【ITパスポート練習問題 6.3対応】① データの種類及び前処理

【解説】

正解: 2 収集目的に応じて新たに取得される

この問題は、「調査データ」という用語の基本的な定義、特にその「一次性」を理解しているかを確認するものです。データには自ら集めるものと、他者が集めたものがあることを区別できているかが問われます。

正解の選択肢2は、調査データの定義そのものです。調査データとは、特定の調査目的（例: 新製品の市場調査、顧客満足度の把握）を達成するために、アンケートやインタビュー、観測などによって「新たに」収集されるデータを指します。一般的に「一次データ」とも呼ばれます。

選択肢1の「事前に加工されたデータ」は、他者が収集・加工したデータ（二次データ）を利用することを指すため、誤りです。選択肢3の「常に政府機関から提供される」も誤りです。政府が提供するデータ（二次データ）もありますが、調査データは企業や個人、研究機関なども自ら収集するため、政府機関に限定されません。

【解説】

正解: 3 アンケート調査から収集された回答結果

この問題は、「調査データ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、「アンケート調査」は、特定の目的のために回答者から直接情報を「新たに収集する」活動です。その結果として得られる回答データは、調査データの最も典型的な例です。

選択肢1の「既存の政府統計資料」は、他者（政府）が収集・公表したデータであり、調査データではなく「二次データ」に分類されます。選択肢2の「実験によって得られた測定結果」は、特定の条件下でデータを取得する「実験データ」と呼ばれ、一般的な調査データとは区別されます。

【解説】

正解: 2 特定の条件下で収集される

この問題は、「実験データ」の定義と、他のデータ（特に観察データ）との違いを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、実験データとは、分析者が意図的に「特定の条件」を設定し、その条件をコントロールした環境下で測定や観測を行って収集されるデータです。例えば、特定の温度や湿度、薬剤の投与量などを変えながら結果を記録する、といった形で得られます。

選択肢1の「自然環境下で偶然得られる」データは、条件を統制せずにありのままを記録する「観察データ」に該当します。選択肢3の「常に大量のデータが必要である」は誤りです。実験の目的や精度によっては、少量のデータで十分な場合もあります。

【解説】

正解: 2 新製品の性能テスト結果

この問題は、「実験データ」が実際にどのような場面で活用されるか、その具体例を識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、「新製品の性能テスト」は、製品に一定の負荷をかける、特定の温度環境で動作させるなど、意図的に設定された「特定の条件下」で性能を測定する活動です。これは「実験」に該当するため、そこで得られる結果は実験データです。

選択肢1の「自然観察レポート」は、条件を統制しない「観察データ」に基づいています。選択肢3の「政府統計報告書の分析」は、既に他者が収集した「二次データ」を利用する活動であり、実験データを収集する例ではありません。

【解説】

正解: 1 ウェブサイト訪問者の閲覧履歴の分析

この問題は、「人の行動ログデータ」という用語の具体的な活用例を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、「ウェブサイト訪問者の閲覧履歴」（どのページを、いつ、どの順番で見たか、など）は、人の行動を時系列でシステムが自動的に記録した「ログデータ」の典型例です。これを分析することで、ユーザーの興味や行動パターンを把握できます。

選択肢2の「実験室での化学反応の測定値記録」は、人ではなく「モノ（化学物質）」の状態を記録したデータであり、「実験データ」に分類されます。選択肢3の「統計データの公的機関からの収集」は、「二次データ」の入手に該当します。

【解説】

正解: 3 プライバシーの保護を徹底する

この問題は、「人の行動ログデータ」を扱う上で、技術的な側面だけでなく、社会的・倫理的に最も重要視すべき点を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、人の行動ログデータ（例: ウェブ閲覧履歴、位置情報、購買履歴など）は、個人の趣味嗜好、健康状態、行動パターンなどを詳細に特定できる、非常に機微な「個人情報」を含むことが多くあります。そのため、これらのデータを管理・活用する際は、不正な流出や目的外利用を防ぐため、「プライバシーの保護」を最優先で徹底することが法律上も倫理上も求められます。

選択肢1の「公開範囲を広げる」は、プライバシー保護とは逆行する行為です。選択肢2の「データ形式を統一する」は、データ管理の効率化のための技術的な工夫であり、プライバシー保護という最重要課題とは優先度が異なります。

