【ITパスポート練習問題 6.3対応】(1) ファイル管理

【解説】

正解: 1 ルートディレクトリはファイルシステムの最上位に位置する

この問題は、コンピュータのファイルシステムにおける階層構造（ディレクトリ構造）の基本概念を理解しているかを確認するものです。ファイルシステムは通常、木が根（ルート）から枝分かれしていく様子に例えて管理されます。

正解の「ルートディレクトリはファイルシステムの最上位に位置する」は、この階層構造の出発点を示しています。Windowsでは「C:\」、LinuxやUnix系では「/」で表され、すべてのフォルダ（ディレクトリ）やファイルはこのルートディレクトリから派生して配置されます。

選択肢2の「全てのファイルはルートディレクトリの直下に保存される」は誤りです。ファイル整理のためにサブディレクトリ（フォルダ）が作成され、ファイルは各階層に分散して保存されます。選択肢3の「ルートディレクトリにはシステムファイルのみが保存される」も誤りです。システムファイルだけでなく、ユーザーが作成したファイルやディレクトリも配置することができます。

【解説】

正解: 2 ルートディレクトリは削除可能である

この問題は、ルートディレクトリという特別なディレクトリが持つ特性や制約について正しく理解しているかを確認するものです。

正解は「ルートディレクトリは削除可能である」です。これが誤っている記述だからです。ルートディレクトリはファイルシステム全体の土台（根幹）であり、これを削除することはシステムそのものの破壊を意味するため、通常の操作で削除することはできません。

選択肢1の「/やC:\などで表現される」は正しい記述です。OSによって表記は異なりますが、最上位を表す記号として定着しています。選択肢3の「全てのファイルやディレクトリの起点となる」も正しい記述です。ファイルへのアクセスパスは、すべてルートディレクトリから始まります。

【解説】

正解: 2 ファイルシステムの最上位に位置するディレクトリ

この問題は、ルートディレクトリが物理的な物体（ハードウェア）ではなく、論理的な管理単位（ディレクトリ）であることを理解しているかを確認するものです。

正解は「ファイルシステムの最上位に位置するディレクトリ」です。ディレクトリとは、ファイルを整理・格納するための入れ物（フォルダ）のことであり、ルートディレクトリはその階層構造の一番上に位置する特別なディレクトリを指します。

選択肢1の「ハードディスクそのもの」は誤りです。ルートディレクトリはハードディスクの中に作られる論理的な構造の一部に過ぎません。選択肢3の「必ず実行されるプログラム」も誤りです。ルートディレクトリは場所（入れ物）であり、プログラム（処理）ではありません。

【解説】

正解: 3 ユーザーが現在作業中のディレクトリを指す

この問題は、ファイル操作を行う際の「現在地」を示す概念である「カレントディレクトリ（現在のディレクトリ）」の意味を理解しているかを確認するものです。

正解は「ユーザーが現在作業中のディレクトリを指す」です。コマンド操作などでファイル名を指定する際、特に場所を指定しなければ、システムはこのカレントディレクトリにあるファイルを探します。ユーザーがフォルダを移動すると、カレントディレクトリも変わります。

選択肢1の「ルートディレクトリの直下に固定されている」は誤りです。カレントディレクトリは固定された場所ではなく、ユーザーの移動に伴って変化します。選択肢2の「変更できない」も誤りで、ユーザーはコマンド操作などで自由にカレントディレクトリを変更できます。

【解説】

正解: 2 cdコマンドを使用する

この問題は、基本的なコマンドライン操作において、ディレクトリを移動するためのコマンドを知っているかを確認するものです。

正解は「cdコマンドを使用する」です。「cd」は「Change Directory」の略であり、カレントディレクトリを指定した別のディレクトリに変更するために使われます。

選択肢1の「cpコマンド」は「Copy」の略で、ファイルをコピーするためのコマンドです。選択肢3の「rmコマンド」は「Remove」の略で、ファイルを削除するためのコマンドです。いずれもディレクトリの移動には使用しません。

【解説】

正解: 1 カレントディレクトリを指定しない場合、デフォルトでルートディレクトリがカレントディレクトリになる

この問題は、システムログイン時などの初期状態におけるカレントディレクトリの挙動について理解しているかを確認するものです。

正解は「カレントディレクトリを指定しない場合、デフォルトでルートディレクトリがカレントディレクトリになる」です。これが誤った記述です。一般的に、システムにログインした直後のカレントディレクトリは、そのユーザー専用の場所である「ホームディレクトリ」に設定されることが多く、いきなり最上位のルートディレクトリになることは稀です。

