【ITパスポート練習問題 6.3対応】(2) サービスデスク（ヘルプデスク）

【解説】

正解: 2 サーバーの物理的な保守作業

この問題は、ITサービスマネジメントにおける「ヘルプデスク（サービスデスク）」の役割範囲と、他の専門部署との職務分担を正しく理解しているかを確認するものです。

ヘルプデスクは、システムの利用者からの問い合わせに対応する単一の窓口としての機能を持ちます。主な役割は、利用者からの質問や障害報告（インシデント）を受け付け、記録し、解決策を提示することや、パスワードリセットなどのサービスリクエストに対応することです。

選択肢2の「サーバーの物理的な保守作業」は、通常、データセンターの運用管理者やハードウェア保守担当者が行う業務です。ヘルプデスクの担当者がサーバー室に入って機器の交換や配線を行うことは一般的ではないため、これがヘルプデスクの役割として適切ではありません。

【解説】

正解: 1 問い合わせ内容の記録と優先度付け

この問題は、ヘルプデスク担当者が日常的に行う業務プロセスや手順についての理解を問うものです。問い合わせを受けた際に、どのようなアクションを取るべきかを知っている必要があります。

正解は1です。ヘルプデスクでは、利用者からの問い合わせを受け付けた際、その内容を管理システムに「記録」し、ビジネスへの影響度や緊急度に基づいて「優先度付け」を行います。これにより、重要な障害から順に効率よく対応することが可能になります。

選択肢2の「ソフトウェアの新規開発」や選択肢3の「ハードウェアの設計」は、システムの開発部門やエンジニアリング部門が担当する業務です。ヘルプデスクはあくまで「運用・サポート」の領域を担うため、これらは業務範囲に含まれません。

【解説】

正解: 3 利用者からの問い合わせを一元的に受け付ける

この問題は、ITサービスマネジメントにおける重要な概念である「SPOC（Single Point of Contact：単一窓口）」の定義と目的を理解しているかを問うものです。

正解は3です。SPOC機能の最大の目的は、利用者からの問い合わせ窓口を一つにまとめることです。これにより、利用者は「どこに連絡すればよいか」を迷わずに済み、情報が分散することを防げます。ヘルプデスクがこのSPOCとしての役割を果たします。

選択肢1の「セキュリティポリシーの策定」は情報セキュリティ管理者の役割であり、選択肢2の「システム全体の監視と障害対応を自動化する」は運用管理ツールや運用担当者の役割です。これらは窓口業務であるSPOCの直接的な目的ではありません。

【解説】

正解: 2 問い合わせの一元管理ができる

この問題は、SPOC（単一窓口）を設置することによって、組織や利用者にどのようなメリットがもたらされるかを理解しているかを確認するものです。

正解は2です。問い合わせ先を一本化することで、どのようなトラブルが起きているか、誰がどのような質問をしているかといった情報を一元管理できます。これにより、同じような問い合わせへの回答を共有したり、対応の重複や漏れを防いだりすることができます。

選択肢1の「ソフトウェアのバグ修正速度が向上する」は、開発チームの能力やプロセスに依存するものであり、窓口の一本化とは直接関係ありません。選択肢3の「セキュリティリスクが完全に排除される」についても、窓口を一本化するだけでリスクがゼロになるわけではないため誤りです。

【解説】

正解: 1 利用者からの問い合わせの受付と分類

この問題は、SPOCとしてのヘルプデスクが具体的にどのような実務を行うか、そのプロセスの一部を正しく認識しているかを問うものです。

正解は1です。SPOCの役割には、利用者からの連絡を最初に受け取り（受付）、その内容が技術的なトラブルなのか、使い方の質問なのか、要望なのかを判断して振り分ける（分類）作業が含まれます。自分で解決できない場合は、適切な専門部署へエスカレーション（引き継ぎ）を行います。

選択肢2の「ネットワークインフラの設計」や選択肢3の「新規システムの開発と導入」は、インフラエンジニアやシステム開発者の業務であり、利用者窓口であるSPOCの役割ではありません。

【解説】

正解: 3 すべてのセキュリティ問題の解決

この問題は、SPOC（単一窓口）の導入効果として期待できることと、期待できないこと（限界や範囲外）を区別できるかを確認するものです。

選択肢3が正解（不適切）です。SPOCはあくまで窓口の一本化による連絡の効率化を目指すものであり、導入したからといって「すべての」セキュリティ問題が解決されるわけではありません。セキュリティ対策は別途、技術的な防御策や教育が必要です。

選択肢1の「問い合わせ対応の一貫性向上」は、窓口が集約されることで回答の質を統一しやすくなるため、適切な導入効果です。選択肢2の「インシデント対応の速度改善」も、たらい回しがなくなることで着手が早まるため、期待される効果の一つです。

【解説】

正解: 1 顧客の問い合わせを減らし自己解決を促す

この問題は、FAQ（Frequently Asked Questions：よくある質問）を作成・公開する目的について、サービス提供者側と利用者側の双方のメリットを理解しているかを問うものです。

正解は1です。頻繁に寄せられる質問と回答を公開しておくことで、利用者は問い合わせ窓口に連絡することなく、自分で調べて問題を解決できるようになります。これにより、利用者の待ち時間がなくなると同時に、サポート担当者の対応件数を減らすことができます。

選択肢2の「システムの内部構造を詳細に説明する」は、技術仕様書の役割であり、一般利用者向けのFAQとしては内容が専門的すぎることが多いです。選択肢3の「マーケティング戦略を策定するためのデータを提供する」は、FAQの主目的ではなく、アンケート調査などの役割です。