【解説】

正解: 2 工場の生産ラインの動作監視

この問題は、「機械の稼働ログデータ」の具体的な活用例を識別できるかを確認するものです。「人の行動ログ」との違いを区別できるかが問われます。

正解の選択肢2の通り、「工場の生産ライン（機械）」が「いつ動作し、いつ停止したか」「どのような設定で稼働していたか」などを記録したデータは、まさしく「機械の稼働ログデータ」です。これを監視することで、異常の検知や故障の予兆把握（予兆保全）に役立てます。

選択肢1の「スマートフォンのユーザー位置情報」は、機械（スマートフォン）のログではありますが、その主な目的は「人」の行動を追跡することであるため、「人の行動ログデータ」に分類されます。選択肢3の「市場調査のためのアンケート収集」は、「調査データ」の収集活動です。

【解説】

正解: 1 機械の動作状況を自動的に記録できる

この問題は、「機械の稼働ログデータ」を活用する上での主な利点を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、機械の稼働ログデータは、機械に取り付けられたセンサーやシステム連携によって、人手を介さずに「自動的」かつ継続的に（24時間365日）記録できる点が大きな利点です。これにより、リアルタイムな監視や、人間では記録しきれない詳細なデータの収集が可能になります。

選択肢2の「調査対象者の行動を追跡できる」のは、「人の行動ログデータ」の特徴です。選択肢3の「データの収集が常に手作業で行われる」は誤りです。自動的に記録できることが利点であり、手作業での収集は一般的ではありません。

【解説】

正解: 2 配送ルートの最適化

この問題は、「GISデータ」がどのような業務で活用されるか、その具体的な例を理解しているかを確認するものです。GISは「地理情報システム」の略です。

正解の選択肢2の通り、「配送ルートの最適化」を行うには、出発地・目的地の「位置情報」や、道路の混雑状況、一方通行、道路の幅といった「地図（地理）情報」が不可欠です。このような地図と位置情報を関連付けて扱うデータが「GISデータ」です。

選択肢1の「製品の市場シェア分析」は、主に売上データ（量的データ）などを用いて行われます。選択肢3の「機械の稼働状況の記録」は、「機械の稼働ログデータ」の活用例です。

【解説】

正解: 1 地理的な位置情報の分析が可能

この問題は、「GISデータ」の基本的な機能、すなわちそれが持つ最大の利点を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、GISは「Geographic Information System（地理情報システム）」の略であり、その名の通り、データと「地理的な位置情報（地図）」を関連付けて管理・分析できることが最大の利点です。これにより、商圏分析（例: この地域にはどのような人が多いか）や、ハザードマップの作成などが可能になります。

選択肢2の「調査対象者の詳細な行動がわかる」のは、「人の行動ログデータ」の特徴です。選択肢3の「機械の動作記録を保存できる」のは、「機械の稼働ログデータ」の特徴です。

【解説】

正解: 2 従業員の年齢

この問題は、データの基本的な種類である「量的データ」の具体的な例を識別できるかを確認するものです。「質的データ」との違いを理解しているかが問われます。

正解の選択肢2の「従業員の年齢」（例: 25歳、40歳）は、「数値」で表されます。また、その数値は大小を比較でき、平均年齢を計算するなど「四則演算（足し算や割り算）」にも意味があるため、量的データに分類されます。

選択肢1の「顧客の評価コメント」（例: 「とても良い」）や、選択肢3の「製品のブランド名」（例: 「Xブランド」）は、数値ではなく、対象を分類するための「ラベル」や「カテゴリ」を表すため、「質的データ」に分類されます。

【解説】

正解: 3 数値で計測可能なデータ

この問題は、「量的データ」という用語の定義そのものを正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、量的データとは、その名の通り「量」を表すデータであり、重さ、長さ、金額、個数、年齢のように「数値」として計測・カウントできるデータを指します。これらのデータは、その数値の大小や差に意味があり、統計的な計算（平均、合計など）に用いることができます。

選択肢1の「カテゴリや属性を表すデータ」（例: 性別、血液型）は、「質的データ」の定義です。選択肢2の「質的分析（内容の解釈など）に適したデータ」も、「質的データ」（例: 自由回答コメント）を指します。

【解説】

正解: 2 従業員の名前

この問題は、「質的データ」の具体的な例を識別できるかを確認するものです。「量的データ」との違いを理解しているかが問われます。

正解の選択肢2の「従業員の名前」（例: 「田中」「鈴木」）は、対象を識別したり、分類したりするための「ラベル（名前）」です。これは数値ではなく、足したり割ったりする計算に意味がないため、「質的データ」に分類されます。

