【ITパスポート練習問題 6.3対応】③ データサイエンス，ビッグデータ分析

【解説】

正解: 2 ビジネス情報の分析と意思決定支援

この問題は、BI（ビジネスインテリジェンス）ツールという用語の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。BIが「何のために」使われるシステムなのかが問われています。

正解の選択肢2は、BIツールの核心的な役割を示しています。BIツールは、企業内に蓄積された売上データや顧客データなどを集めて分析し、グラフやダッシュボードといった形で視覚化します。その目的は、経営者や担当者がデータに基づいた適切な「意思決定」を行えるように「支援」することです。

選択肢1の「データの暗号化と保護」は、セキュリティ対策の役割です。BIツールが扱うデータを守ることは重要ですが、BIツール自体の主な目的は分析です。選択肢3の「コンピュータプログラムの開発と管理」は、システム開発者や運用管理者の仕事であり、BIツールの目的ではありません。

【解説】

正解: 1 OLAP

この問題は、BI（ビジネスインテリジェンス）システムがデータを分析する際に利用する、代表的な技術用語を知っているかを確認するものです。

正解の選択肢1のOLAP（Online Analytical Processing：オンライン分析処理）は、BIの中核となる技術の一つです。蓄積された膨大なデータを、「製品別」「地域別」「時間別」といった様々な角度（多次元）から素早く集計・分析し、利用者が対話的にデータを深掘り（ドリルダウン）したり、集約（ロールアップ）したりすることを可能にします。

選択肢2のCPUアーキテクチャは、コンピュータの頭脳であるCPU（中央処理装置）の設計に関するハードウェア用語です。選択肢3のWebブラウザは、インターネットのWebページを閲覧するためのソフトウェアです。これらはBIによるデータ分析の「手法」そのものではないため、不正解です。

【解説】

正解: 3 社内の電子メール送信管理

この問題は、BI（ビジネスインテリジェンス）がどのような業務目的で「活用」されるかを理解しているかを確認するものです。BIの目的である「データ分析を通じた意思決定支援」に当てはまらない選択肢を選ぶ問題です。

正解の選択肢3の「社内の電子メール送信管理」は、メールサーバの運用や送受信の監視といった、日常的なITシステムの運用・保守業務です。これは、データ分析によって経営判断や業務改善を行うBIの活用例としては適切ではありません。

選択肢1の「販売データの分析による在庫最適化」や、選択肢2の「顧客情報をもとにしたターゲット広告」は、どちらも過去のデータを分析して将来の行動（在庫発注や広告配信）を最適化する、BIの典型的な活用例です。

【解説】

正解: 2 データの保存と分析用のデータ提供

この問題は、データウェアハウス（DWH）というシステムの基本的な役割と目的を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2は、データウェアハウスの主な役割を正しく説明しています。データウェアハウスは、様々な業務システム（販売管理、顧客管理など）からデータを集め、分析しやすいように整理・統合して「保存」しておくための「データの倉庫」です。BIツールなどは、この倉庫に蓄積されたデータを参照することで、分析を行います。

選択肢1の「運用データのバックアップと復元」は、システム障害に備えるための運用管理の役割であり、分析を目的とするデータウェアハウスの主な役割ではありません。選択肢3の「ウイルス対策ソフトの管理」は、セキュリティ対策の一つであり、無関係です。

【解説】

正解: 2 履歴データなどの分析対象のデータ

この問題は、データウェアハウス（DWH）がどのような性質のデータを扱うのに適しているかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、データウェアハウスは「分析」を目的としています。分析のためには、過去から現在までの長期間の「履歴データ」を蓄積することが不可欠です。例えば、過去5年間の売上推移を分析するために、履歴データを保存します。

選択肢1の「リアルタイム処理が必要なデータ」は、主に業務システム（OLTP）が扱うデータです。データウェアハウスは、バッチ処理（例: 夜間に一日分のデータをまとめて転送）でデータを蓄積するのが一般的で、リアルタイム処理には向きません。選択肢3の「データ量の少ないテキストデータ」の管理に、大規模なデータウェアハウスは不要です。

【解説】

正解: 2 運用系システムとしてリアルタイムにデータを処理する

この問題は、データウェアハウス（DWH）の主な特徴を理解しているかを確認するものです。DWHの性質として「適切でない（間違っている）」ものを選択します。

正解の選択肢2は、データウェアハウスの性質とは正反対です。DWHは、分析を目的とする「情報系システム」です。一方、「運用系システム」は、日々の業務（例: 受注処理、在庫管理）を「リアルタイム」で処理するシステムです。DWHは運用系システムからデータを受け取りますが、それ自体がリアルタイムな業務処理を行うわけではありません。

選択肢1の「データの一貫性が高い」ことや、選択肢3の「大量データの蓄積に適している」ことは、まさにデータウェアハウスの重要な特長です。

【解説】

正解: 2 データから有益な情報の抽出

この問題は、「データマイニング」という技術の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。「マイニング（Mining）」が「採掘」を意味することから、その役割を問うています。