選択肢2の「ユーザーごとに異なる」は正しい記述です。各ユーザーには個別のホームディレクトリが割り当てられます。選択肢3の「カレントディレクトリを基準にファイルパスを指定できる」も正しい記述で、これを相対パス指定と呼びます。

【解説】

正解: 2 ファイル拡張子はファイルの種類を識別するために使用される

この問題は、ファイル名の末尾につく「拡張子」の役割と目的を理解しているかを確認するものです。

正解は「ファイル拡張子はファイルの種類を識別するために使用される」です。例えば「.txt」ならテキスト、「.jpg」なら画像といったように、OSやアプリケーションがそのファイルの中身が何であるかを判断し、どのソフトで開くべきかを決める目印として使われます。

選択肢1の「ファイル名の先頭に付ける」は誤りです。拡張子は「ファイル名.拡張子」のように末尾に付きます。選択肢3の「ファイルの内容とは関係なく設定できる」は、技術的には任意の文字を付けられますが、本来の役割としては内容と一致させる必要があるため、説明として不適切です。

【解説】

正解: 2 picture.jpg

この問題は、代表的なファイル拡張子とそのファイル形式の対応関係を知っているかを確認するものです。

正解は「picture.jpg」です。「.jpg」または「.jpeg」は、写真などの画像データを圧縮して保存するための標準的な形式（JPEG形式）を示す拡張子です。

選択肢1の「document.txt」の「.txt」は、装飾情報を持たない純粋な文字データ（テキストファイル）を示します。選択肢3の「report.pdf」の「.pdf」は、電子文書のレイアウトを保持するための形式（PDF）を示します。これらは画像ファイルではありません。

【解説】

正解: 1 ファイル拡張子を変更するとファイルの内容も変わる

この問題は、ファイル名（ラベル）とファイルの実体（データ）の違いを正しく理解しているかを確認するものです。

正解は「ファイル拡張子を変更するとファイルの内容も変わる」です。これが誤った説明です。拡張子を書き換えても、それは単にファイルの名前を変えただけであり、ファイルの中身（データ形式）が自動的に変換されるわけではありません。拡張子と中身が不一致になると、ファイルが開けなくなるなどのトラブル原因となります。

選択肢2の「ファイル名の末尾に付く」は正しい説明です。選択肢3の「拡張子によりファイルを開くプログラムが決まることがある」も正しい説明で、OSは拡張子を見て起動するアプリケーションを判断します（関連付け）。

【解説】

正解: 2 ファイルを頻繁に作成、削除する

この問題は、ハードディスクなどの記憶装置で発生する「フラグメンテーション（断片化）」の原因を理解しているかを確認するものです。

正解は「ファイルを頻繁に作成、削除する」です。ファイルの保存と削除を繰り返すと、ディスク上の連続した空き領域が減り、新しいファイルを保存する際にデータがあちこちの空き場所に飛び飛びに分割（断片化）されて保存されるようになります。これがフラグメンテーションです。

選択肢1の「長期間変更せずに保存している」場合は、データが動かないため断片化は進行しません。選択肢3の「ハードディスクの容量が大きすぎる」ことは、フラグメンテーションの直接的な原因ではありません。

【解説】

正解: 3 アクセス速度が低下する

この問題は、フラグメンテーションが発生した際にコンピュータの性能にどのような悪影響が出るかを理解しているかを確認するものです。

正解は「アクセス速度が低下する」です。データがディスク上のあちこちに散らばって保存されていると、読み書きの際に磁気ヘッドを頻繁に移動させる必要が生じます。この移動時間（シークタイム）のロスが積み重なり、ファイルの読み込みや書き込みが遅くなります。

選択肢1の「データのセキュリティが向上する」という事実はありません。選択肢2の「ストレージ容量が増加する」も誤りで、むしろ管理領域の無駄遣いなどで利用効率が悪化することはあっても、容量が増えることはありません。

【解説】

正解: 2 デフラグメンテーション

この問題は、ディスクのアクセス速度低下などの原因となるフラグメンテーションを解消するためのメンテナンス手法を知っているかを確認するものです。

正解は「デフラグメンテーション（デフラグ）」です。これは、断片化して散らばってしまったデータを読み出し、連続した領域にきれいに並べ直して書き込み直す操作のことです。これによりヘッドの移動量が減り、アクセス速度が回復します。

選択肢1の「ファイルの圧縮」は容量を節約するための操作です。選択肢3の「バックアップの実行」はデータの複製をとって保全する操作であり、ディスク上の配置を整理するものではありません。