選択肢1の「製品の重量」（例: 500g）や、選択肢3の「売上の増加率」（例: 10%）は、数値で計測・計算可能なデータであるため、「量的データ」に分類されます。

【解説】

正解: 3 カテゴリや属性の分類に適する

この問題は、「質的データ」の主な特徴や用途を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、質的データは、性別（男/女）、満足度（高/中/低）、製品カテゴリ（A/B/C）のように、対象がどのような「属性」を持っているか、どの「カテゴリ」に属するかを「分類（グルーピング）」するために用いられます。

選択肢1の「数値による計算が可能である」は、「量的データ」の主な特徴です。選択肢2の「必ず測定機器が必要である」は誤りです。質的データ（例: アンケートの回答）の収集に、必ずしも測定機器が必要とは限りません。

【解説】

正解: 2 必要な情報を直接得られる

この問題は、「1次データ」の定義と、それを利用する主な利点（メリット）を、「2次データ」と比較して理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、「1次データ」とは、自分（自社）の調査目的に合わせて「自ら収集する」データのことです。そのため、調査項目や収集方法を自由に設計でき、分析に「必要な情報」を、欲しい形式で「直接」手に入れられることが最大の利点です。

選択肢1の「収集コストが低い」は誤りです。アンケート調査や実験など、1次データを自ら収集するには、多くの時間や費用（コスト）がかかるのが一般的です。選択肢3の「常に公式機関から提供される」も誤りです。公式機関が提供するのは、他者が収集した「2次データ」の一種です。

【解説】

正解: 1 独自に実施したアンケートの結果

この問題は、「1次データ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。「2次データ」との違いを区別できるかが問われます。

正解の選択肢1の通り、「独自に実施したアンケートの結果」は、「独自に（＝自ら）」が目的を持って「（一次的に）収集した」データです。これは1次データの典型的な例です。

選択肢2の「市販の統計データ」や、選択肢3の「図書館で見つけた研究論文」は、どちらも「他者」が収集・作成したデータを二次的に利用するものであるため、「2次データ」に分類されます。

【解説】

正解: 3 政府が公表する統計資料

この問題は、「2次データ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。「1次データ」との違いを区別できるかが問われます。

正解の選択肢3の通り、「政府が公表する統計資料」（例: 国勢調査、経済センサス）は、「他者（政府）」が収集・作成し、一般に公開しているデータです。これを自分の分析のために「二次的に」利用するため、2次データの典型的な例です。

選択肢1の「自社製品の販売実績データ」や、選択肢2の「顧客との面談結果のメモ」は、どちらも自社の活動や調査によって「自ら（一次的に）」収集・記録したデータであるため、「1次データ」に分類されます。

【解説】

正解: 2 収集にかかる手間が少ない

この問題は、「2次データ」を利用する主な利点（メリット）を、「1次データ」と比較して理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、「2次データ」は、他者が既に収集・公開している既存のデータを利用します。そのため、自ら調査を計画・実施・集計する必要がなく、「収集にかかる手間」や時間、費用（コスト）を大幅に削減できることが最大の利点です。

選択肢1の「常に最新の情報が得られる」は誤りです。データが公開されるまでに時間がかかることも多く、必ずしも最新とは限りません。選択肢3の「個別のニーズに完全に応えられる」も誤りです。他者の目的で収集されたデータであるため、自分の調査目的にぴったり合致する情報が含まれていない場合もあります。

【解説】

正解: 2 データの属性や構造を記述する

この問題は、「メタデータ」という用語の基本的な役割と定義を理解しているかを確認するものです。「データのためのデータ」とも呼ばれる理由が問われます。

正解の選択肢2の通り、メタデータとは、データそのもの（本体）ではなく、そのデータが「どのようなデータなのか」を説明するための付帯情報です。例えば、ファイルが「いつ作成されたか」「作成者は誰か」「データの形式（構造）は何か」といった「属性」や「構造」を「記述」した情報を指します。

選択肢1の「データそのものの内容を直接表す」（例: 写真の画像データ本体）は、メタデータではなくデータ本体です。選択肢3の「データの処理結果を保存する」（例: 集計結果）は、データ処理によって新しく生成されたデータであり、メタデータではありません。

