【ITパスポート練習問題 6.3対応】(5) 問題解決手法

【解説】

正解: 3 系統的なアプローチを行う

この問題は、「問題解決手法」という用語の基本的な定義を理解しているかを確認するものです。問題解決が、単なる思いつきや直感ではなく、論理的な手順に沿って行われるものであることを知っているかが問われます。

正解の選択肢3の通り、問題解決手法の最大の特徴は、問題の発見、原因分析、解決策の立案、実行、評価といった、決まった手順（プロセス）に従って物事を進める「系統的なアプローチ」である点です。

選択肢1の「直感的な判断を重視する」は誤りです。問題解決手法は、むしろ直感や経験だけに頼ることの危険性を避け、論理的に原因を突き止め、客観的に解決策を評価することを目的としています。 選択肢2の「必ずチームで行う必要がある」も誤りです。チームで行うことで多様な視点が得られる利点はありますが、個人が問題解決手法を用いて一人で課題に取り組むことも可能であり、必須条件ではありません。

【解説】

正解: 2 市場調査の実施

この問題は、問題解決手法の「一般的なプロセス」を理解しているかを確認するものです。「どのような問題であっても共通して含まれる基本的なステップ」と、「特定の状況下でのみ行われる具体的な作業」とを区別できるかが問われます。

正解の選択肢2「市場調査の実施」は、一般的なステップには含まれません。市場調査は、例えば「新製品の売上が悪い」といった特定のマーケティング課題を解決する際には有効な手段ですが、社内の業務プロセス改善やシステム障害対応など、あらゆる問題解決で必須となる作業ではないためです。

選択肢1の「問題の特定」（何が問題なのかを明確にする）は、問題解決の出発点であり、不可欠なステップです。 選択肢3の「解決策の立案」（どうすれば解決できるかを考える）は、特定した問題を解消するための具体的な行動を計画する、中心的なステップです。

【解説】

正解: 3 問題解決の結果

この問題は、問題解決手法を用いる「最終的な目的」が何であるかを理解しているかを確認するものです。プロセス（過程）とアウトカム（結果）のどちらが最終的な評価対象となるかを問うています。

正解の選択肢3の通り、問題解決手法を用いた活動の最終的な評価は、「問題がどれだけ解決されたか」という「結果（成果）」に基づいて行われます。プロセスがどれほど優れていても、肝心の問題が解決されなければ、その活動は成功とは言えません。

選択肢1の「解決策の選定プロセス」は、良い結果を導くための重要な「過程」の一つですが、それ自体が最終評価の対象ではありません。 選択肢2の「チームメンバーの個人評価」は、人事評価の範疇であり、問題解決活動そのものの成否を評価する対象ではありません。

【解説】

正解: 1 批判を許さない

この問題は、アイデア発想法の一つである「ブレーンストーミング」の、最も重要な基本ルールを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1「批判を許さない」（批判厳禁）は、ブレーンストーミングの4つの原則（批判厳禁・自由奔放・質より量・結合改善）の中でも特に重要なルールです。他者の意見を「それはダメだ」「現実的ではない」などと批判すると、参加者が萎縮してしまい、自由な発想が妨げられるため、固く禁じられています。

選択肢2の「発言回数を制限する」は誤りです。ブレーンストーミングは「質より量」を重視し、できるだけ多くのアイデアを出すことを目的とするため、発言回数を制限することはありません。 選択肢3の「提案は必ず記録しない」も誤りです。出されたアイデアは全て記録し、参加者全員が見えるようにすることで、アイデアの「結合改善」（他者のアイデアに乗っかる）を促します。

【解説】

正解: 2 新しい発想が得られる

この問題は、ブレーンストーミングという手法が「何のために」行われるのか、その主な利点（メリット）を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、ブレーンストーミングは、批判をせず、自由にアイデアを出し合うことで、従来の枠にとらわれない「新しい発想」や多様な視点を得ることを目的とした「発散」の手法です。これが最大の利点です。

選択肢1の「意思決定が迅速になる」は誤りです。ブレーンストーミングはアイデアを「出す」段階であり、出たアイデアを評価し「決定する」（収束）段階は別に行う必要があります。そのため、意思決定自体は迅速にはなりません。 選択肢3の「結果が即座に得られる」も誤りです。アイデアの「リスト」は即座に得られますが、問題解決の「結果（解決策）」は、その後の評価や実行を経て初めて得られます。

【解説】

正解: 3 他者の意見を批判する

この問題は、ブレーンストーミングの基本ルール、特に「やってはいけないこと」の筆頭を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3「他者の意見を批判する」は、ブレーンストーミングにおいて最も避けるべき行動です。「批判厳禁」は、参加者が萎縮せず、突飛なアイデアでも安心して発言できる「心理的安全性」を確保するための大原則です。これを破ると、ブレーンストーミングは機能しなくなります。