【解説】

正解: 2 利用者が同じような疑問を頻繁に抱える場合

この問題は、どのような状況下でFAQを導入するのが最も効果的か、その適用シーンを判断できるかを問うものです。

正解は2です。FAQは「よくある質問」の集まりであるため、多くの利用者が共通して疑問に思う点や、繰り返し発生するトラブルがある場合に最も効果を発揮します。同じ質問に何度も個別に答える手間を省くことができるからです。

選択肢1の「新しいプログラムの設計時」や選択肢3の「プロジェクトの計画立案時」は、まだ利用者がシステムを使っていない段階であり、どのような質問が出るか不明確なため、FAQの作成や利用が主な活動となるフェーズではありません。

【解説】

正解: 2 利用者が自己解決できる機会の増加

この問題は、FAQを整備することによって利用者が享受できる具体的なメリットを理解しているかを確認するものです。

正解は2です。FAQが充実していると、利用者はサポートセンターの営業時間や電話の混雑状況に関わらず、Webサイトなどで情報を検索してすぐに問題を解決できます。これを「自己解決（セルフサービス）」と呼びます。

選択肢1の「システム全体の性能向上」は、ハードウェアやソフトウェアのチューニングによる効果であり、FAQとは関係ありません。選択肢3の「販売促進活動の効果測定」も、広告やキャンペーンの分析に関するものであり、FAQの直接的な効果ではありません。

【解説】

正解: 1 24時間対応が可能

この問題は、有人対応（人間によるサポート）と比較した際の、チャットボット（自動応答プログラム）の明確な強みを理解しているかを問うものです。

正解は1です。人間が対応する場合はシフトを組んで夜間対応などを行う必要がありますが、チャットボットはプログラムであるため、休日や深夜を問わず24時間365日、即座に応答することができます。

選択肢2の「データセンターの物理的メンテナンスが不要になる」は誤りです。チャットボットを動かすサーバー自体にもメンテナンスは必要です。選択肢3の「システム開発コストが削減される」についても、チャットボットの導入や維持には開発・運用コストがかかるため、一概に開発コスト全体の削減とは言えません。

【解説】

正解: 1 リアルタイムの顧客対応

この問題は、現在の技術レベルにおいてチャットボットに任せるべき業務と、人間が対応すべき業務の切り分けを理解しているかを確認するものです。

正解は1です。チャットボットは、Webサイトを訪れた顧客からの「送料はいくらか」「営業時間はいつか」といった定型的な質問に対して、リアルタイムで即答する用途に非常に適しています。

選択肢2の「複雑な法的助言の提供」は、文脈の解釈や責任問題が関わるため、専門家である弁護士などが対応すべきです。選択肢3の「物理的な機器の修理」は、物理的な作業が必要なため、ソフトウェアであるチャットボットには不可能です。

【解説】

正解: 3 カスタマーサポートの効率化

この問題は、企業がチャットボットを導入する際のビジネス上の目的や期待効果を理解しているかを問うものです。

正解は3です。よくある質問や簡単な手続きをチャットボットに任せることで、サポート担当者はより複雑で丁寧な対応が必要な案件に集中できるようになります。これにより、サポート業務全体の効率化と質の向上が期待できます。

選択肢1の「従業員数の削減」は結果として起こる可能性はありますが、主目的はあくまで業務の効率化や顧客満足度の向上です。選択肢2の「システムのハードウェアアップグレード」は、チャットボット導入とは直接関係のないインフラの更新作業です。

【解説】

正解: 2 IT運用の自動化と効率化を支援する

この問題は、近年のIT運用トレンドである「AIOps（Artificial Intelligence for IT Operations）」の基本的な概念と定義を理解しているかを確認するものです。

正解は2です。AIOpsは、AI（人工知能）や機械学習の技術をITシステムの運用管理（Ops）に適用する取り組みです。システムから出る膨大なログデータをAIが分析し、運用の自動化や効率化を支援します。

選択肢1の「ネットワーク設計の自動生成」は、AIの活用領域としてはあり得ますが、AIOpsの中心的な定義である「運用管理」とは少し異なります。選択肢3の「新しいハードウェアの導入コストを削減する」は、調達コストの話であり、運用プロセスの改善であるAIOpsとは直接関係ありません。

【解説】

正解: 1 障害の予兆を検知して事前対応が可能になる

この問題は、従来の手法と比較した際のAIOpsの具体的なメリット、特に「予測的アプローチ」について理解しているかを問うものです。

正解は1です。従来の運用監視は「障害が起きてから通知する」ことが多かったのに対し、AIOpsではAIが過去のデータ傾向から異常を学習し、「障害が起きそうな予兆」を検知できます。これにより、システムが停止する前に対策を打つことが可能になります。

選択肢2の「新しいプログラムの設計支援」は、開発支援ツール（Copilotなど）の領域です。選択肢3の「ユーザーインターフェースの改善」は、UI/UXデザインの領域であり、ITインフラの運用管理を担うAIOpsの効果ではありません。

【解説】

正解: 3 大量の監視データをリアルタイムに分析する場合

この問題は、AIOpsの技術がどのような環境や課題に対して最も有効に機能するか、その適用条件を理解しているかを確認するものです。

正解は3です。現代のITシステムは複雑化しており、人間が目視で確認できないほど大量のログや監視データがリアルタイムで発生します。AIはこのような大量データの高速処理とパターン認識を得意としているため、AIOpsの適用に最適なシチュエーションです。

選択肢1の「オフィスのレイアウト変更」は総務関連の業務であり、IT運用とは無関係です。選択肢2の「新製品のマーケティング戦略策定」は、マーケティングオートメーションやデータ分析の領域ですが、ITシステムの運用管理（Ops）を対象とするAIOpsとは目的が異なります。