人を活かす経営管理が組織を変える要になる?
企業が成長を続けるには、人材をいかに確保し活用するかが経営管理の大きな課題となっています。リテンションやタレントマネジメントのほか、モチベーションやワークエンゲージメントを高める取り組みが、多様な働き方への流れとともに重視されています。
さらに、リーダーシップをめぐるコンティンジェンシー理論やシェアードリーダーシップ、サーバントリーダーシップなどの考え方が、組織の柔軟性を高める手段となってきています。DE&Iやワークライフバランスを意識しながら在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務、ワーケーションなどを導入する企業も増えていますが、労務管理の難しさなど経営上の留意点もあります。
これらを踏まえてPDCAを回すことで現場の課題を捉えながら組織力を高めることにも繋がります。就職や転職においても企業目線を持つことで評価されやすくなるでしょう。
学習ポイントをチェック
- 人材を確保し活かす理由
リテンションやタレントマネジメントなどを通じて従業員満足度を高め組織の競争力を維持する - リーダーシップの多様性
コンティンジェンシー理論やシェアードリーダーシップ、サーバントリーダーシップで柔軟な組織をめざす - 多様な働き方を推進する目的
DE&Iやワークライフバランスを踏まえてテレワークを導入し働きやすい環境を構築する - PDCAを活用する意義
経営課題を段階的に見直しながら改善策を講じ組織の成長スピードを上げる

人を中心にした経営管理の視点を持つことで、新たなキャリア展開を見通しやすくなるはずです。解説と練習問題を通じて理解を深めてみてください。
このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。
◆大分類:1.企業と法務
◆中分類:1.企業活動
| ◆小分類 | ◆見出し | ◆学習すべき用語 |
|---|---|---|
| 1.経営・組織論 | (2) 経営管理 ② ヒューマンリソースマネジメント | リテンション タレントマネジメント リーダーシップ モチベーション ワークエンゲージメント ワークライフバランス DE&I(Diversity,Equity & Inclusion) 【活用例】 リーダーシップの在り方 コンティンジェンシー理論 シェアードリーダーシッ プ サーバントリーダーシップ 多様な働き方への取組み テレワークの類型(在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務、ワーケーション) 経営上の留意点(テレワークの労務管理の困難さ) |
リテンション
リテンションは企業が優秀な従業員や顧客を長期的に維持するための施策を指します。
従業員リテンションでは、働きやすい環境の提供、キャリア開発の支援、報酬制度の見直しなどが重要視されます。
顧客リテンションにおいては、顧客満足度の向上、リピーターの育成、クーポンやポイント制度などのマーケティング施策が含まれます。
これらは企業の競争力強化に直結するため、戦略的な管理が求められます。



法人向けの月額運営代行やWEBサービス(SaaS)では解約率を小さくすることは重要ですが営業対応でのリテンションってあまりうまく行かないことが多く、ユーザーにも負担な印象ですね…
ちなみにスタートアップでSaaS開発企業あたりでは解約率をチャーンレートと英語で表現してたりしますね。



優秀な人から先に辞めるとも言われますので社員のリテンションも大切です。
リテンションに関する学習用問題
企業のリテンション施策として適切なものはどれですか?
リテンション施策に含まれないものはどれですか?
従業員リテンションの目的として最も適切なものはどれですか?
タレントマネジメント
タレントマネジメントは企業内の優秀な人材(タレント)を見つけ、育成し、適切なポジションに配置して成果を最大化する人事戦略のことです。
個々のスキルや能力を評価し、キャリア開発計画を策定することで、組織全体の成長と持続可能な競争力の維持を目指します。評価制度の整備、後継者計画、研修プログラムの導入などが主な施策に含まれます。



近年このジャンル向けのWEBサービス(SaaS)が躍進していて、スタートアップや急成長企業などで活用されている印象です。
タレントマネジメントに関する学習用問題
タレントマネジメントに該当する施策はどれですか?
タレントマネジメントの主な目的として正しいものはどれですか?
タレントマネジメントの施策に含まれないものはどれですか?
リーダーシップ
リーダーシップとは目標達成のために組織やチームを率いる力を指します。ビジョンの提示や意思決定、メンバーの動機付け、コミュニケーションの促進がリーダーシップの重要な要素です。
代表的なリーダーシップのスタイルには、カリスマ型、ビジョン型、民主型、指示型などがあります。状況やメンバーの特性に応じたリーダーシップが成果を左右します。



