【ITパスポート練習問題 6.3対応】② 財務諸表の種類と役割

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財務諸表の種類と役割

売上と利益を左右する会計・財務の要とは?

企業活動を円滑に進めるには、売上や利益の仕組みを正しく把握することが欠かせません。そこで必要となるものが会計と財務の基本的な考え方です。数値を的確に捉えることで、経営状況を判断し、将来への戦略を立てやすくなります。損益分岐点の理解なども含め、日々の業務における意思決定を支えるものとして重要視されます。

たとえば、企業の健康状態を俯瞰する貸借対照表や現金の流れを把握するキャッシュフロー計算書、利益の動向を可視化する損益計算書などの財務諸表には、経営の意思決定に役立つ多くの情報が詰まっています。資産負債のバランスを見極めることで安全性を評価し、流動比率収益性効率性、さらには投資利益率を検証することで、改善策を具体化しやすくなります。

こうした数値分析の視点を持つことは、就職や転職などキャリアアップの際に役立つだけでなく、業務全体を見渡す力を磨くきっかけにもなります。

学習ポイントをチェック

  • 財務諸表を活用する目的
    企業の経営状態を客観的に整理し、効率的な資源配分やリスク管理につなげる
  • 売上と利益の関係を見極める理由
    損益分岐点を把握し、無理や無駄のない事業運営を考える基礎とする
  • 資産と負債のバランスを管理する意義
    負債過多や資金不足を防ぎ、企業の安定と安全性を高める
  • 流動比率や投資利益率を分析する狙い
    短期的な支払い能力から長期的な投資の成果までを幅広く評価し、経営戦略を磨く

会計と財務の基本を押さえることで、企業活動の実態をより深く理解しやすくなります。用語解説を確認したら、練習問題で実践的に試してみましょう。

全体のどこを学習しているのか把握しながら進めましょう。IPAシラバス原本PDFはこちら

このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。

◆大分類:1.企業と法務
◆中分類:1.企業活動

◆小分類◆見出し◆学習すべき用語
3.会計・財務(1) 会計と財務
② 財務諸表の種類と役割
貸借対照表
キャッシュフロー計算書
資産(純資産,流動資産,固定資産,繰延資産,有形資産,無形資産)
負債(流動負債,固定負債)
流動比率
収益性
効率性
安全性
投資利益率

大手企業に就職した場合にはあまり実感のないものと思いますが、会社は数字でできてますので非常に重要です。会計は業界問わず全企業共通です。

見出し

貸借対照表

貸借対照表(Balance Sheet)は企業の財政状態を示す財務諸表の一つです。特定時点の資産、負債、純資産の内訳を明示し、企業の経済的な安定性や健全性を評価するために重要な資料です。

資産には現金や建物、負債には借入金、純資産には株主資本が含まれます。資産の総額は負債と純資産の合計と常に一致する仕組みになっています。

貸借対照表に関する学習用問題

問題
貸借対照表に含まれない要素はどれですか?

  1. 資産
  2. 負債
  3. 売上高
%%replace6%%

正解
3 売上高

解説
貸借対照表は資産、負債、純資産で構成され、企業の財政状態を示します。

売上高は損益計算書に記載される項目です。資産は企業の持つ価値、負債は支払う義務、純資産は資産から負債を差し引いたものです。


問題
貸借対照表において、企業の資産から負債を差し引いた金額を指す用語は何ですか?

  1. 売上総利益
  2. 純資産
  3. 流動資産
%%replace6%%

正解
2 純資産

解説
純資産は資産から負債を差し引いた残りの部分を指します。

売上総利益は損益計算書の要素で、流動資産は短期間で現金化できる資産です。


問題
次のうち、貸借対照表における負債の例として最も適切なものはどれですか?

