【ITパスポート練習問題 6.3対応】(1) ヒューマンインタフェース

【解説】

正解: 1 操作のしやすさ

この問題は、システムやソフトウェアの品質特性の一つである「ユーザビリティ」の基本的な概念を正しく理解しているかを確認するものです。

正解は1の「操作のしやすさ」です。ユーザビリティとは、利用者にとっての「使いやすさ」や「有効さ」「満足度」を指す言葉です。システムがいかに高機能であっても、操作が難しく利用者が目的を達成できなければ意味がありません。そのため、直感的に操作できることや、学習しなくても使えるといった「操作のしやすさ」はユーザビリティの最も重要な要素となります。

選択肢2の「システムの複雑さ」は、ユーザビリティを低下させる要因であり、目指すべき要素とは逆です。選択肢3の「開発のコスト削減」は、開発者側の事情であり、利用者側の「使いやすさ」を示すユーザビリティとは直接的な関係がありません。

【解説】

正解: 3 システムの機能を減らしたいとき

この問題は、ユーザビリティを向上させる目的や意義を理解し、誤った手段や無関係な目的と区別できるかを問うものです。ここでは「適切でないもの」を選ぶ必要があります。

正解は3の「システムの機能を減らしたいとき」です。ユーザビリティの改善は、利用者がより快適に、効率的に目的を達成できるようにするために行われます。単に機能を減らすことは、必要な機能まで失わせる可能性があり、それ自体がユーザビリティ向上の目的にはなりません。機能の整理が行われることはありますが、それは「使いやすくするため」の結果であって、「機能を減らすこと」そのものが目的ではありません。

選択肢1の「利用者の作業効率を向上させたいとき」や、選択肢2の「ユーザーのエクスペリエンス（体験）を向上させたいとき」は、まさにユーザビリティを改善する主要な目的であり、適切な場面です。

【解説】

正解: 1 ユーザーインタビュー

この問題は、ユーザビリティを正しく評価するための手法について、その特徴と適切さを理解しているかを確認するものです。

正解は1の「ユーザーインタビュー」です。ユーザビリティは「利用者がどう感じるか」「利用者がスムーズに操作できるか」という主観的・客観的な使いやすさを評価するものです。そのため、実際の利用者に製品を使ってもらい、感想や不満点を直接聞くインタビューは、改善点を見つけるための非常に有効な手段です。

選択肢2の「コスト分析」は経済的な評価であり、使いやすさの評価ではありません。選択肢3の「開発者のフィードバック」も参考にはなりますが、開発者はシステムの中身を知り尽くしているため、初めて使う一般ユーザーの視点とはズレが生じやすく、ユーザビリティ評価としては不十分です。

【解説】

正解: 2 自然な操作感が得られる

この問題は、ユーザーインタフェースの一種である「ジェスチャーインタフェース」の特徴とメリットを理解しているかを確認するものです。

正解は2の「自然な操作感が得られる」です。ジェスチャーインタフェースは、身振りや手振りといった人間の自然な動作でコンピュータを操作する技術です。コントローラーやキーボードなどの道具を使わず、直感的な動きで操作できるため、没入感が高く、誰でも直感的に扱えるという利点があります。

選択肢1の「大量のテキスト入力」や選択肢3の「細かい設定」は、キーボードやマウスの方が適しており、大まかな動きで操作するジェスチャーインタフェースには不向きな作業です。

【解説】

正解: 3 システム開発のためのプログラミング

この問題は、ジェスチャーインタフェースの特性（直感性、身体性）と限界（精密さの欠如）を踏まえ、適切な利用シーンを判断できるかを確認するものです。

正解は3の「システム開発のためのプログラミング」です。プログラミングは、英数字や記号を正確に、かつ大量に入力する必要があります。ジェスチャー操作は身体の動きを使うため、こうした精密な文字入力作業には全く適していません。

選択肢1の「スマートフォンの操作」は、スワイプやフリックなどの指の動きで直感的に扱えるため適しています。選択肢2の「ゲームコントローラーの操作」も、WiiリモコンやVR機器のように、プレイヤーの動きをゲームに反映させることで楽しみが増すため、非常に適した活用例です。

【解説】

正解: 2 環境によって誤認識が発生しやすい

この問題は、新しいインタフェース技術を導入する際に考慮すべき技術的な課題やデメリットを理解しているかを確認するものです。

正解は2の「環境によって誤認識が発生しやすい」です。ジェスチャーインタフェースの多くは、カメラやセンサーで利用者の動きを読み取ります。そのため、部屋が暗すぎたり、背景に動くものがあったり、障害物があったりすると、センサーが正しく動作せず、意図しない操作として認識されてしまうことがあります。

選択肢1の「操作が直感的でない」は、ジェスチャーインタフェースの「直感的に操作できる」という利点と矛盾するため誤りです。選択肢3の「操作が視覚的に分かりづらい」についても、画面上の動きと自分の動作が連動するため、通常は視覚的に分かりやすい操作となります。

