【ITパスポート練習問題 6.3対応】(3) コーポレートガバナンス

【解説】

正解: 2 企業の経営に対する監視と制御を行う

この問題は、「コーポレートガバナンス（企業統治）」という用語の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、コーポレートガバナンスの主な目的は、企業の経営陣が暴走したり、不正を行ったりしないよう、「監視と制御を行う」仕組みを構築することです。これにより、経営の透明性や公正性を高め、株主や顧客、従業員といった利害関係者（ステークホルダー）の利益を守ります。

選択肢1「株価の短期的な上昇」は、ガバナンスが目指す長期的な企業価値の向上とは異なる場合があります。 選択肢3「従業員のスキルアップ」は、人材育成（人事）の領域であり、経営全体を監視するガバナンスとは異なります。

【解説】

正解: 1 内部監査の強化と情報開示の徹底

この問題は、コーポレートガバナンス（企業統治）を「強化する」ための、具体的な施策として適切なものを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、経営陣の業務執行をチェックする「内部監査の強化」や、企業の経営状況を外部に透明性をもって示す「情報開示の徹底」は、経営の健全性と透明性を高めるため、ガバナンス強化の有効な手段です。

選択肢2「利益追求を優先する意思決定」は、短期的な利益のために不正やリスク軽視につながる可能性があり、ガバナンスの観点からはむしろ監視されるべき対象です。 選択肢3「取締役の任期を無期限とする」と、経営陣が固定化・長期化し、外部からのチェックが効きにくくなるため、ガバナンスを弱体化させる要因となります。

【解説】

正解: 3 販売促進キャンペーンの展開

この問題は、コーポレートガバナンス（企業統治）に関連する「仕組み」と、そうではない日常的な「業務活動」とを区別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3「販売促進キャンペーンの展開」は、製品やサービスを売るための具体的なマーケティング活動（営業活動）であり、経営全体を監視・統制するガバナンスの仕組みとは直接関係ありません。

選択肢1「監査役会の設置」は、取締役の職務執行を監査（チェック）するための機関であり、ガバナンスの中核的な仕組みです。 選択肢2「業績評価基準の透明化」は、経営陣や従業員の評価を公正に行うための仕組みであり、ガバナンスの一環と言えます。

【解説】

正解: 3 適切な通報先への不正行為の告発

この問題は、「公益通報者保護法」によって、通報者が解雇などの不利益な扱いから「保護される」ためには、どのような条件を満たす必要があるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、この法律で保護されるのは、勤務先（または取引先）における法令違反などの「不正行為」を、解雇などの不利益を防ぐ「公益」の目的で、社内の相談窓口や監督官庁といった「適切な通報先」へ告発（通報）した場合です。

選択肢1「自己の利益を守るための通報」（例：個人的な恨みや金銭目的）は、公益目的とは認められず、保護の対象外となる場合があります。 選択肢2「不正行為を知りながら黙認する行為」は、通報そのものを行っていないため、この法律の対象ではありません。

【解説】

正解: 1 通報者を解雇する

この問題は、「公益通報者保護法」が、企業（事業者）に対して禁止している行為、つまり「違反となる行為」は何かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、この法律は、労働者が公益のために正当な通報を行ったことを理由として、その通報者に対して「解雇」や降格、減給、嫌がらせといった不利益な取り扱いをすることを明確に禁止しています。

選択肢2「通報内容の事実確認を行う」や選択肢3「内部規則を見直す」ことは、通報を受けて企業がとるべき適切な対応（調査や再発防止）であり、違反行為ではありません。

【解説】

正解: 3 {TAB}不正行為の是正と通報者の保護

この問題は、「公益通報者保護法」という法律が、何のために作られたのか、その制定目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、この法律の目的は大きく2つあります。一つは、企業内部からの通報をきっかけとして、社会に害を及ぼす「不正行為を早期に是正」すること。もう一つは、勇気をもって通報した人が不利益を受けないよう「通報者を保護」することです。

選択肢1「労働者の賃金向上」は、労働基準法や最低賃金法の領域です。 選択肢2「企業の成長促進」は、この法律の直接的な目的ではありませんが、不正を早期に是正することは、結果的に企業の健全な成長につながります。

【解説】

正解: 2 財務報告の信頼性向上

この問題は、「内部統制報告制度（J-SOX法）」が導入された主な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、この制度の最大の目的は、企業が作成・公表する決算書などの「財務報告の信頼性を向上」させることです。企業自らが、財務報告が正しく作成されるための社内ルールやチェック体制（＝内部統制）を整備・評価し、その結果を報告書として公表することを義務付けています。

