情報セキュリティを司る組織・機関の役割とは?
デジタル化が進む現代、企業や組織が扱う情報の安全性は経営の最重要課題の一つです。情報セキュリティの確保は、組織の信頼性や事業継続性に直結する経営戦略の要といえます。特に、不正アクセスやコンピュータウイルス、脆弱性を突いたサイバー攻撃などの脅威は日々巧妙化しており、これらに適切に対処することが求められます。
このような状況を踏まえ、組織はセキュリティガバナンスの強化や法令遵守に加え、外部の専門機関と連携した多層的な防御体制の構築が不可欠です。例えば、情報セキュリティ委員会を設置し、組織全体のセキュリティポリシーを策定・運用します。
また、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)やSOC(Security Operation Center)を活用し、インシデント対応やセキュリティ監視を実現します。
さらに、コンピュータ不正アクセス届出制度やコンピュータウイルス届出制度、脆弱性関連情報に関する届出制度など、公的機関への報告・情報共有で社会全体のセキュリティ向上に貢献します。
加えて、ISMAPやJ-CSIP、サイバーレスキュー隊(J-CRAT)、SECURITY ACTIONといった外部の組織・制度の積極活用で、より強固なセキュリティ対策を実施できるでしょう。
これらの取り組みは、将来のキャリアを考える上で、情報セキュリティの専門家としてはもちろん、セキュリティ意識の高い人材としての付加価値となり、組織においてセキュリティ戦略の一翼を担う存在として活躍の場を広げるきっかけとなるでしょう。
目を通しておきましょう!
学習ポイントをチェック
- なぜ情報セキュリティガバナンスの強化が求められるのか?
組織全体のセキュリティ意識向上と、リスクマネジメント体制の整備を図るため - CSIRTやSOCが果たす役割とは?
インシデント発生時の迅速な対応、セキュリティ監視、脅威情報の収集・分析を行い、組織の情報資産を守るため - 各種届出制度を活用するメリット
公的機関との情報共有により、社会全体のセキュリティレベル向上に寄与するとともに、自組織のセキュリティ対策強化に役立てるため - 外部の組織・制度を積極活用する意義
最新の脅威動向や対策事例を把握し、自組織のセキュリティ対策を客観的に評価・強化するため

情報セキュリティに関連する組織・機関の役割を理解することで、より堅牢なセキュリティ対策の構築と、自身が組織にどのように貢献できるかイメージしやすくなるでしょう。用語解説と練習問題を通じて、知識の定着を図ってみてください。
このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。
◆大分類:9.技術要素
◆中分類:23.セキュリティ
| ◆小分類 | ◆見出し | ◆学習すべき用語 |
|---|---|---|
| 62.情報セキュリティ管理 | (4) 情報セキュリティ組織・機関 | 情報セキュリティ委員会 CSIRT SOC(Security Operation Center) コンピュータ不正アクセス届出制度 コンピュータウイルス届出制度 ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度 ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度) J-CSIP(サイバー情報共有イニシアティブ) サイバーレスキュー隊(J-CRAT) SECURITY ACTION |
情報セキュリティ委員会とは?
情報セキュリティ委員会は企業や組織における情報セキュリティ対策を総合的に推進するための専門委員会です。委員会は情報セキュリティの方針策定や実施計画の立案、リスク評価と対応策の検討などを行います。
具体的には情報セキュリティに関する教育や訓練の実施、インシデント対応の指針策定、定期的なセキュリティ監査の実施などを担当します。この委員会の活動は、組織全体の情報資産を保護し、セキュリティの維持向上に寄与するものです。
情報セキュリティ委員会に関する学習用問題にトライ!
情報セキュリティ委員会の主な役割はどれですか?
情報セキュリティ委員会が実施する業務として適切でないものはどれですか?
情報セキュリティ委員会の活動として最も関連性が高いものはどれですか?
CSIRTとは?
CSIRT(Computer Security Incident Response Team)はコンピュータセキュリティインシデントに対応するための専門チームです。
組織内で発生するサイバー攻撃や情報漏洩などのインシデントに迅速かつ適切に対応することを目的とします。CSIRTはインシデントの検知、対応、復旧、原因分析、再発防止策の策定などの活動を行います。これにより、組織のセキュリティを強化し、被害を最小限に抑えることができます。
CSIRTに関する学習用問題にトライ!
CSIRTの主な目的はどれですか?
CSIRTが実施する業務として適切でないものはどれですか?
CSIRTの活動に含まれないものはどれですか?
SOC(Security Operation Center)とは?
SOC(Security Operation Center)は、組織のネットワークやシステムのセキュリティを監視し、サイバー攻撃や不正アクセスを検知・対応するための専門センターです。
SOCは24時間体制でセキュリティイベントを監視し、異常を早期に発見して迅速に対応することを目指します。また、セキュリティインシデントの分析や報告、対策の実施なども行います。SOCは組織のセキュリティ態勢を強化し、リスクを最小限に抑えるための重要な役割を果たします。
SOCに関する学習用問題にトライ!