正解の選択肢2の通り、データマイニングは、大量のデータ（ビッグデータ）の中から、統計学やAI（機械学習）の手法を用いて、これまで知られていなかった「有益な情報」や、隠れたパターン、法則性を「抽出（採掘）」する技術やプロセスを指します。

選択肢1の「大量データの保存と管理」は、主にデータウェアハウスやデータベースの役割です。選択肢3の「ネットワークの安全管理」は、セキュリティ対策の分野であり、データ分析とは異なります。

【解説】

正解: 2 セキュリティソフトのインストール管理

この問題は、データマイニングが「データ分析」の手法であることを理解し、その具体的な活用例に当てはまらない（不適切な）業務を識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢2の「セキュリティソフトのインストール管理」は、社内のPCが正しくソフトウェアを導入しているかを確認・実行するIT資産管理や運用の業務です。これは、データから新たな知見を発見するデータマイニングとは異なります。

選択肢1の「販売予測のための顧客データ分析」や、選択肢3の「不正取引の検出」（通常とは異なるパターンを見つける）は、どちらもデータに隠されたパターンや傾向を見つけ出す、データマイニングの典型的な活用例です。

【解説】

正解: 1 機械学習

この問題は、データマイニングを実行するために、具体的にどのような技術分野の手法が用いられるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の「機械学習」は、データマイニングにおける中核的な手法です。機械学習は、データからパターンやルールをコンピュータ自身に学習させる技術の総称です。データマイニングは、この機械学習や統計学の手法を活用して、有益な情報を抽出します。

選択肢2の「データバックアップ」はデータの保存・復旧に関する運用作業です。選択肢3の「ハードウェアのアップグレード」は、コンピュータの物理的な性能向上作業です。これらはデータ分析の手法ではないため、不正解です。

【解説】

正解: 1 データの多様性

この問題は、「ビッグデータ」という用語が持つ代表的な特性を理解しているかを確認するものです。ビッグデータは、しばしば3つのV（またはそれ以上）という特徴で説明されます。

正解の選択肢1の「データの多様性（Variety）」は、その3つのVの重要な一つです。これは、ビッグデータが、従来のデータベースのような構造化データだけでなく、テキスト、画像、音声、SNSの投稿、センサーログなど、形式や種類が異なる「多様な」データを含むことを意味します。ちなみに、他のVには「量（Volume）」や「速度（Velocity）」があります。

選択肢2の「データの小規模化」は、量（Volume）の特徴と矛盾します。選択肢3の「データの静的保存」は、次々と生成・更新され続ける速度（Velocity）の特徴と矛盾します。

【解説】

正解: 3 OSのアップデート管理

この問題は、ビッグデータがどのような目的で「活用」されるかを理解し、その活用例として「適切でない」業務を識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3の「OSのアップデート管理」は、コンピュータの基本ソフトウェア（OS）を最新の状態に保つためのIT運用・保守作業です。これは、大量の多様なデータを分析して知見を得るというビッグデータの活用目的には当てはまりません。

選択肢1の「マーケティング分析」（例: SNSの投稿や閲覧履歴の分析）や、選択肢2の「在庫管理の最適化」（例: 天候データや人流データと販売実績を組み合わせた分析）は、ビッグデータを活用する典型的な例です。

【解説】

正解: 1 分散処理技術

この問題は、ビッグデータが持つ「膨大な量（Volume）」という特性に対処するために、どのような技術が重要になるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の「分散処理技術」は、ビッグデータを扱う上で不可欠な技術です。データがあまりにも巨大であるため、1台のコンピュータでは処理しきれません。そのため、データを複数のコンピュータに「分散」させ、処理も並行して「分散」させて行うことで、現実的な時間内に処理を完了させます（例: Hadoopなど）。

選択肢2の「手動データ入力」は、ビッグデータとは対極にある小規模なデータ扱いです。選択肢3の「ファイル暗号化」は、セキュリティ対策の技術であり、大量データを処理する技術ではありません。

【解説】

正解: 2 テキストデータから有用な情報の抽出

この問題は、「テキストマイニング」という技術の基本的な目的を理解しているかを確認するものです。データマイニングとの違いは、対象が「テキスト」に限定されている点です。

正解の選択肢2の通り、テキストマイニングは、アンケートの自由回答、SNSの投稿、コールセンターの応対履歴といった、大量の「テキストデータ」を分析対象とします。これらの非構造化データから、有益なキーワード、傾向、感情といった「有用な情報」を「抽出」することが目的です。

選択肢1の「テキストデータのバックアップ管理」はIT運用、選択肢3の「コンピュータウイルスの除去」はセキュリティ対策であり、テキスト分析とは異なります。

【解説】

正解: 1 感情分析

この問題は、テキストマイニングで用いられる具体的な分析手法の例を知っているかを確認するものです。

正解の選択肢1の「感情分析（センチメント分析）」は、テキストマイニングの代表的な手法の一つです。これは、書き込まれたテキスト（例: 商品レビュー）が、肯定的（ポジティブ）な内容か、否定的（ネガティブ）な内容か、あるいは中立かを自動的に判定する技術です。