なにかとスポーツの世界に例えて語られやすい印象がありますね。
リーダーシップに関する学習用問題
リーダーシップの役割として適切なものはどれですか?
リーダーシップスタイルの一つとして正しいものはどれですか?
リーダーシップが必要とされる状況として最も適切なものはどれですか?
モチベーション
モチベーションは目標達成のために行動を引き起こし、維持する内的な意欲を指します。ビジネスでは、従業員のモチベーションを高めることが生産性向上や離職防止に重要です。
代表的な理論には、マズローの欲求階層説、ハーズバーグの動機づけ・衛生理論、期待理論などがあります。報酬や評価制度、仕事の意義付けなどがモチベーション向上の鍵です。



職種や立場によって結構差がでる印象ですが、企業としては少なくとも社員のモティベーションを下げることだけは避けるべきですね。モティベーションを上げる施策って裏目に出ることもありますし…
モチベーションに関する学習用問題
モチベーション理論のうち、マズローの欲求階層説における最も高次の欲求はどれですか?
モチベーションを高めるための外的要因として適切なものはどれですか?
ハーズバーグの動機づけ・衛生理論において動機づけ要因に含まれるものはどれですか?
ワークエンゲージメント
ワークエンゲージメントは仕事に対する積極的な関与や熱意、没頭の度合いを表す概念です。従業員が仕事に対してエネルギッシュで、使命感を持ち、自ら進んで業務に取り組む状態を指します。
これにより企業の生産性向上や離職率の低下が期待されます。エンゲージメントの向上には、明確な目標設定、上司からのサポート、キャリア開発の支援などが重要です。
ワークエンゲージメントに関する学習用問題
ワークエンゲージメントが高い状態として最も適切なものはどれですか?
ワークエンゲージメントを高める施策として最も適切なものはどれですか?
次のうち、ワークエンゲージメント向上に寄与しない要素はどれですか?
ワークライフバランス
ワークライフバランスとは、仕事(ワーク)と生活(ライフ)の調和を図ることで、心身の健康や充実した人生を送るための考え方です。
過度な労働やストレスを避け、仕事とプライベートの時間をバランスよく配分することで、個人と企業の双方が持続的な成長を実現できます。施策には、柔軟な勤務形態の導入、テレワーク、育児休暇、介護休暇の取得促進などがあります。
ワークライフバランスに関する学習用問題
ワークライフバランスの向上に最も効果的な取り組みはどれですか?
次のうち、ワークライフバランスの観点から適切でないものはどれですか?
ワークライフバランスの向上が企業にもたらすメリットとして正しいものはどれですか?
DE&I(Diversity,Equity & Inclusion)
DE&Iは、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包括性(Inclusion)を意味し、組織内でさまざまなバックグラウンドを持つ人々を尊重し、公平な機会を提供し、すべてのメンバーが安心して働ける環境を築く考え方です。
異なる視点が組織の創造性と競争力を高めるため、戦略的な施策が求められます。



日本の多くの会社は同質性がある程度高い集団という気はしますが、それでも社員の不満の原因として「不公平感」は上位に入る気がします。
個人的には、日本的感性を理解して馴染みながらも、最新の考え方を学び、取り入れ、行動結果変容を生み出す(差を価値として生み出す)ことへシフトしていくくらいのバランス感覚が良さそうに思います。
DE&Iに関する学習用問題
DE&Iの説明として最も適切なものはどれですか?
DE&Iの具体的な取り組みとして適切なものはどれですか?
DE&Iの推進による企業への影響として適切でないものはどれですか?
リーダーシップの在り方
リーダーシップの在り方とは、状況や組織文化に応じた適切なリーダーシップの発揮方法を指します。
特定のリーダーシップスタイルを固定するのではなく、変化する状況に応じて柔軟に対応することが重要です。