選択肢1の「他者の意見に反応しない」は、推奨されません（他者の意見に便乗してアイデアを膨らませる「結合改善」が望ましい）が、批判するよりは遥かにましです。 選択肢2の「自分の意見を発表する」は、まさにブレーンストーミングで行うべきことであり、積極的に推奨される行動です。

【解説】

正解: 2 アイデアが記録に残る

この問題は、「ブレーンライティング」という手法の特徴、特に口頭で行うブレーンストーミングと比較した場合の利点を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、ブレーンライティングはアイデアを「書く（ライティング）」手法であるため、発想のプロセスと同時に、すべてのアイデアが紙や付箋に「記録として残る」ことが利点です。これにより、後の整理や参照が容易になります。

選択肢1の「発言の有無で評価される」は誤りです。ブレーンライティングは「書く」ことが中心であり、口頭での発言力に左右されず、参加者が平等にアイデアを出せる点が利点です。 選択肢3の「他人のアイデアを見る必要がない」も誤りです。他人が書いたアイデアを見て、それに触発されて新しいアイデア（結合改善）を生み出すことが、この手法の重要な要素です。

【解説】

正解: 2 他人のアイデアを無視する

この問題は、ブレーンライティングの具体的な「進め方」のルールを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2「他人のアイデアを無視する」は、誤った進行方法です。ブレーンライティングの目的の一つは、他人が書いたアイデアに触発され、連鎖的に新しいアイデアを生み出すこと（結合改善）にあります。したがって、他人のアイデアを読み、それを発展させることが推奨されます。

選択肢1の「個別にアイデアを書き出す」は、ブレーンライティングの基本的な動作です。 選択肢3の「時間内に意見を交換する」も適切な進行方法です。この「意見の交換」とは、主に、アイデアが書かれた紙を時間内に隣の人に回覧することを指します。

【解説】

正解: 1 意見の衝突を避けたいとき

この問題は、ブレーンライティングが、口頭のブレーンストーミングと比べて、特にどのような「状況」で有効かを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、ブレーンライティングは全員が黙々と「書く」ことでアイデアを出すため、口頭の議論で起こりがちな、声の大きい人同士の「意見の衝突」を避けることができます。また、発言するのが苦手な人からも平等に意見を集められる利点があります。

選択肢2の「意思決定を即座に行いたいとき」は誤りです。これはアイデアを「出す」手法であり、「決定する」手法ではありません。 選択肢3の「少数意見を排除したいとき」は、むしろ逆です。ブレーンライティングは、立場に関わらず全員が匿名または平等にアイデアを書き出すため、「少数意見」を排除せず、むしろ吸い上げやすい手法です。

【解説】

正解: 1 グループ化した情報を分類する

この問題は、「親和図法」（KJ法とも呼ばれます）という情報整理の手法が、どのような「目的」で使われるかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢1の通り、親和図法の主な目的は、ブレーンストーミングなどで出された多数のアイデアや情報を、その「親和性（似ている点、関連性）」に基づいてグループ分けし、整理・「分類」することです。これにより、混沌とした情報の中に隠れた構造や、問題の根本原因を明らかにします。

選択肢2の「新しいアイデアを生み出す」は、主にブレーンストーミングなど「発散」手法の目的です。親和図法は、出されたアイデアを「整理・収束」する手法です。 選択肢3の「最終的な意思決定を行う」は誤りです。親和図法は、意思決定の「材料」を整理する手法であり、決定そのものを行う手法ではありません。

【解説】

正解: 3 意見やアイデアが多数出たとき

この問題は、親和図法がどのような「場面」で使われるのが最も適しているかを理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢3の通り、親和図法は、ブレーンストーミングなどを実施した結果、「多数の意見やアイデアが」雑然と出された状態から、それらを整理・体系化したい場合に最も適しています。一つ一つの情報（カード）を関連性でまとめていくことで、全体像を把握します。

選択肢1の「データの数値分析を行うとき」は誤りです。親和図法は、アイデアや感想といった「言語データ（質的データ）」を扱います。数値（量的データ）の分析には統計グラフや手法が適しています。 選択肢2の「特定の解決策を選択するとき」は誤りです。これは「意思決定」の段階であり、親和図法で情報を「整理」した「後」に行われるステップです。

【解説】

正解: 2 類似する情報同士をグループ化する

この問題は、親和図法を「どのように作成するか」、その具体的な「手順」の核となる部分を理解しているかを確認するものです。

正解の選択肢2の通り、親和図法の基本的な手順は、まず一つ一つのアイデアをカードに書き出し、次にそのカードを読みながら、「内容が似ている」「関連性が高い」と感じるもの同士を集めて「グループ化する」作業です。この「親和性」によるグループ化が、この手法の根幹です。

選択肢1の「各アイデアを評価し点数を付ける」は、アイデアを評価・選択する別の手法（意思決定マトリクスなど）の手順です。親和図法の作成中は、評価や点数付けは行いません。 選択肢3の「議論して結論を決定する」は、親和図法によって情報が整理された「後」に行うステップであり、親和図法を作成する手順そのものではありません。