【ITパスポート練習問題 6.3対応】① システム化による業務効率化

【解説】

正解: 2 業務効率化や標準化が図れる

この問題は、ソフトウェアパッケージを導入する目的として、どのようなメリットを期待できるかを理解しているかを確認するものです。特に、パッケージ導入と「一からの個別開発」や「過度なカスタマイズ」との違いを押さえられているかがポイントです。

ソフトウェアパッケージは、多くの企業で共通して利用できるように、あらかじめ機能がまとめられた既製ソフトウェアです。すでに作り込まれた標準機能を導入することで、同じやり方・同じ画面・同じ手順に揃えやすくなり、「業務プロセスの標準化」が進みます。また、紙や属人的なやり方をパッケージの機能に置き換えることで、「作業時間の短縮」や「ミスの削減」といった業務効率化も期待できます。そのため、選択肢2がパッケージ導入の主なメリットとして適切です。

選択肢1の「全ての業務にカスタマイズできる」は、パッケージの特徴を誤って捉えています。パッケージは汎用性を重視しているため、むしろ「すべてを細かくカスタマイズすること」は得意ではなく、やり過ぎるとコスト増や保守性の低下を招きます。選択肢3の「個別のプログラムを一から開発する必要がある」は、パッケージ導入のメリットと逆の内容です。本来は、一から開発しなくても済むようにするためにパッケージを使うのであり、メリットではなくデメリットの説明になってしまっています。

【解説】

正解: 1 ソフトウェアのカスタマイズに伴うコスト増

この問題は、ソフトウェアパッケージを導入する際に、どのような「課題（デメリット）」が発生しやすいかを理解しているかを確認するものです。特に、「標準機能」と「自社ニーズ」とのギャップにどう向き合うかをイメージできているかが問われています。

ソフトウェアパッケージは汎用的に作られているため、そのままでは自社の業務フローやルールに完全には合わない場合があります。そのギャップを埋めるために画面や帳票、処理ロジックなどをカスタマイズすると、追加の開発工数やテスト工数が必要になり、導入費用や保守費用が増大しやすくなります。この「カスタマイズに伴うコスト増」が、パッケージ導入時に現実的に発生しやすい課題であり、選択肢1が正解となります。

選択肢2の「全くメンテナンスが不要になる」は非現実的な内容です。パッケージであっても、法改正対応やバージョンアップ、セキュリティパッチ適用などのメンテナンスは必ず発生します。選択肢3の「導入後すぐに全ての業務が最適化される」も、導入すれば自動的にすべてが良くなるという誤ったイメージに基づくもので、実際には定着のための教育や運用ルールの見直しが必要であり、「課題」として挙げる内容ではありません。

【解説】

正解: 3 ERP（企業資源計画）

この問題は、「ソフトウェアパッケージ」として具体的にどのような製品があるかをイメージできているかを確認するものです。一般的なソフトウェアの形態や開発用ツールとの違いを理解しているかがポイントです。

ERP（Enterprise Resource Planning：企業資源計画）は、会計・販売・在庫・人事・生産など、企業内の主要な基幹業務を統合して管理するソフトウェアパッケージの代表例です。多くの企業で共通する業務を標準機能として備え、導入企業は自社に合うように必要な設定や一部カスタマイズを行うことで利用します。このように、ERPは典型的な業務系パッケージとして位置付けられます。

選択肢1の「オープンソースソフトウェア」は、ソースコードが公開されているライセンス形態を示す概念であり、ソフトウェアの「利用条件」に関する分類です。パッケージであるかどうかとは直接結び付きません。選択肢2の「プログラミングフレームワーク」は、開発者がアプリケーションを効率よく作るための土台となる開発用ツールであり、業務機能が完成したパッケージ製品ではありません。そのため、代表的なソフトウェアパッケージとして適切なのはERPだけです。

【解説】

正解: 2 組織内の情報共有や連携を強化する

この問題は、グループウェアを導入する「主な目的」が何かを理解しているかを確認するものです。個々人で使うツールではなく、「組織全体のコミュニケーション基盤」であることをイメージできているかが問われています。

グループウェアは、社内のメンバーがスケジュール、掲示板、ワークフロー、ファイル共有、チャットなどを通じて情報を共有し、連携して仕事を進めるためのソフトウェアです。遠隔地のメンバー同士でも同じ情報を見ながら業務を進めることができるため、「組織内の情報共有や連携を強化する」ことが主な目的となります。したがって、選択肢2が適切です。

選択肢1の「個別業務の独立性を強化する」は、むしろ連携を弱める方向の表現であり、グループウェアの狙いとは逆です。選択肢3の「業務の個別最適化を実現する」は、一部の部署だけが使いやすくなるようなイメージにつながりますが、グループウェアは部署横断のコラボレーションを支えるためのものであり、「全体最適」に近い方向を志向します。そのため、目的として最も適切なのは選択肢2です。