選択肢1「税金の支払い促進」は、税法の領域です。 選択肢3「新規事業の創出」は、経営戦略の領域であり、内部統制の目的とは異なります。

【解説】

正解: 3 取締役会や経営層

この問題は、「内部統制報告制度」において、自社の内部統制が有効に機能しているかを評価し、その結果について最終的な「責任」を負い、「報告」する義務があるのは誰かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、内部統制を整備・運用する責任は、現場の従業員ではなく、その企業の「取締役会や経営層」にあります。したがって、内部統制報告書において、自社の内部統制の有効性を評価し、署名して報告する責任も経営者が負います。

選択肢1「一般社員」は、内部統制のルールに従って業務を行う立場です。 選択肢2「外部監査人」は、経営者が作成した内部統制報告書や財務諸表が正しいかを「監査（チェック）」する立場であり、報告責任者ではありません。

【解説】

正解: 2 リスク管理と情報伝達

この問題は、「内部統制」がどのような要素から成り立っているか（内部統制の構成要素）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「リスク管理と情報伝達」は、内部統制の重要な構成要素です。内部統制の枠組みでは、「統制環境」「リスクの評価と対応」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング（監視活動）」「ITへの対応」の6つが基本的な構成要素とされています。

選択肢1「広告戦略」はマーケティング活動、選択肢3「製品のデザイン」は開発・設計活動であり、企業活動を全体的に支える内部統制の構成要素そのものではありません。

【解説】

正解: 1 国民の知る権利の保障

この問題は、「情報公開法」（行政機関の保有する情報の公開に関する法律）が、何のために制定された法律なのか、その根本的な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、この法律の主な目的は、行政機関（国や政府機関）が持っている行政文書を、国民からの請求に応じて公開することを原則とし、それによって「国民の知る権利を保障」することです。また、行政運営の透明性を高め、国民による監視を可能にすることも目的としています。

選択肢2「企業の営業秘密の保護」は、この法律の目的ではありません（むしろ、開示請求された情報に企業の営業秘密が含まれる場合は、非開示となることがあります）。 選択肢3「政府の情報管理の厳格化」は、目的ではなく、情報公開を適切に行うための「手段」や「結果」の一つと言えます。

【解説】

正解: 2 国家の安全保障に関する情報

この問題は、「情報公開法」において、原則として開示されるべき情報の中にも、「開示されない（非開示となる）情報」の例外があることを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、法律では、開示することで「国家の安全保障」に重大な支障を及ぼすおそれがある情報（例：防衛、外交に関する機密情報）は、非開示情報として定められています。

選択肢1「行政の意思決定過程に関する情報」や選択肢3「政策の成果に関する情報」は、行政の透明性を確保するため、原則として開示の対象となります（ただし、意思決定の途中段階の情報などは一部非開示となる場合があります）。

【解説】

正解: 3 すべての個人および法人

この問題は、「情報公開法」に基づいて、行政機関に情報の開示請求を「できる人」は誰か、その範囲を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、この法律では、情報公開を請求する権利は「何人も」有する、と定められています。これは、日本国民（個人）だけでなく、日本に住む外国人や、企業などの「法人」、さらには海外にいる個人や法人であっても、誰でも請求が可能であることを意味します。

選択肢1「国民だけ」や選択肢2「日本国内の企業のみ」というのは、誤った限定です。

【解説】

正解: 2 生活環境の保全と公衆衛生の向上

この問題は、「廃棄物処理法」（廃棄物の処理及び清掃に関する法律）が、何のために制定された法律なのか、その目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、この法律の主な目的は、廃棄物（ゴミ）の排出を抑制し、また、排出された廃棄物を適切に分別、保管、収集、運搬、処理（リサイクル、処分など）するルールを定めることで、私たちの「生活環境を清潔に保全」し、「公衆衛生（伝染病の発生防止など）を向上」させることです。

選択肢1「資源の価格調整」や選択肢3「国際貿易の促進」は、廃棄物処理法の目的とは全く異なります。

【解説】

正解: 3 自社廃棄物の適切な処理と管理

この問題は、「廃棄物処理法」において、廃棄物（特に事業活動によって生じる産業廃棄物）を出した「排出事業者」が負うべき責任は何かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、排出事業者には「排出事業者責任」が課せられています。これは、自社の事業活動から出た廃棄物について、法律で定められた基準に従い、自らの責任において「適切に処理・管理」しなければならない（または許可を持つ専門業者に適切に委託しなければならない）という責任です。