【解説】

正解: 1 写真の撮影日時

この問題は、「メタデータ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。データ本体とメタデータ（付帯情報）の違いを区別できるかが問われます。

正解の選択肢1の「写真の撮影日時」は、写真の画像（データ本体）そのものの「内容」ではなく、その写真データに付帯する「属性情報」です。デジタルカメラで撮影すると、撮影日時、使用したカメラの機種、絞り値などの情報が自動的にメタデータとして記録されます。

選択肢2の「写真に写っている風景の説明」は、データの内容を人間が解釈した情報です。選択肢3の「写真の画質の劣化具合」は、データの状態を示しており、一般的な属性情報であるメタデータとは異なります。

【解説】

正解: 2 表形式など決まった構造に従う

この問題は、「構造化データ」の基本的な特徴と定義を理解しているかを確認するものです。対極にある「非構造化データ」との違いが問われます。

正解の選択肢2の通り、構造化データとは、Excelのシートやリレーショナルデータベースのテーブルのように、行（レコード）と列（フィールド）によって定義された「決まった構造（スキーマ）」に従って、整然と保存されているデータのことです。このため、集計や検索が容易であるという特徴があります。

選択肢1の「自由な形式で保存される」データは、「非構造化データ」（例: Eメール本文、SNSの投稿）の特徴です。選択肢3の「様々な形式のメディアデータ（画像、音声など）」は、それ自体が決まった構造を持たないため、「非構造化データ」に分類されるのが一般的です。

【解説】

正解: 3 製品在庫を管理するデータベースの表

この問題は、「構造化データ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、「データベースの表」は、「製品コード」「製品名」「在庫数」といった決まった「列（フィールド）」の「構造」を持ち、その構造に従ってデータが格納されます。これは構造化データの最も典型的な例です。

選択肢1の「顧客のインタビュー音声記録」（音声データ）や、選択肢2の「SNS投稿のテキスト内容」（自由記述テキスト）は、決まった構造を持たないため、「非構造化データ」に分類されます。

【解説】

正解: 2 SNS投稿のテキスト内容

この問題は、「非構造化データ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。「構造化データ」との違いを区別できるかが問われます。

正解の選択肢2の通り、「SNS投稿のテキスト内容」は、投稿者によって文章の長さ、形式、使われる言葉が全く異なり、データベースの表のように決まった「構造」を持っていません。このような自由記述のテキストは、非構造化データの典型的な例です。

選択肢1の「商品在庫管理データベース」や、選択肢3の「売上記録の月次報告表」は、どちらも行と列で定義された、決まった形式（構造）に従う「構造化データ」に該当します。

【解説】

正解: 2 テキストマイニングや画像認識技術

この問題は、「非構造化データ」（テキスト、画像、音声など）を分析・活用するために、どのような技術が必要とされるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、非構造化データは、そのままでは集計や分析が困難です。そのため、テキスト（文章）データから有用な情報（キーワードや感情など）を抽出する「テキストマイニング」や、画像データから物体や人物を特定する「画像認識技術」など、データの中身を解析するための専門的な技術が必要となります。

選択肢1の「関係データベース管理システム（RDBMS）」や、選択肢3の「表計算ソフト」は、主に行と列で管理される「構造化データ」を扱うための技術やツールです。

【解説】

正解: 3 時間の順序に従って記録されるデータ

この問題は、「時系列データ」の基本的な特徴と定義を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、時系列データとは、日々の株価、毎月の売上高、1時間ごとの気温など、特定の現象を「時間の経過」に沿って、一定の間隔で観測・記録したデータのことです。分析において「時間の順序」が非常に重要な意味を持つことが最大の特徴です。

選択肢1の「特定の時間に依存しないデータ」は、時系列データとは逆の性質を持つデータ（クロスセクションデータなど）の説明です。選択肢2の「地理的な位置情報を含むデータ」は、「GISデータ（地理情報データ）」の特徴です。

【解説】

正解: 2 毎日の気温記録

この問題は、「時系列データ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢2の「毎日の気温記録」は、「毎日」という「時間の経過（順序）」に従って、「気温」という指標を記録したデータです。これは時系列データの典型的な例です。

選択肢1の「製品の型番リスト」や、選択肢3の「顧客の氏名一覧」は、特定の時点での一覧（リスト）であり、時間の経過や順序に意味がないため、時系列データではありません。