一時期はマネジメントよりリーダーシップが重要だ!みたいなことが良く語られる時代もありましたね。時代によって変わるもんです。
リーダーシップの在り方に関する学習用問題
リーダーシップの在り方に関する説明で最も適切なものはどれですか?
リーダーシップの在り方の一例として最も適切なものはどれですか?
リーダーシップの在り方に影響する要因として最も適切なものはどれですか?
コンティンジェンシー理論
コンティンジェンシー理論とはリーダーシップの有効性が組織内外の状況によって異なるとする考え方です。
一つのリーダーシップスタイルが常に最適とは限らず、環境や課題に応じた柔軟な対応が求められます。代表的なモデルとして、フィードラーのモデルやパス・ゴール理論があります。
コンティンジェンシー理論に関する学習用問題
コンティンジェンシー理論において重要とされる要素はどれですか?
次のうち、コンティンジェンシー理論の特徴に該当しないものはどれですか?
コンティンジェンシー理論の適用例として正しいものはどれですか?
シェアードリーダーシップ
シェアードリーダーシップは特定のリーダーだけでなく、組織やチームのメンバー全員がリーダーシップを分担する考え方です。
組織内の多様な専門性を生かし、相互支援を行うことで、チーム全体のパフォーマンスを向上させます。
シェアードリーダーシップに関する学習用問題
シェアードリーダーシップの特徴として正しいものはどれですか?
シェアードリーダーシップの利点として適切なものはどれですか?
シェアードリーダーシップが効果的に機能する条件として最も適切なものはどれですか?
サーバントリーダーシップ
サーバントリーダーシップは、リーダーが組織やメンバーを支援し、成長を促す奉仕型のリーダーシップスタイルです。
権威を振りかざすのではなく、部下のニーズに耳を傾け、課題解決を支援することで、チーム全体の成果向上を目指します。メンバーのモチベーションや自己成長が促進されやすいスタイルです。
サーバントリーダーシップに関する学習用問題
サーバントリーダーシップの特徴として適切なものはどれですか?
サーバントリーダーシップの利点として最も適切なものはどれですか?
サーバントリーダーシップが求められる場面として適切なものはどれですか?
多様な働き方への取組み
多様な働き方への取組みとは、個々のライフスタイルや働き方のニーズに応じた柔軟な労働環境の整備を指します。
フレックスタイム制、テレワーク、時短勤務など、多様な選択肢を導入することで、仕事と生活の調和を図り、企業の競争力と従業員の満足度を高めます。



今時の就活生はここは割と重視してそうな印象ですが、コロナ禍で先陣を切って全面的にテレワーク移行していたような大手IT企業が原則出社に方針を切り替えるなどの動きもあります。(2023-24年頃)
ただ昭和平成時代からすると、一度形成された多様性(時差出勤、時短勤務、テレワークなど)は一定の市民権のようなものを得ていますので令和はいい時代です。
多様な働き方への取組みに関する学習用問題
多様な働き方への取組みとして最も適切なものはどれですか?
多様な働き方の導入による主な効果として正しいものはどれですか?
多様な働き方の施策に含まれないものはどれですか?
テレワークの類型(在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務、ワーケーション)
テレワークは、情報通信技術を活用することで、従来の固定されたオフィスにとらわれず、さまざまな場所で働ける柔軟な勤務形態を指します。その主な類型として以下の4つが挙げられます。
| 在宅勤務 | 自宅で業務を行う勤務形態。通勤の必要がなく、家庭環境で仕事を進められる。 |
| モバイルワーク | 外出先や移動中に仕事を行う形態。カフェや出張先など、自由な場所で業務を遂行できる。 |
| サテライトオフィス勤務 | 企業が設置した分室や専用施設で仕事を行う形態。自宅や本社以外のオフィスを活用する。 |
| ワーケーション | 旅行先で休暇を楽しみながら仕事を行う形態。仕事と余暇を両立させる新しい働き方。 |



個人的にはワーケーションには憧れてますので、いつでもどこでも気分よく仕事ができるようにMacBook Air(15inch)に切り替えて、これとスマホがあれば良い体制作りをすすめてます。
テレワークの類型に関する学習用問題
テレワークの類型として最も適切なものはどれですか?
モバイルワークの例として最も適切なものはどれですか?
ワーケーションの特徴として適切なものはどれですか?
経営上の留意点(テレワークの労務管理の困難さ)
テレワークにおける経営上の留意点として、労務管理の困難さが挙げられます。従業員の勤務状況の把握、業務進捗の管理、情報セキュリティ対策、労働時間の適正な管理などが必要です。
これらの課題に対応するため、勤怠管理ツールの導入や定期的なオンラインミーティングの実施が求められます。



コロナ禍に当社でもテレワークが始まったわけですが定番の会話は「どうせ寝てるんでしょ」でしたねwww 会社に来た時と同じくきっちり8時間仕事しているとは正直誰も思ってないですから。
経営上の留意点(テレワークの労務管理の困難さ)に関する学習用問題
テレワークの労務管理で特に困難とされる点はどれですか?
テレワークの労務管理のために企業が行うべき対策として適切なものはどれですか?
テレワークにおける労務管理の課題として最も適切なものはどれですか?
アンケート結果の概要はこちら
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ITパスポート 試験 シラバス6.3を全面網羅した分類一覧です。体系的に全体を俯瞰しながら学習することで頭の中に知識の地図を作っていきましょう。
