【ITパスポート練習問題 6.3対応】① ITの進展とそれに伴う社会の変化

【解説】

正解: 3 プロセッサのクロック速度の向上

この問題は、コンピュータの「処理能力」に直接影響を与える中心的な要素（コンポーネント）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3「プロセッサのクロック速度の向上」が正しい理由は、プロセッサ（CPU）はコンピュータの頭脳であり、クロック速度はその頭脳が1秒間にどれだけ多くの計算や命令を実行できるかを示す基本的な指標だからです。クロック速度が速ければ速いほど、コンピュータの処理能力は高くなります。

選択肢1「大容量のハードディスクの搭載」は間違いです。ハードディスクはデータを保存する場所（ストレージ）であり、容量が大きくても計算速度自体は速くなりません。選択肢2「USBポートの増設」も間違いです。これは外部機器との接続口を増やすだけで、コンピュータ本体の計算能力とは関係ありません。

【解説】

正解: 1 高速なデータ処理

この問題は、コンピュータの「処理能力が向上する」ことの具体的な恩恵や、それが何に直結するかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1「高速なデータ処理」が正しい理由は、処理能力の向上とは、まさに「単位時間あたりに処理できるデータの量や計算の回数が増える」ことを意味するからです。これにより、複雑な計算や大量のデータの取り扱いが短時間で可能になります。

選択肢2「バッテリー駆動時間の延長」は間違いです。これは主に省電力技術やバッテリー自体の性能向上によるもので、処理能力が向上するとむしろ消費電力が増え、駆動時間が短くなる傾向さえあります。選択肢3「インターネット接続速度の向上」も間違いです。これは、契約している回線（光回線など）やルータ、プロバイダといったネットワーク環境に依存するもので、コンピュータ本体の処理能力とは別の問題です。

【解説】

正解: 1 半導体の微細化技術

この問題は、コンピュータの処理能力を向上させるための、ハードウェアにおける基本的な技術的要因を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1「半導体の微細化技術」が正しい理由は、この技術によってプロセッサ（CPU）などの半導体チップ内により多くの小さなトランジスタ（電子回路のスイッチ）を集積できるからです。同じ面積により多くの回路を詰め込めると、より複雑で高速な計算が可能になり、処理能力が向上します。

選択肢2「高解像度ディスプレイの搭載」は間違いです。これは表示能力の向上であり、コンピュータ本体の計算能力とは直接関係ありません。選択肢3「多言語対応のOS」も間違いです。これはソフトウェア（OS）の機能に関するものであり、ハードウェアの処理能力を向上させる技術そのものではありません。

【解説】

正解: 2 異なる形式のデータが多く存在すること

この問題は、近年注目される「ビッグデータ」を特徴づける要素の一つである「多様性（Variety）」の意味を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「異なる形式のデータが多く存在すること」が正しい理由は、データの多様性とは、従来のデータベースで扱ってきた数値やテキストのような構造化されたデータだけでなく、画像、動画、音声、SNSの書き込み、センサーデータなど、形式や構造が異なる様々な種類のデータが存在することを指すからです。

選択肢1「同一形式のデータが大量に存在すること」は間違いです。これはデータの「量（Volume）」に関する説明であり、「多様性」ではありません。選択肢3「データの記録媒体が多種多様であること」も間違いです。これはデータがどこに保存されているか（例: ハードディスク、SSD、クラウドストレージ）の話であり、データそのものの性質を示す「多様性」とは異なります。

【解説】

正解: 3 IoT機器の普及とクラウドサービスの利用拡大

この問題は、現代社会においてデータが爆発的に増え、かつその種類が多様化している背景（要因）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3「IoT機器の普及とクラウドサービスの利用拡大」が正しい理由は、IoT機器（様々なモノがインターネットに繋がる技術）によって、センサーやカメラなどから多様な形式のデータが常時生成されるようになったからです。また、クラウドサービスが普及したことで、それらの膨大なデータを安価に保存し、処理する基盤が整ったことも大きな要因です。

選択肢1「手動によるデータ入力の拡大」は間違いです。手動入力は非効率であり、現代のデータ増加の主要因ではありません。むしろ自動収集が主流です。選択肢2「データ保存期間の短縮」も間違いです。保存期間が短縮されれば、蓄積されるデータ量はむしろ減少するため、データ増加の要因とは逆の説明です。

【解説】

正解: 2 データマイニングとビッグデータ分析

この問題は、データが「大量」かつ「多様」になった（ビッグデータ）状況において、それらのデータから価値ある知見を見つけ出すために必要となる技術は何かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「データマイニングとビッグデータ分析」が正しい理由は、これらがまさに膨大で形式の異なるデータ群を統計的・工学的に処理し、隠されたパターンや法則性を発見するための技術や手法の総称だからです。

選択肢1「高速なインターネット接続」は間違いです。これはデータを収集したり転送したりするためには必要ですが、集めたデータを「分析」する技術そのものではありません。選択肢3「表計算ソフトの活用」も間違いです。表計算ソフトは手軽なデータ分析ツールですが、扱えるデータ量や形式に限界があり、ビッグデータと呼ばれるほどの膨大で多様なデータを分析するには不向きです。

【解説】

正解: 2 自動運転車の開発

この問題は、AI（人工知能）技術、特に近年の著しい進化によって、具体的にどのような応用が可能になったかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「自動運転車の開発」が正しい理由は、自動運転にはAIによる高度な画像認識（人、車、標識などを識別する）や、状況判断、走行経路の計画といった複雑な処理が不可欠であり、これらがAI技術の進化によって実用化の目途が立った代表的な例だからです。

選択肢1「高解像度ディスプレイの製造」は間違いです。これは主に半導体技術や材料工学の進歩によるものです。選択肢3「ハードディスク容量の増加」も間違いです。これは磁気記録技術などのストレージに関するハードウェア技術の進歩によるもので、AIの進化が直接的な要因ではありません。

【解説】

正解: 3 複雑なパターンを自動的に学習する

この問題は、現在のAIブームを牽引している中核技術である「深層学習（ディープラーニング）」の最も重要な特徴を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3「複雑なパターンを自動的に学習する」が正しい理由は、深層学習は人間の神経回路網を模した多層の（深い）ニューラルネットワークを用いることで、データに潜む非常に複雑な特徴やパターンを、人間が指示することなく自動的に見つけ出し、学習できる点に最大の特徴があるからです。

選択肢1「データを手動で整理する必要がある」は間違いです。これは、むしろ深層学習が登場する以前の機械学習で重要だった特徴量エンジニアリング（人間が注目すべき特徴を定義する作業）の説明に近いです。選択肢2「計算資源が少なくても高精度な結果が得られる」も間違いです。深層学習は、その複雑な構造ゆえに、学習や推論に膨大な計算資源（高性能なGPUなど）を必要とするのが一般的です。

【解説】

正解: 2 データバイアスによる不公平な判断

この問題は、AI技術が社会に普及するにつれて、新たに懸念されるようになった「倫理的な課題」について理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「データバイアスによる不公平な判断」が正しい理由は、AIが学習に用いるデータ（過去の事例）に、特定の性別、人種、年齢層などに対する偏り（バイアス）が含まれていると、AIもその偏りを学習してしまい、結果として不公平または差別的な判断を下す可能性があるからです。これはAIの倫理面で非常に重要な課題とされています。

選択肢1「インターネットの普及率の向上」は間違いです。これは社会インフラの整備に関する話であり、AIの倫理的な課題ではありません。選択肢3「新しい通信規格の標準化」も間違いです。これは技術的な規格策定の話であり、AIが引き起こす倫理的な問題とは直接関係ありません。