【解説】

正解: 3 財務諸表の作成

この問題は、グループウェアがどのような機能を持つソフトウェアなのかを理解しているかを確認するものです。具体的な機能例を通じて、「情報共有・コミュニケーションのためのツール」であることを押さえられているかがポイントです。

グループウェアには、メンバー間の予定を共有する「スケジュール管理」や、電子メール、掲示板、ファイル共有など、情報をやり取りするための機能が典型的に含まれます。これらの機能により、誰がいつどこで何をしているかが分かりやすくなり、打ち合わせの調整や業務連絡がスムーズになります。

選択肢3の「財務諸表の作成」は、会計ソフトやERPの会計モジュールが担う機能であり、グループウェアの中核機能ではありません。選択肢1の「スケジュール管理」と選択肢2の「電子メール」は、いずれもグループウェアに典型的に含まれる機能であり、「含まれないもの」という問いには当てはまりません。

【解説】

正解: 1 Microsoft Teams

この問題は、具体的な製品名を通じて「グループウェア」に分類されるソフトウェアを見分けられるかどうかを確認するものです。日常的に耳にする製品が、どのカテゴリに属するかを整理できているかがポイントです。

Microsoft Teamsは、チャット、オンライン会議、ファイル共有、チームごとのチャンネルなどを通じて、組織内外のメンバーが共同で仕事を進めるためのツールです。複数人での情報共有やコミュニケーションを支援する点で、グループウェアの代表的な例といえます。そのため、選択肢1が正解です。

選択肢2の「Adobe Photoshop」は、画像編集に特化したグラフィックソフトであり、チームの情報共有やコミュニケーション基盤を提供する目的のソフトではありません。選択肢3の「Python」はプログラミング言語であり、アプリケーションを開発するための技術そのものを指します。いずれもグループウェアの例としては適切ではありません。

【解説】

正解: 2 日常業務の効率化を目的とする

この問題は、「オフィスツール」がどのような用途のソフトウェアなのか、その役割を理解しているかを確認するものです。オフィスツールと、専門的な画像編集ソフトや開発ツールとの違いを区別できているかがポイントです。

オフィスツールには、文書作成ソフト（ワープロ）、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなどが含まれます。これらは、企画書の作成、数値管理、資料作成など、日常的な事務・ビジネス業務を効率よく進めることを目的としたソフトウェアです。そのため、「日常業務の効率化を目的とする」という選択肢2が適切です。

選択肢1の「高度な画像編集を専門とする」は、画像編集ソフト（例：Photoshop）の特徴であり、オフィスツールの説明ではありません。選択肢3の「ソフトウェア開発に特化している」は、統合開発環境（IDE）やプログラミング言語などの領域の話であり、オフィスツールの目的とは異なります。

【解説】

正解: 1 Microsoft Excel

この問題は、「表計算ソフト」が具体的にどのような製品を指すのかを理解しているかを確認するものです。ソフトウェアの名前と役割を正しく結び付けられるかがポイントです。

Microsoft Excelは、セルの集まりであるワークシート上に数値や文字を入力し、計算式や関数を使って集計や分析を行える代表的な表計算ソフトです。グラフ作成やピボットテーブルなどの機能も持ち、業務でのデータ管理や分析に広く利用されています。そのため、「表計算ソフトの具体例」として選択肢1が最も適切です。

選択肢2の「Adobe Illustrator」は、イラストやロゴなどを作成するためのベクター画像編集ソフトであり、数表の計算や集計を行う表計算ソフトとは用途が異なります。選択肢3の「Google Chrome」はWebブラウザであり、Webサイトの閲覧やWebアプリの利用が主な用途で、表計算ソフトの代表例ではありません。

【解説】

正解: 3 データのバックアップを取る必要がある

この問題は、オフィスツールを利用する際にどのような点に注意すべきか、特に「データ管理」の観点から理解しているかを確認するものです。ツールそのものよりも、その使い方や運用上の注意点を問うています。

文書作成ソフトや表計算ソフトで作成したデータは、端末故障や誤操作、ウイルス感染などによって失われる可能性があります。そのため、外部メディアやクラウドストレージなどに定期的にバックアップを取ることが重要です。これにより、万一のトラブルが発生しても業務への影響を最小限に抑えることができます。したがって、選択肢3が注意点として正しい内容です。

選択肢1の「ソフトウェアの更新は不要である」は誤りです。セキュリティ対策や不具合修正、新機能の追加のために、オフィスツールも定期的なアップデートが必要です。選択肢2の「他のソフトと連携することは不可能である」も誤りであり、実際にはPDF出力、メールソフトとの連携、他システムへのデータ取り込みなど、多くの連携手段が用意されています。