選択肢1「消費者の行動監視」や選択肢2「競合企業の廃棄物処理の監督」は、排出事業者の責任ではありません。

【解説】

正解: 1 法的な罰則が科される

この問題は、「廃棄物処理法」のルール（特に禁止事項）を破った場合に、どのような結果が待っているかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、廃棄物処理法で禁止されている「不法投棄」（廃棄物を決められた場所以外に捨てること）や「不法焼却」（基準を満たさない焼却）などを行った場合、法律に基づいて「法的な罰則」（懲役や高額な罰金）が科されます。

選択肢2「補助金が支給される」や選択肢3「行政機関からの感謝状が贈られる」は、罰則とは正反対であり、あり得ません。

【解説】

正解: 2 資源の有効利用と廃棄物の削減

この問題は、「リサイクル法」（複数の法律の総称、特に「資源有効利用促進法」など）が、どのような社会を目指して制定されているか、その主な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、リサイクル法の根本的な目的は、これまで「廃棄物」として捨てられていたものを「資源」として捉え直し、再利用（リユース）や再生利用（リサイクル）を促進することで、「資源の有効利用」を図るとともに、最終的に処分される「廃棄物の削減」を目指すことです。

選択肢1「廃棄物の輸出増加」は、リサイクル法の目的ではありません（むしろ国内での循環が基本です）。 選択肢3「消費者支援策の推進」は、別の政策の目的です。

【解説】

正解: 1 {TAB}廃棄物の適切な分別・回収と再資源化

この問題は、「リサイクル法」（家電リサイクル法や容器包装リサイクル法など）の仕組みにおいて、製品を製造・販売した「事業者」が果たすべき役割（義務）は何かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、多くのリサイクル法では、事業者に対して、自らが製造・販売した製品が使用済みとなった際に、それを「適切に分別・回収」し、「再資源化（リサイクル）」する（またはそのための費用を負担する）責任を課しています。

選択肢2「不要な製品の無料配布」は、リサイクルの義務とは関係ありません。 選択肢3「廃棄物の国外への無条件輸出」は、法律の趣旨に反する行為です。

【解説】

正解: 2 使用済み製品の適切なリサイクル回収への協力

この問題は、「リサイクル法」（特に家電リサイクル法など）の仕組みにおいて、製品を使用する「消費者」に求められる役割や行動は何かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、リサイクル法の仕組みを社会全体で回していくためには、消費者（排出者）の協力が不可欠です。使用済みの製品（例：テレビ、冷蔵庫）を廃棄する際には、法律で定められたルール（小売店への引き渡し、リサイクル料金の支払いなど）に従い、「適切なリサイクル回収に協力する」ことが求められます。

選択肢1「製品の修理を必須とする」義務はありません。 選択肢3「古い製品の廃棄を事業者に任せる」のではなく、消費者も費用負担などの「協力」をする必要があります。

【解説】

正解: 2 気候変動対策と経済成長の両立

この問題は、近年制定された「GX推進法」が、どのような社会課題の解決を目指しているか、その主な目的を理解しているかを確認するものです。「GX」とはグリーントランスフォーメーションの略です。

正解の選択肢2の通り、GX推進法は、脱炭素社会の実現（「気候変動対策」）を目指す一方で、それをコストとして捉えるだけでなく、新しい技術やエネルギーへの投資を促すことで、産業競争力を強化し、「経済成長」も同時に達成すること（両立）を目的としています。

選択肢1「資源の浪費促進」や選択肢3「化石燃料の輸入拡大」は、脱炭素という目的に真っ向から反するものであり、誤りです。

【解説】

正解: 1 二酸化炭素排出量の削減努力

この問題は、「GX推進法」の目的（脱炭素と経済成長の両立）を達成するために、企業などの「事業者」にどのような取り組みが求められているかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、GX（グリーントランスフォーメーション）を実現するための大前提として、事業者には、自らの事業活動における「二酸化炭素排出量の削減努力」が求められます。省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用、製造プロセスの見直しなどがこれにあたります。

選択肢2「廃棄物処理の簡素化」や選択肢3「化石燃料の使用拡大」は、環境負荷を増大させる可能性があり、GX推進法の目指す方向とは逆です。

【解説】

正解: 3 再生可能エネルギーの導入促進

この問題は、「GX推進法」が目指す脱炭素社会の実現に向けて、政府や企業が行うべき「具体的な取り組み」の例として適切なものを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3「再生可能エネルギーの導入促進」は、GX推進の柱となる取り組みです。化石燃料に代わり、太陽光、風力、地熱といった「再生可能エネルギー」の利用を増やすことは、二酸化炭素排出量の削減に直結します。

選択肢1「温室効果ガスの報告義務の廃止」は、排出量の把握を困難にし、対策に逆行する行為です。 選択肢2「無制限な森林伐採の許可」は、二酸化炭素の吸収源である森林を破壊する行為であり、気候変動対策に反します。