」には分類されません。これらは「決算」とは別の目的で管理される書類であるため、間違いと判断できます。
決算の主な目的として適切なものはどれですか?
【解説】
正解: 2 企業活動の成果を財務諸表で示すこと
この問題は、「決算」という企業活動の目的を理解しているか問う問題です。決算が、株主や投資家といった外部の利害関係者に対して「経営の成績表」を公開する行為であることを認識します。
正解である選択肢2は、決算の定義そのものです。決算とは、一定期間(通常1年間)の企業活動の結果(どれだけ儲かったか、財産はどうか)を計算し、「財務諸表」という形でとりまとめ、利害関係者に報告(示す)することです。
選択肢1や3は決算の目的ではありません。決算の結果(業績)が、株価(株式売買)や賞与(勤務評定)に「影響を与える」ことはありますが、決算を行う「目的」そのものではないため、間違いと判断できます。
決算の結果が影響を与えるものはどれですか?
【解説】
正解: 1 市場での株価の変動
この問題は、決算(企業の成績表)が公表されると、社会経済の中でどのような反応が起こるかを問う問題です。決算情報が、投資家の投資判断に直結することを理解しているか確認します。
正解である選択肢1は、決算結果がもたらす最も代表的な影響です。決算の結果(業績)が市場の予想より良ければ、その会社の株式を買いたい人が増えて「株価が変動(上昇)」します。逆に悪ければ株価は下落します。
選択肢2や3は、決算の結果によって直接左右されるものではなく、企業活動や経済とは無関係な事象です。決算結果との因果関係がないため、間違いと判断できます。
社会的責任(CSR)
社会的責任(CSR)とは企業が利益の追求だけでなく、法令遵守や社会貢献、環境保護などの責任を果たすべきという考え方です。
CSRの取り組みには、環境保護、地域社会支援、労働環境の改善などが含まれ、これらは企業の持続可能な成長と社会的な信頼を築くための重要な要素です。
社会的責任(CSR)に関する学習用問題
CSRの主な取り組み内容として適切なものはどれですか?
【解説】
正解: 2 環境保護活動の実施
この問題は、CSR(企業の社会的責任)の具体的な活動内容を理解しているか問う問題です。企業の「本業の利益活動」とは異なる、「社会貢献」に関連する活動がどれかを区別します。
正解である選択肢2は、CSR (Corporate Social Responsibility) の典型的な活動例です。CSRは、企業が利益追求だけでなく、社会の一員として果たすべき責任を指し、「環境保護活動」はその一つです。
選択肢1や3は、企業の通常の「経済活動」です。これらは社会貢献活動ではなく、本業の利益追求活動であるため、CSRの取り組み内容としては間違いと判断できます。
企業がCSRを行う主な理由はどれですか?
【解説】
正解: 3 社会からの信頼と評価の向上
この問題は、なぜ企業がコストをかけてまでCSR活動を行うのか、その「目的(理由)」を問う問題です。短期的な利益ではなく、長期的な「信頼」という無形の資産を得るためであることを理解します。
正解である選択肢3は、CSRの最も重要な目的を示しています。企業がCSR活動を行う主な理由は、社会的な責任を果たすことで、顧客、投資家、地域社会などからの「信頼」や「評価」を高めることです。これが長期的な企業価値(ブランド価値)につながります。
選択肢1や2はCSRの「直接の目的」ではありません。信頼が高まった結果として、間接的に利益や取引につながることはあっても、それを「主な理由」として活動するわけではないため、間違いと判断できます。
CSR活動の結果として企業が期待する効果はどれですか?
【解説】
正解: 2 社会的な信頼の獲得とブランド価値の向上
この問題は、前問(CSRの理由)と似ていますが、こちらはCSR活動がもたらす「具体的な成果(効果)」を問うています。目に見えない「信頼」が「ブランド価値」という資産になる点を理解します。
正解である選択肢2は、CSR活動がもたらす「期待される効果」を正しく示しています。CSR活動によって社会貢献が認知されると、企業のイメージが向上し、「社会的な信頼」が得られます。その結果、あの会社は信頼できるという「ブランド価値の向上」につながります。
選択肢1や3はCSR活動の主な効果ではありません。CSRは他社を排除する活動ではなく、また、CSRを理由に価格を引き上げることは消費者の理解を得られにくいため、期待される効果としては間違いと判断できます。
社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investment)
社会的責任投資(SRI)とは企業の財務的な利益だけでなく、環境保護、人権尊重、社会貢献といった社会的な要素を考慮して投資を行う手法です。
投資家は、社会的責任を果たしている企業への投資を優先し、長期的な視点で社会と企業の持続可能な成長を目指します。ESG(環境・社会・ガバナンス)基準もSRIに関連し、評価指標として広く用いられています。
社会的責任投資(SRI)に関する学習用問題
SRIにおいて重視される要素として適切なものはどれですか?
【解説】
正解: 2 財務的な利益と社会的責任
この問題は、SRI(社会的責任投資)の定義を問う問題です。投資家が「儲かるか」だけでなく、「社会的に良い企業か」という視点でも投資先を選ぶという流れを理解しているか確認します。
正解である選択肢 2は、SRI (Socially Responsible Investment) の定義を正しく説明しています。SRIは、従来の「財務的な利益」の分析に加え、環境保護や人権擁護といった「社会的責任(CSR)」を果たしているかも評価基準に加えて投資先を選ぶ手法です。
選択肢1や3は、SRIとは対極にある、従来の「財務的な利益」のみを考慮する投資スタイルです。SRIは「社会的責任」という非財務情報も重視するため、これらは間違いと判断できます。
SRIの評価基準に含まれないものはどれですか?
【解説】
正解: 3 製品の市場価格
この問題は、SRIの具体的な評価基準を問う問題です。近年よく聞かれる「ESG投資」の3要素(環境・社会・ガバナンス)がSRIの基準であることを理解しているかを確認します。
正解である選択肢3は、SRIの評価基準と直接関係ありません。「製品の市場価格」は、企業の業績を測る間接的な指標にはなりますが、SRIが評価する「社会的責任」の基準そのものではありません。
選択肢1「環境への配慮」は (E: Environment) 、選択肢2「企業のガバナンス状況」は (G: Governance) であり、SRIの主要な評価基準(ESG投資)に含まれます。
SRIが企業にもたらす主な効果はどれですか?
【解説】
正解: 1 社会からの評価と資金調達力の向上
この問題は、投資家(お金の出し手)がSRIを実践すると、投資される「企業側」にどのような影響(効果)があるかを問う問題です。良い行いが資金調達に繋がるという関係性を理解します。
正解である選択肢1は、SRIが企業側にもたらす最も大きな効果です。SRIを実践する投資家が増えると、社会的責任を果たしている企業(=SRIの投資対象となる企業)は「社会からの評価」が高まり、投資家からのお金(資金)が集まりやすくなります(=資金調達力の向上)。
選択肢2は、SRIの評価が低い企業に起こる可能性があり、ポジティブな効果ではありません。
選択肢3は、SRIとは直接関係のないマーケティング活動であるため、間違いと判断できます。
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