【解説】

正解: 2 慣れたデバイスを使用できるため生産性が向上する

この問題は、BYOD（Bring Your Own Device）を導入することで得られる「主な利点」を理解しているかを確認するものです。個人所有の端末を業務に利用することが、どのようなプラス効果をもたらすかをイメージできているかがポイントです。

BYODでは、従業員が日頃から使用し慣れているスマートフォンやノートPCなどをそのまま業務にも利用します。操作に慣れているため、タイピングやアプリ操作がスムーズになり、環境に適応する時間を短縮できることから、生産性の向上が期待できます。また、一つの端末で仕事と私用の両方を扱えるため、端末の持ち運びの負担が減るといった効果もあります。したがって、選択肢2がBYODの利点として適切です。

選択肢1の「個人デバイスのセキュリティ管理が不要」は、BYODの実態と逆であり誤りです。むしろ、業務データを扱う以上、盗難・紛失・不正アクセスなどへのセキュリティ対策は必須となります。選択肢3の「会社所有のデバイスと区別なく管理が行える」も不適切で、実際には個人所有端末か会社支給端末かで管理方法やポリシーを分けて考える必要があり、区別なく同じ管理をすることは現実的ではありません。

【解説】

正解: 1 端末の盗難や紛失による情報漏洩リスク

この問題は、BYOD導入に伴って特に注意すべき「課題」を理解しているかを確認するものです。個人所有の端末を業務に利用することで、どのようなリスクが高まるかを意識できているかがポイントです。

BYODでは、従業員の私物端末に業務データや業務用アプリが入ることになります。そのため、端末を電車やカフェなどで置き忘れたり、盗難に遭ったりした場合に、端末内に保存されている企業情報が第三者に閲覧される危険性が高まります。この「端末の盗難や紛失による情報漏洩リスク」が、BYODにおける代表的な課題であり、選択肢1が正解です。

選択肢2の「デバイスの購入費用の増加」は、むしろ企業側から見ると逆の傾向になることが多く、個人の端末を使うことで会社支給端末の台数を減らせる可能性があります。選択肢3の「IT部門の負担が軽減される」も一般的には誤りであり、実際にはさまざまな機種やOSバージョンへの対応、セキュリティポリシーの適用など、IT部門の管理負担が増えるケースが多く見られます。

【解説】

正解: 2 モバイルデバイス管理（MDM）ツールを導入する

この問題は、BYODを安全に運用するために企業がどのような対策を取るべきかを理解しているかを確認するものです。個人端末を利用しつつ、企業としてのセキュリティレベルをどう確保するかが問われています。

MDM（Mobile Device Management）ツールを導入すると、管理者が端末ごとにパスワードポリシーの適用、暗号化設定、業務アプリの配布、紛失時のリモートロックやリモートワイプなどを行えるようになります。これにより、BYOD環境でも一定のセキュリティ基準を満たした端末だけが業務システムにアクセスできるように制御できます。そのため、選択肢2が適切な対策です。

選択肢1の「従業員に端末使用を完全に自由にする」は、セキュリティポリシーを設けず好き勝手に使わせるという意味になり、情報漏洩やマルウェア感染のリスクを高める危険な対応です。選択肢3の「BYODはセキュリティ対策が不要である」は、BYODの性質を全く理解していない内容であり、むしろBYODだからこそ厳格なセキュリティ対策が必要になります。

【解説】

正解: 3 機器同士がインターネットを介してデータをやり取りする

この問題は、IoT（Internet of Things）の基本的な特徴を理解しているかを確認するものです。さまざまな機器がネットワークにつながることで何が起きるのか、そのイメージを持てているかがポイントです。

IoTでは、センサーや家電、車、産業機器などの「モノ」がインターネットに接続され、機器同士やクラウドサービスとデータをやり取りします。これにより、遠隔からの監視・制御、利用状況に応じた自動制御、収集データの分析に基づくサービス提供などが可能になります。そのため、「機器同士がインターネットを介してデータをやり取りする」という選択肢3が、IoTの特徴を正しく表しています。

選択肢1の「ネットワークを使用せず独立して動作する」は、ネットワーク接続を前提とするIoTの考え方と矛盾します。ネットワークにつながらない単独動作の機器は、IoT機器とは呼びません。選択肢2の「デバイス間の接続には物理的なケーブルが必要である」も誤りで、IoTではWi-Fiや携帯電話網、無線通信などを使った無線接続が一般的であり、必ずしも物理ケーブルに依存しません。

【解説】

正解: 1 スマートスピーカーによる家電操作

この問題は、IoTの具体的な活用例をイメージできているかを確認するものです。日常生活の中で、どのような場面が「モノのインターネット」に該当するのかを判断できるかがポイントです。