SOCの主な役割はどれですか?
SOCが行う業務として適切でないものはどれですか?
SOCの活動に関連しないものはどれですか?
コンピュータ不正アクセス届出制度とは?
コンピュータ不正アクセス届出制度は不正アクセス行為を受けた際に、その被害を所轄の警察署に届け出ることを義務付ける制度です。
この制度は、不正アクセスの実態を把握し、適切な対応策を講じるために設けられています。届出により、警察は迅速な対応を行い、被害の拡大を防止することが可能となります。制度の導入によりセキュリティの向上と被害の抑制が期待されます。
コンピュータ不正アクセス届出制度に関する学習用問題にトライ!
コンピュータ不正アクセス届出制度の目的はどれですか?
コンピュータ不正アクセス届出制度で義務付けられていることはどれですか?
コンピュータ不正アクセス届出制度の導入により期待される効果はどれですか?
コンピュータウイルス届出制度とは?
コンピュータウイルス届出制度はコンピュータウイルスに感染した場合に、その事実を所轄の警察署に届け出ることを義務付ける制度です。
この制度はウイルス感染の実態を把握し、感染拡大を防ぐために設けられています。届出により警察や関係機関が迅速に対応し、被害の最小化を図ることが可能となります。制度の導入は情報セキュリティの向上とウイルス被害の抑制に寄与します。
コンピュータウイルス届出制度に関する学習用問題にトライ!
コンピュータウイルス届出制度の目的はどれですか?
コンピュータウイルス届出制度で義務付けられていることはどれですか?
コンピュータウイルス届出制度の導入により期待される効果はどれですか?
ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度とは?
ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度はソフトウェアやシステムの脆弱性を発見した際に、その情報を関係機関に届け出ることを義務付ける制度です。
この制度は脆弱性の早期発見と迅速な対応を促進し、セキュリティリスクを低減することを目的としています。届出により関係機関は適切な対応策を講じ、脆弱性を修正することで、被害を未然に防ぐことが可能となります。
ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度に関する学習用問題にトライ!
ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度の主な目的はどれですか?
ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度で義務付けられていることはどれですか?
ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出制度の導入により期待される効果はどれですか?
ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)とは?
ISMAP(Information System Security Management and Assessment Program)は日本政府が情報システムのセキュリティを評価し、信頼性を確保するための制度です。
この制度はクラウドサービス提供者が提供するシステムのセキュリティ対策を評価し、その結果を基に信頼性を確認することを目的としています。ISMAPの認定を受けたサービスは政府機関や自治体が安心して利用できるようになります。
ISMAPに関する学習用問題にトライ!
ISMAPの主な目的はどれですか?
ISMAPが対象とするものはどれですか?
ISMAPの認定を受けたサービスの特徴はどれですか?
J-CSIP(サイバー情報共有イニシアティブ)とは?
J-CSIP(Japan Cybersecurity Information sharing Partnership)はサイバー攻撃に対する情報共有を促進するためのイニシアティブです。
企業や組織間でサイバー脅威に関する情報を共有し、連携して対策を講じることを目的としています。J-CSIPはサイバー攻撃の早期発見や被害の最小化に寄与し、全体のセキュリティ態勢を強化します。
J-CSIPに関する学習用問題にトライ!
J-CSIPの主な目的はどれですか?
J-CSIPの活動として適切でないものはどれですか?
J-CSIPの効果として最も関連性が高いものはどれですか?
サイバーレスキュー隊(J-CRAT)とは?
サイバーレスキュー隊(J-CRAT)はサイバー攻撃を受けた企業や組織に対して迅速に支援を行う専門チームです。
J-CRATはサイバー攻撃の被害状況を調査し、被害拡大を防止するための対応策を講じます。また、復旧支援や再発防止策の提案も行います。J-CRATの活動はサイバー攻撃からの迅速な復旧とセキュリティ強化に寄与します。
サイバーレスキュー隊(J-CRAT)に関する学習用問題にトライ!
J-CRATの主な役割はどれですか?
J-CRATが実施する業務として適切でないものはどれですか?
J-CRATの活動に含まれるものはどれですか?
SECURITY ACTIONとは?
SECURITY ACTIONは中小企業が情報セキュリティ対策を推進するための自主的な取り組みを支援する制度です。
この制度は企業がセキュリティ対策の基本的なステップを踏むことで、セキュリティ意識を向上させることを目的としています。SECURITY ACTIONには、一つ星から三つ星までの認定レベルがあり、各企業の取り組み状況に応じて認定が行われます。
SECURITY ACTIONに関する学習用問題にトライ!
SECURITY ACTIONの主な目的はどれですか?
SECURITY ACTIONが対象とする企業はどれですか?
SECURITY ACTIONの認定レベルとして存在しないものはどれですか?
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ITパスポート 試験 シラバス6.3を全面網羅した分類一覧です。体系的に全体を俯瞰しながら学習することで頭の中に知識の地図を作っていきましょう。