【解説】

正解: 1 複数の指で同時に操作できる

この問題は、スマートフォンやタブレットで一般的になった「マルチタッチインタフェース」の定義と、従来のシングルタッチとの違いを理解しているかを確認するものです。

正解は1の「複数の指で同時に操作できる」です。従来のタッチパネルは一度に1箇所しか感知できませんでしたが、マルチタッチは2箇所以上の接触を同時に認識できます。これにより、2本の指で拡大・縮小したり、回転させたりといった複雑な操作が可能になります。

選択肢2の「音声による操作」はボイスインタフェースの特徴であり、タッチ操作とは無関係です。選択肢3の「操作時の誤入力が減る」については、指での操作はマウスカーソルよりも接触面積が広いため、細かいボタンなどは押し間違えることもあり、必ずしも誤入力が減るわけではありません。

【解説】

正解: 3 デスクトップパソコンのキーボード

この問題は、マルチタッチインタフェースがハードウェアとしてどのような機器に搭載されているか、その具体的な適用例を理解しているかを確認するものです。

正解は3の「デスクトップパソコンのキーボード」です。一般的な物理キーボードは、キーを押すことで入力を行うデバイスであり、画面に直接触れて操作するタッチインタフェースではありません。（タッチパッド付きキーボードなどはありますが、キーボード自体はマルチタッチデバイスではありません。）

選択肢1の「スマートフォン」や選択肢2の「タブレット」は、画面そのものがマルチタッチ対応のディスプレイとなっており、指で直接操作を行う代表的なデバイスです。

【解説】

正解: 2 二本指で画面をピンチして画像を拡大

この問題は、マルチタッチインタフェース特有の操作名称（ジェスチャー）とその機能を正しく結び付けられるかを確認するものです。

正解は2の「二本指で画面をピンチして画像を拡大」です。「ピンチ（ピンチアウト・ピンチイン）」は、2本の指の間隔を広げたり狭めたりする操作のことで、マルチタッチならではの代表的な操作方法です。これにより直感的に拡大・縮小が行えます。

選択肢1の「シングルクリック」は、マウス操作の用語であり、タッチ操作では「タップ」に相当しますが、これは1本指でも可能なためマルチタッチ特有ではありません。選択肢3の「音声コマンド」は音声認識技術による操作であり、タッチ操作とは異なります。

【解説】

正解: 1 操作がハンズフリーで行える

この問題は、AIスピーカーなどで普及しているVUI（Voice User Interface）の特徴と利点を理解しているかを確認するものです。

正解は1の「操作がハンズフリーで行える」です。VUIは、利用者が声を発することで機器を操作するインタフェースです。手を使う必要がないため、手が濡れている時や荷物を持っている時、あるいは作業中であっても操作が可能という大きなメリットがあります。

選択肢2の「高度なグラフィカル操作」はGUI（Graphical User Interface）の特徴です。VUIは音声が主体であるため、視覚的な操作は得意としません。選択肢3の「多数のボタンで操作する」は、物理的なリモコンやキーボードの特徴であり、VUIとは対照的です。

【解説】

正解: 2 車の運転中のナビゲーション操作

この問題は、VUIの「ハンズフリー」「アイズフリー（画面を見なくてよい）」という特性が、どのようなシチュエーションで最も効果を発揮するかを理解しているかを確認するものです。

正解は2の「車の運転中のナビゲーション操作」です。運転中はハンドルから手を離せず、視線も前方から逸らすことが危険です。VUIを使えば、前を見たまま「近くのガソリンスタンドを探して」と声で指示が出せるため、安全かつ便利に操作を行えます。

選択肢1の「高度なグラフィック編集作業」や選択肢3の「ソフトウェアのコーディング」は、視覚的な確認と精密な操作が不可欠な作業であり、音声だけの指示で行うのは極めて困難であり不適切です。

【解説】

正解: 2 周囲の雑音によって認識精度が低下する

この問題は、VUIの実用上の課題や技術的な制約について理解しているかを確認するものです。

正解は2の「周囲の雑音によって認識精度が低下する」です。VUIはマイクで拾った音声を解析して命令を理解しますが、テレビの音、話し声、工事の音などの雑音（ノイズ）が混じると、人間の声を正確に分離できず、誤動作したり反応しなかったりすることがあります。これがVUIの大きな課題の一つです。

選択肢1の「大規模なデータ処理が苦手」というのは誤りです。VUIの背後にはクラウド上の高性能なAIが存在することが多く、データ処理能力自体は高い場合がほとんどです。選択肢3の「高速なインターネット接続が必要」については、確かにクラウド連携にはネットが必要ですが、これが「最も適切な課題」かというと、音声認識精度の問題の方がVUIの本質的な課題として挙げられます。