スマートスピーカーはインターネットに接続されており、音声コマンドをクラウドで処理したうえで、対応する家電製品（照明、エアコン、テレビなど）に制御信号を送る仕組みを持つことが多くあります。このように、スピーカーと家電がネットワークを介して連携して動作しているため、スマートスピーカーによる家電操作はIoTの典型的な活用例です。

選択肢2の「書類作成用のワープロソフト」は、単体のソフトウェアであり、他の機器とネットワーク経由で連携して動作する例ではありません。選択肢3の「高画質の写真編集」も、画像編集ソフトや高性能PCの利用例であって、ネットワークにつながったモノ同士がデータをやり取りするIoTの活用とは言えません。

【解説】

正解: 2 ネットワークセキュリティ対策の強化

この問題は、IoTの普及に伴って特に重要になる「課題」が何かを理解しているかを確認するものです。多くの機器がインターネットに接続されることによるリスクに目を向けられているかがポイントです。

IoTデバイスは、家庭やオフィス、工場など、さまざまな場所に設置され、常時ネットワークにつながることが多くなります。その結果、一台でもセキュリティが甘い機器があると、そこが攻撃者の侵入口となり、ネットワーク全体に被害が及ぶ危険性が高まります。このため、IoTの普及に伴って「ネットワークセキュリティ対策の強化」が非常に重要な課題となり、選択肢2が正解です。

選択肢1の「デバイスの物理的な設置スペースの確保」は、場合によっては検討事項になり得ますが、IoT特有の本質的な課題とは言えません。選択肢3の「人間によるすべての操作の必要性」は、IoTによる自動化の考え方と逆行しており、むしろIoTでは人の手を介さずに機器が自律的に動作することが多いため、課題としては不適切です。

【解説】

正解: 2 機械同士がネットワークを介して自動的に通信する

この問題は、M2M（Machine to Machine）の基本的な特徴を理解しているかを確認するものです。人ではなく「機械同士」がどのように連携するのか、そのイメージを持てているかがポイントです。

M2Mは、その名の通り「機械から機械へ」の通信を指し、センサーや装置がネットワークを介して自動的にデータを送受信する仕組みです。例えば、機械の状態データを自動的にセンターに送信し、異常があれば自動的にアラームを出すといったように、人が逐一指示を出さなくても機器同士が連携して動作することが特徴です。このため、「機械同士がネットワークを介して自動的に通信する」という選択肢2が正解となります。

選択肢1の「人間がデータのやり取りを指示する必要がある」は、M2Mの自動性の高さと矛盾します。人の操作や指示が必要であれば、それは通常の手動オペレーションであり、M2Mとは言いにくくなります。選択肢3の「ネットワークを使用せず独立して動作する」は、ネットワークを通じて通信するというM2Mの前提と合致しません。

【解説】

正解: 3 自動販売機が売上データをセンターに送信

この問題は、M2M技術がどのような場面で使われているか、具体的な活用例をイメージできているかを確認するものです。実際のサービスやビジネスの中で、機械同士の自動通信がどのように役立っているかを理解しているかがポイントです。

自動販売機が売上データや在庫情報を自動的にセンターへ送信する仕組みは、M2Mの代表的な活用例です。センター側では、そのデータをもとに補充タイミングの最適化や売れ行き分析を行うことができ、人が一台ずつ巡回して確認する手間を大きく削減できます。このように、機械が自律的にデータを送信する点がM2Mの特徴に合致しているため、選択肢3が正解です。

選択肢1の「音楽編集ソフトを使用した楽曲制作」は、ユーザーがPC上のソフトを使って作業する例であり、機械同士が自動的に通信するM2Mとは関係がありません。選択肢2の「プレゼン資料の作成」も、人がオフィスソフトを使って資料を作る作業であり、M2Mの活用例とは言えません。

【解説】

正解: 1 機械のリアルタイム監視が可能になる

この問題は、M2M技術を導入することでどのような効果が期待できるかを理解しているかを確認するものです。自動通信によって、従来と比べて何ができるようになるのかをイメージできているかがポイントです。

M2Mでは、センサーや機械がネットワークを通じて常に状態データを送信することができるため、離れた場所からでも機械の稼働状況や異常の有無をリアルタイムで監視できます。これにより、故障の予兆を早期に把握して保守作業を前倒しに行ったり、トラブル発生時に迅速に対応したりすることが可能になります。このように「機械のリアルタイム監視が可能になる」点が、M2M技術に期待される代表的な効果であり、選択肢1が正解です。

選択肢2の「人的作業の依存度が高まる」は、M2Mの目的と逆であり誤りです。M2Mは、人手による監視やデータ収集を減らし、自動化を進めることで、人的負荷を軽減することを狙っています。選択肢3の「通信インフラの使用が不要になる」も誤りで、M2Mはまさに通信インフラを活用して機械同士をつなぐ技術であり、インフラが不要になるどころか、その重要性は高まります。