業務のリアルを見極めるカギとは？
現場で起きている課題を可視化し、よりよい意思決定につなげるためには、まずアンケートやインタビュー（構造化・半構造化・非構造化）、そしてフィールドワークなどを通じて生の情報を把握することが重要です。単なる数字の集計にとどまらず、人の動きや意見を丁寧に拾うことで、潜在的な問題や改善のヒントが見えやすくなります。こうしたアプローチが、組織全体の業務を正しく理解し、スムーズな改革への土台を築くうえで欠かせないものとなっています。
これらの手法は、ビジュアル表現による業務フローの把握や、データ利活用においても大きな役割を果たします。たとえば、OR（Operations Research）やIE（Industrial Engineering）などの枠組みに当てはめながら調査内容を整理すれば、改善策を論理的に導き出しやすくなるでしょう。現場の声を定量・定性の両面から捉え、手順や作業時間などを客観的に洗い出すことで、確かな根拠に基づいたアクションを生み出せる点が魅力です。
今後、就職活動や転職などで即戦力を求められる場面が増えるなかで、業務分析やデータの活用力はより注目されていくでしょう。あらゆるキャリアに通じる基盤づくりとして、ぜひ押さえておきたい視点といえるでしょう。
学習ポイントをチェック
- 生の情報を収集する意義
アンケートやインタビュー、フィールドワークを通じて定量・定性の両面から状況を把握し、潜む課題を発見しやすくする - ビジュアル表現の活用理由
業務フローを図式化し、業務全体を俯瞰できるようにすることで、作業の重複や無駄を見つけやすくする - ORやIE手法との相乗効果
論理的なフレームワークを導入して調査結果を整理し、具体的な改善策やシミュレーションに役立てる
課題発見から改善策の検討までを一貫して進められるようになると、組織内での評価やキャリアの選択肢も広がりやすくなるはずです。用語解説を押さえたあとは、練習問題で理解を深めてみてください。
このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。
◆大分類：1.企業と法務
◆中分類：1.企業活動
| ◆小分類 | ◆見出し | ◆学習すべき用語 |
|---|---|---|
| 2.業務分析・データ利活用 | (1) 業務の把握 | アンケート インタビュー（構造化、半構造化、非構造化） フィールドワーク |
アンケート
アンケートは情報収集の手法の一つであり、特定の対象者に対して一連の質問を提示し、回答を収集する方法です。主に市場調査や顧客満足度の測定、意見の集約などに用いられます。
質問形式には選択式、自由記述式、評価スケールなどがあり、目的に応じて設計されます。アンケートの効果的な運用には、対象者の選定、質問の明確さ、結果の集計と分析が重要です。
アンケートに関する学習用問題
問題
アンケートの主な利点として適切なものはどれですか？
- 全ての対象者から直接インタビューが可能
- 大量のデータを効率的に収集できる
- 対象者の回答を自動的に修正できる
%%replace6%%
正解
2 大量のデータを効率的に収集できる
解説
アンケートは多くの対象者から短期間でデータを集めるのに適しています。選択肢1はインタビューの特長であり、選択肢3はアンケートの機能には含まれません。
問題
アンケート設計で避けるべき事項として適切なものはどれですか？
- 明確で簡潔な質問を使用する
- 回答者の匿名性を確保する
- 質問内容に偏りがある設問を含める
%%replace6%%
正解
3 質問内容に偏りがある設問を含める
解説
アンケートは公正なデータ収集のため、質問の偏りを避けるべきです。選択肢1と2は適切な設計のために推奨される事項です。
問題
アンケート結果を効果的に分析するために必要なことはどれですか？
- 回答内容をそのまま公開する
- 結果を数値化して統計的に処理する
- 全ての回答を同一の意見と見なす
%%replace6%%
正解
2 結果を数値化して統計的に処理する
解説
データの数値化と統計的処理はアンケート結果の分析において不可欠です。選択肢1は個人情報の保護違反となり、選択肢3は分析精度を著しく下げます。
インタビュー（構造化、半構造化、非構造化）
インタビューは情報収集のための対話形式の手法です。構造化インタビューは事前に質問を詳細に決めて行い、データの比較が容易です。
半構造化インタビューは基本的な質問項目は決めつつ、対話の流れで追加の質問を行います。非構造化インタビューは自由な形式で、深い洞察が得られやすいですが、分析に時間がかかります。
インタビューに関する学習用問題
問題
構造化インタビューの主な利点はどれですか？
- データの比較が容易で標準化された情報が得られる
- インタビュアーの主観が反映されやすい
- 対話の自由度が高く、深い洞察が得られる
%%replace6%%
正解
1 データの比較が容易で標準化された情報が得られる
解説
構造化インタビューは事前に決められた質問に基づくため、データ比較が容易です。選択肢2は誤りであり、選択肢3は非構造化インタビューの特徴です。
問題
半構造化インタビューの特長として最も適切なものはどれですか？
- 事前にすべての質問内容が決められている
- 必要に応じてインタビューの途中で質問を変更できる
- インタビュー対象者が自由に話すだけで良い
%%replace6%%
正解
2 必要に応じてインタビューの途中で質問を変更できる
解説
半構造化インタビューは質問内容を柔軟に変更できるため、深い情報が得られます。選択肢1は構造化インタビュー、選択肢3は非構造化インタビューの説明です。
問題
非構造化インタビューの主な欠点はどれですか？
- 質問が固定されすぎるため、自由な意見が得られない
- データの収集範囲が限定される
- 分析に時間がかかる場合がある
%%replace6%%
正解
3 分析に時間がかかる場合がある
解説
非構造化インタビューは自由な対話形式のため、得られる情報は豊富ですが、分析には時間と労力が必要です。選択肢1と2は誤った内容です。
フィールドワーク
フィールドワークは現場での観察やインタビューを通してデータを収集する調査手法です。社会調査や市場調査、文化研究などで活用され、対象者の行動や環境の詳細な理解が目的です。
計画段階から結果分析までを一貫して行うため、準備と実施のスキルが重要です。
フィールドワークに関する学習用問題
問題
フィールドワークの主な特長として最も適切なものはどれですか？
- 現場での観察やデータ収集を行う調査手法
- 室内での理論的なデータ分析が主な手法
- 全てのデータを自動生成する方法
%%replace6%%
正解
1 現場での観察やデータ収集を行う調査手法
解説
フィールドワークは現場での観察やインタビューを通じてデータを収集する点が特長です。
選択肢2と3はフィールドワークの説明には該当しません。
問題
フィールドワークの実施において注意すべき点はどれですか？
- 現地に行かずにインターネットで情報を収集する
- 調査結果を主観的に報告する
- 調査対象者への十分な説明と同意の取得
%%replace6%%
正解
3 調査対象者への十分な説明と同意の取得
解説
フィールドワークでは対象者のプライバシーや倫理的配慮が不可欠です。対象者に調査の目的を明確に説明し、同意を得る必要があります。
選択肢1はフィールドワークではなくオンラインリサーチ、選択肢2は客観性に欠けるため不適切です。
問題
フィールドワークの成果を活用する場面として最も適切なものはどれですか？
- 理論モデルのみに基づいて仮説を立てる場合
- 現地の状況を詳細に把握し、改善案を提案する場合
- 調査計画を全く立てずにデータを収集する場合
%%replace6%%
正解
2 現地の状況を詳細に把握し、改善案を提案する場合
解説
フィールドワークは現場の状況を直接観察することで、具体的な問題点や改善点を明らかにできます。
選択肢1はデスクリサーチに該当し、選択肢3は効果的な調査にはなりません。