  1. 売掛金
  2. 短期借入金
  3. 営業利益
%%replace6%%

正解
2 短期借入金

解説
短期借入金は負債に該当し、返済義務がある金額を表します。

売掛金は資産で、営業利益は損益計算書の項目です。


キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)は、企業の現金の動きを示す財務諸表です。営業活動、投資活動、財務活動の3つの区分から構成され、現金の流入と流出が記録されます。

営業活動では日常業務の成果、投資活動では資産の取得や売却、財務活動では資金調達や返済が示されます。企業の資金繰りや財務的な安定性を評価するために重要な情報を提供します。

キャッシュフロー計算書に関する学習用問題

問題
キャッシュフロー計算書に含まれる区分として適切なものはどれですか?

  1. 営業活動
  2. 総資産
  3. 流動比率
%%replace6%%

正解
1 営業活動

解説
キャッシュフロー計算書は、営業活動、投資活動、財務活動の3区分で構成されます。

総資産は貸借対照表の要素、流動比率は財務指標です。


問題
投資活動に該当するキャッシュフローの例はどれですか?

  1. 商品の販売収入
  2. 工場の建設費用支出
  3. 株主配当金の支払い
%%replace6%%

正解
2 工場の建設費用支出

解説
投資活動には固定資産の取得や売却が含まれ、工場の建設費用支出が該当します。

商品販売収入は営業活動、株主配当金支払いは財務活動の項目です。


問題
財務活動に該当するキャッシュフローの例として適切なものはどれですか?

  1. 借入金の返済
  2. 原材料の購入費用
  3. 売上収入
%%replace6%%

正解
1 借入金の返済

解説
財務活動は資金調達や返済に関連する取引を扱います。

借入金の返済はその典型例です。原材料の購入費用は営業活動、売上収入も営業活動に該当します。


資産(純資産、流動資産、固定資産、繰延資産、有形資産、無形資産)

資産は企業が保有する経済的価値を指し、純資産は資産から負債を差し引いた残りです。流動資産は短期間で現金化できるもの(現金、売掛金など)、固定資産は長期間使用されるもの(建物、設備など)です。

繰延資産は支出後に複数期間にわたり効果を発揮するものです。有形資産は物理的な形を持ち、無形資産は形がないが価値を持つ権利や特許などを指します。

資産に関する学習用問題

問題
流動資産に該当するものはどれですか?

  1. 営業権
  2. 建物
  3. 売掛金
%%replace6%%

正解
3 売掛金

解説
売掛金はすぐに現金化可能な流動資産です。

営業権は無形資産、建物は固定資産に該当します。


問題
純資産に含まれるものはどれですか?

  1. 利益剰余金
  2. 借入金
  3. 売上高
%%replace6%%

正解
1 利益剰余金

解説
純資産には利益剰余金が含まれ、企業の自己資本を表します。

借入金は負債、売上高は損益計算書の要素です。


問題
無形資産に分類されるものはどれですか?

  1. 土地
  2. 特許権
  3. 設備
%%replace6%%

正解
2 特許権

解説
特許権は無形資産です。土地や設備は有形資産に分類されます。


負債(流動負債、固定負債)

負債は企業が第三者に対して支払い義務のある債務の総称です。流動負債は1年以内に支払う必要のある短期の負債で、買掛金や短期借入金が含まれます。

固定負債は1年を超えて返済義務がある長期の債務で、社債や長期借入金などが該当します。負債の管理は企業の財務健全性に大きく影響します。

負債に関する学習用問題

問題
流動負債に該当するものはどれですか?

  1. 長期借入金
  2. 買掛金
  3. 資本金
%%replace6%%

正解
2 買掛金

解説
買掛金は流動負債に該当し、通常1年以内に支払います。

長期借入金は固定負債、資本金は純資産です。


問題
次のうち、固定負債の例はどれですか?

  1. 社債
  2. 売掛金
  3. 営業利益
%%replace6%%

正解
1 社債

解説
社債は固定負債で返済期間が1年以上の借金を指します。

売掛金は流動資産、営業利益は損益計算書の項目です。


問題
負債に分類されるものはどれですか?