【解説】

正解: 3 特定の時点での多くの対象を比較する

この問題は、「クロスセクションデータ（横断面データ）」の基本的な特徴と定義を理解しているかを確認するものです。「時系列データ」との違いが問われます。

正解の選択肢3の通り、クロスセクションデータとは、「ある特定の一時点」において、複数の異なる対象（例: 複数の人、複数の企業、複数の店舗）に関するデータを集めたものです。時間を固定し、対象を「横断的」にスライスして比較するイメージから、このように呼ばれます。

選択肢1の「時間の推移に沿ってデータが記録される」や、選択肢2の「連続するデータが収集される」は、どちらも「時系列データ」の特徴を説明しています。

【解説】

正解: 2 ある日付の各店舗の売上額一覧

この問題は、「クロスセクションデータ」の具体的な例を正しく識別できるかを確認するものです。「時系列データ」との違いを区別できるかが問われます。

正解の選択肢2の「ある日付の各店舗の売上額一覧」は、「ある日付」という「特定の一時点」において、「各店舗」という「複数の対象」の「売上額」を比較するデータです。これはクロスセクションデータの典型的な例です。

選択肢1の「毎月の売上推移」や、選択肢3の「温度センサーの連続測定データ」は、どちらも「時間」の経過に沿って記録されたデータであり、「時系列データ」に該当します。

【解説】

正解: 3 データの一部を抜き出して効率的に分析する

この問題は、「サンプリング（標本抽出）」というデータ収集の手法が、どのような目的で行われるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、サンプリングとは、調査したい対象の「全体（母集団）」すべてを調査する（全数調査）のが時間的・コスト的に困難な場合に、その中から「一部（標本）」を適切に「抜き出し」て調査する手法です。これにより、分析にかかる手間やコストを「効率化」しつつ、全体の傾向を推測することを目的とします。

選択肢1の「全データの内容をそのまま記録する」は「全数調査」の説明であり、サンプリングではありません。選択肢2の「データのすべてを収集する必要を無くす」は不正確な表現で、一部を収集するのがサンプリングです。

【解説】

正解: 1 データの一部を無作為に抽出する

この問題は、偏りのない「サンプリング」を行うための、最も基本的かつ重要な手法（原則）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、サンプリングによって抜き出した一部のデータ（標本）から、全体の傾向を正しく推測するためには、その「一部」が全体の縮図となっている、つまり「偏り」がないことが非常に重要です。その偏りをなくすための最も基本的な手法が、対象が選ばれる確率が均等になるように「無作為（ランダム）」に抽出する「無作為抽出（ランダムサンプリング）」です。

選択肢2の「偶然に選ばれたデータを除外する」は、無作為性を損ない、偏りを生じさせる可能性があるため不適切です。選択肢3の「データをすべて手作業で収集する」のは「全数調査」であり、サンプリング（一部の抽出）ではありません。

【解説】

正解: 2 重複データを統合し、データの整合性を高める

この問題は、「データの名寄せ」というデータクレンジング（前処理）作業の目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、「名寄せ」とは、複数のデータベースやファイルに散在しているデータの中で、実質的に「同一の対象（例: 同じ顧客、同じ製品）」を特定し、表記の揺れ（例: 「日本(株)」と「日本株式会社」）を統一したり、「重複」しているデータを一つに「統合」したりする作業です。これにより、データの「整合性」を保ち、正確な分析ができるようにすることが目的です。

選択肢1の「データの一部をランダムに削除する」のは名寄せではありません。選択肢3の「データのすべてを暗号化する」は、データ分析ではなくセキュリティ対策の手法です。

【解説】

正解: 1 顧客の情報が異なるデータベース間で重複している場合

この問題は、「データの名寄せ」という作業が、具体的にどのような場面で必要とされるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、例えば「営業部門の顧客データベース」と「サポート部門の顧客データベース」など、異なるデータベースで別々に顧客情報を管理していると、同じ顧客が異なるIDや表記で「重複」して登録されていることがよくあります。このような場合に、同一顧客を特定して情報を一つに統合するために「名寄せ」が必要となります。

選択肢2の「機械の動作ログを記録する際」や、選択肢3の「天候データの予測を行う場合」は、データの重複統合を主な目的とする名寄せが直接必要となる典型的な場面ではありません。