選択肢2の「プログラム開発」や選択肢3の「ハードウェアメンテナンス」は、ITシステムの開発や保守の作業であり、テキストデータを分析する手法ではありません。

【解説】

正解: 3 電力設備のメンテナンススケジュール管理

この問題は、「テキストマイニング」の活用例として、適切ではない（主な分析対象がテキストではない）業務を識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3の「電力設備のメンテナンススケジュール管理」は、主にセンサーデータ、稼働時間、過去の故障履歴といった「構造化データ」や「時系列データ」に基づいて行われるのが一般的です。テキストデータを主たる分析対象とするテキストマイニングの適用例としては不適切です。

選択肢1の「顧客レビューの分析」は、顧客が書いた「テキスト」を分析対象とするため、テキストマイニングの典型的な例です。選択肢2の「製品の販売予測分析」は、主に数値データを使いますが、SNSの評判（テキスト）などを分析に加えることもあり、テキストマイニングが活用される場合があります。

【解説】

正解: 3 ハードウェアの修理

この問題は、データサイエンスがどのような「プロセス（サイクル）」で進められるかを理解しているかを確認するものです。その分析プロセスに含まれない、無関係な作業を選ぶ問題です。

正解の選択肢3の「ハードウェアの修理」は、コンピュータなどの物理的な機器が故障した際に行う保守作業です。これはデータ分析のプロセスとは全く関係がありません。

選択肢1の「データの分析」や選択肢2の「データの可視化（グラフ化）」は、データサイエンスのサイクルにおける中核となる非常に重要なプロセスです。

【解説】

正解: 2 モデル評価

この問題は、データサイエンスの分析サイクルの中で、「モデル評価」がどの段階で行われるか、またその役割を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の「モデル評価」は、分析プロセス（サイクル）の重要な段階です。データ分析によって作成した予測モデル（例: 売上予測モデル）が、どの程度正確なのか（精度）、そしてビジネスの課題解決に役立つのかを「評価」するプロセスです。

選択肢1の「データ収集」は、分析の前提となる最初の段階です。選択肢3の「システム設計」は、分析そのものというよりは、分析を実行するためのITシステムを構築する段階を指します。

【解説】

正解: 2 結果の運用と改善

この問題は、データサイエンスのプロセスが一度きりで終わるものではなく、「サイクル」として繰り返されることを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、データサイエンスのサイクルでは、分析モデルを構築して終わりではありません。その分析「結果」を実際の業務で「運用」し、ビジネス上の価値を生み出すことが最終目的です。さらに、運用後に得られた新しいデータやフィードバックをもとに、モデルを「改善」していくため、プロセスは循環（サイクル）します。

選択肢1の「データの廃棄」や選択肢3の「ソフトウェアの更新」は、データ分析のサイクルとは異なる、IT運用や管理上の作業です。

【解説】

正解: 2 機械学習モデルの開発と予測結果の活用

この問題は、「データサイエンティスト」という専門職の「主な役割」が何であるかを、他のIT関連職（例: データベース管理者、ITサポート）と区別して理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、データサイエンティストの主な役割は、ビジネス上の課題を解決するために、データ分析や「機械学習モデルの開発」を行うことです。さらに、モデルが算出した「予測結果」などを、ビジネスの現場で「活用」するところまで責任を持つことが求められます。

選択肢1の「データベースサーバーの構築と運用管理」は、主にデータベース管理者（DBA）の役割です。選択肢3の「社内ITシステムのトラブルシューティング」は、ITサポートやシステム管理者の役割です。

【解説】

正解: 3 電子部品の修理技術

この問題は、データサイエンティストに求められる専門的な「スキル」として、当てはまらない（適切でない）ものを識別できるかを確認するものです。

正解の選択肢3の「電子部品の修理技術」は、ハードウェアエンジニアや修理技術者に求められるスキルです。データ分析やプログラミングを主務とするデータサイエンティストのスキルセットとは全く関係がありません。

選択肢1の「機械学習の知識」や選択肢2の「統計解析のスキル」は、データサイエンティストにとって最も重要とされる中核的な専門スキルです。

【解説】

正解: 1 データの収集、分析、モデル構築

この問題は、データサイエンティストの具体的な「活動内容」を、データアナリストやシステム管理者といった他の職種と区別して理解しているかを確認するものです。

正解の選択L1は、データサイエンティストの中核となる技術的な活動を示しています。ビジネス課題を解決するために、必要な「データを収集」し、それを「分析」し、予測や分類のための統計的な「モデルを構築」することが主な活動内容です。

選択肢2の「社内のITインフラの運用・保守管理」は、システム管理者の業務です。選択肢3の「業務改善のためのデータレポート作成と報告」は、主に「データアナリスト」の役割とされています。データサイエンティストは、レポート作成よりも、より高度な統計解析や機械学習モデルの構築に重点を置く職種として区別されることがあります。