  1. 純利益
  2. 利益剰余金
  3. 短期借入金
%%replace6%%

正解
3 短期借入金

解説
短期借入金は負債の一種で1年以内の返済が必要です。

純利益と利益剰余金は純資産に含まれます。


流動比率

流動比率は流動資産を流動負債で割った値をパーセントで示す指標で、企業の短期的な支払能力を評価します。

一般的に、流動比率が高いほど、支払能力が高いと見なされますが、過剰な比率は資産の運用効率が低い可能性も示します。

流動比率に関する学習用問題

問題
流動比率の計算式はどれですか?

  1. 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
  2. 固定資産 ÷ 流動負債 × 100
  3. 純資産 ÷ 固定負債 × 100
%%replace6%%

正解
1 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

解説
流動比率は流動資産を流動負債で割り、支払能力を示します。

他の選択肢は流動比率の計算とは関係ありません。


問題
次のうち、流動比率が高い企業の特徴はどれですか?

  1. 資本の自己調達率が高い
  2. 長期の負債返済能力が高い
  3. 短期支払い能力が高い
%%replace6%%

正解
3 短期支払い能力が高い

解説
流動比率は短期的な支払能力を評価する指標です。

他の選択肢は長期的な財務指標に関するものです。


問題
流動比率が低い場合の企業リスクとして適切な説明はどれですか?

  1. 資産運用効率が高い
  2. 資金繰りが悪化する可能性がある
  3. 短期負債が増える
%%replace6%%

正解
2 資金繰りが悪化する可能性がある

解説
流動比率が低いと短期負債の支払能力が不足するリスクが高まります。

選択肢1は過剰資産のリスク、選択肢3は状況の結果ではなく原因です。


収益性

収益性は企業がどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標で、代表的なものに売上高利益率や総資産利益率(ROA)などがあります。

収益性が高いほど企業の収益力が高いと評価されますが、利益率の計算には売上や資産の状況など多くの要素が関係します。

収益性に関する学習用問題

問題
次のうち、収益性を評価する指標はどれですか?

  1. 流動比率
  2. 売上高利益率
  3. 負債比率
%%replace6%%

正解
2 売上高利益率

解説
売上高利益率は売上高に対する利益の割合を示し、収益性を評価する指標です。

流動比率は支払能力、負債比率は財務の安定性を評価する指標です。


問題
総資産利益率(ROA)の計算式として正しいものはどれですか?

  1. 売上高 ÷ 総資産 × 100
  2. 営業利益 ÷ 負債総額 × 100
  3. 純利益 ÷ 総資産 × 100
%%replace6%%

正解
3 純利益 ÷ 総資産 × 100

解説
総資産利益率(ROA)は企業が総資産を使ってどれだけ利益を生み出しているかを示す指標です。

他の選択肢は誤った計算式です。


問題
収益性の改善策として適切なものはどれですか?

  1. 在庫の増加
  2. 生産効率の向上
  3. 短期借入金の増加
%%replace6%%

正解
2 生産効率の向上

解説
生産効率を高めることでコスト削減や利益増加が見込め、収益性が改善されます。

在庫の増加は資金拘束を招き、借入金の増加は負債が増えるため収益性には影響しません。


効率性

効率性(Efficiency)は企業が資産や資源をどれだけ有効に活用して利益を生み出しているかを測る指標です。代表的な効率性の指標には、総資本回転率、売上債権回転率、在庫回転率などがあります。

これらの指標を用いることで、経営資源の活用度や運転資本の管理状況を評価できます。

効率性に関する学習用問題

問題
次のうち、効率性を示す指標はどれですか?

  1. 総資産回転率
  2. 営業利益率
  3. 自己資本比率
%%replace6%%

正解
1 総資産回転率

解説
総資産回転率は効率性の代表的な指標で、資産をどれだけ効率的に使って売上を上げたかを示します。

他の選択肢は収益性や財務安定性の指標です。


問題
在庫回転率の改善策として最も適切なものはどれですか?