【解説】

正解: 3 明らかに不自然な値を除去する

この問題は、データ分析の前処理（データクレンジング）における、「外れ値処理」の基本的な考え方と適切な方法を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、「外れ値」とは、他の多くの値から極端に離れた値のことです。この外れ値が、入力ミス（例: 年齢に500と入力）や測定機器の異常など、「明らかに不自然な値」であると判断された場合、平均値などに大きな影響を与え分析結果を歪めてしまうため、その値を「除去」したり、適切な値に修正したりする処理が行われます。

選択肢1の「外れ値をそのまま残す」と、分析結果が歪む可能性があります。選択肢2の「すべてのデータをランダムに変更する」は、データ分析として無意味な行為です。

【解説】

正解: 2 欠損値の行全体を削除する

この問題は、データ分析の前処理における、「欠損値処理」の具体的な手法の一例を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、「欠損値」とは、データが入力されていない（空白になっている）箇所のことを指します。データ分析において、この欠損値が含まれるデータ（行）をどのように扱うかは重要です。分析手法によっては欠損値があると計算できないため、その「行全体を削除する」という対応は、欠損値処理の一般的な手法の一つです。他にも、平均値などで補う方法もあります。

選択肢1の「欠損値をすべて0にする」のは、本来0ではない値も0として扱われるため、分析結果を歪める可能性が高い不適切な処理です。選択肢3の「欠損値の存在を無視する」と、分析時にエラーが発生したり、意図しない分析結果になったりする可能性があります。

【解説】

正解: 1 データに意味付けやラベルを追加する

この問題は、主にAI（人工知能）の分野で使われる「アノテーション」という作業の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、アノテーションとは、データ（特に画像、音声、テキストなどの非構造化データ）に対して、それが「何であるか」を示す「意味付け」や「ラベル（教師ラベル）」を「追加（付与）」する作業のことです。例えば、道路の写真データに「信号機」「歩行者」「車」といったラベルを付けることで、AIがそれらを認識できるように学習するためのお手本（教師データ）を作成します。

選択肢2の「データの保存形式を変更する」はデータ変換、選択肢3の「データのセキュリティを強化する」はセキュリティ対策であり、アノテーションの目的ではありません。

【解説】

正解: 2 AIモデルに画像認識のデータを提供する場合

この問題は、「アノテーション」という作業が、具体的にどのような場面で必要とされるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、AIモデル（特に教師あり学習）に「画像認識」を学習させるためには、AIのお手本となる「教師データ」が必要です。その教師データを作成するために、大量の画像データ一枚一枚に対して「これは犬である」「これは猫である」「これは車である」といった正しい答え（ラベル）を人間が付与していく作業、すなわち「アノテーション」が不可欠となります。

選択肢1の「ネットワークの接続速度を計測する場合」や、選択肢3の「統計データの平均値を求める場合」は、データにラベル付けを行うアノテーション作業を必要としません。

【解説】

正解: 3 一定の周期で発生する変動を取り除く

この問題は、時系列データ分析の前処理として行われる「季節調整」の主な目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、売上データや気温データなどには、夏に増える（冬に減る）といった、1年を「周期」とする「季節要因」による変動が含まれています。この「季節によって発生する一定の周期的な変動」を統計的な手法で「取り除く」処理が「季節調整」です。これにより、季節要因に隠された、データが持つ本来の長期的な傾向（トレンド）や、一時的な変動（不規則要因）をより正確に把握することができます。

選択肢1の「データのすべてを削除する」のは誤りです。選択肢2の「短期的な変動要因を強調する」のも誤りで、むしろ短期的な変動（季節要因）を取り除くのが目的です。

【解説】

正解: 2 データの変動を滑らかにし、トレンドを捉えやすくする

この問題は、時系列データ分析でよく使われる「移動平均」という手法の主な利点（目的）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、移動平均とは、時系列データの一定期間（例: 5日間）の平均値を計算し、その期間を1日ずつずらしながら平均値を計算していく手法です。日々の細かくランダムな「変動」は、平均化されることで相殺され、グラフが「滑らか（平滑化）」になります。これにより、短期的なノイズに惑わされず、データが持つ中長期的な「トレンド（傾向）」を視覚的に捉えやすくする利点があります。

選択肢1の「データの詳細な変動を見つけやすくする」は誤りです。変動を滑らかにするため、むしろ短期的な詳細な変動は見えにくくなります。選択肢3の「データの標準偏差を計算する」のは、ばらつきを調べる別の統計手法です。