  1. 売上総利益の増加
  2. 設備投資の増加
  3. 在庫量の適正管理
%%replace6%%

正解
3 在庫量の適正管理

解説
在庫回転率は在庫管理の効率性を示します。適切な在庫管理により回転率が改善され、資金繰りの向上が期待されます。他の選択肢は在庫回転率には直接関係しません。


問題
売上債権回転率が高い場合、企業の状態として正しい説明はどれですか?

  1. 売上債権の回収が遅れている
  2. 売上債権の回収が早い
  3. 資産の増加が見込める
%%replace6%%

正解
2 売上債権の回収が早い

解説
売上債権回転率が高いと売掛金の回収が早く、資金繰りが良好であることを意味します。

選択肢1は逆の状態、選択肢3は回転率には直接影響しません。


安全性

安全性(Stability)は企業の財務構造がどれだけ安定しているかを測る指標です。主な指標には自己資本比率、負債比率、固定比率などがあります。

これらの指標は、企業が負債に対してどの程度の自己資本を持っているかや、長期的な支払い能力を示します。

安全性に関する学習用問題

問題
次のうち、安全性を評価する指標はどれですか?

  1. 自己資本比率
  2. 売上高利益率
  3. 総資産回転率
%%replace6%%

正解
1 自己資本比率

解説
自己資本比率は企業の安定性を示し、資産のうちどれだけ自己資本で運営しているかを表します。

他の選択肢は収益性や効率性の指標です。


問題
負債比率が高い場合の企業リスクはどれですか?

  1. 資金調達コストの増加
  2. 資産の増加
  3. 売上の減少
%%replace6%%

正解
1 資金調達コストの増加

解説
負債比率が高いと返済負担が重くなり、資金調達コストが増えます。

選択肢2と3は直接的な影響とは言えません。


問題
安全性の高い企業の特徴はどれですか?

  1. 流動比率が低い
  2. 売上高が高い
  3. 自己資本比率が高い
%%replace6%%

正解
3 自己資本比率が高い

解説
自己資本比率が高いと返済義務のない資金が多く、財務の安定性が高まります。

他の選択肢は安全性の評価指標ではありません。


投資利益率

投資利益率(Return on Investment: ROI)は投資に対する利益の割合を示す指標です。利益を投資額で割ることで計算され、投資の収益性を評価するために用いられます。

ROIが高いほど、投資効率が良いと判断され、企業の成長戦略や経営判断において重要な指標です。

投資利益率に関する学習用問題

問題
投資利益率(ROI)の計算式はどれですか?

  1. 投資額 ÷ 利益 × 100
  2. 利益 ÷ 投資額 × 100
  3. 売上 ÷ 費用 × 100
%%replace6%%

正解
2 利益 ÷ 投資額 × 100

解説
ROIは利益を投資額で割った値をパーセントで表します。

他の選択肢はROIの計算式ではありません。


問題
投資利益率(ROI)を向上させるための適切な施策はどれですか?

  1. 投資額の増加
  2. 販売価格の引き上げ
  3. 在庫の積み増し
%%replace6%%

正解
2 販売価格の引き上げ

解説
販売価格を引き上げることで利益が増えROIが向上します。

投資額の増加はROIを下げる可能性があり、在庫の積み増しは資金の効率的な運用を妨げるため逆効果です。


問題
次のうち、投資利益率の数値が高い企業の一般的な特徴はどれですか?

  1. 投資額が非常に多い
  2. 資産回転率が高い
  3. 流動比率が低い
%%replace6%%

正解
2 資産回転率が高い

解説
資産回転率が高いと効率的に収益を生み出し、ROIも高くなります。

投資額が多いだけではROIは上がらず、流動比率は短期的な支払能力の指標で、ROIとは直接的な関係がありません。


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