このページは以下の「ITパスポート シラバス6.3」学習用コンテンツです。
◆大分類:8.コンピュータシステム
◆中分類:16.システム構成要素
◆小分類 | ◆見出し | ◆学習すべき用語 |
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44.システムの評価指標 | (3) システムの経済性 | 初期コスト 運用コスト TCO(Total Cost of Ownership) |
初期コスト
初期コストはシステムや設備を導入する際に発生する最初の費用を指します。このコストにはハードウェアやソフトウェアの購入費、設置費用、初期設定や導入にかかる費用が含まれます。
初期コストは一度限りの支出であり、その金額が大きいほど、導入に対するハードルが高くなります。ただし、初期コストの高さがシステム全体の品質や性能に影響を与えることも多いため、単に費用の安さだけでなく長期的な視点での費用対効果も考慮することが重要です。
ビジネスシーンでは「イニシャルコスト」或いは短く「イニシャル」なんて言い方も多様されます。案件や企業によってイニシャルコストを抑えることが重視されたり、逆にランニングコストや保守コストを重視したりとさまざまです。
ITシステムの開発や導入にはコストの問題が常にあることを理解しておく必要があります。コストの種類として「初期コスト」「運用コスト」「TCO」の3つがあることを押さえておきましょう。
初期コストに関する学習用問題
問題
システム導入における初期コストに含まれないものはどれですか?
- ハードウェアの購入費用
- ソフトウェアのライセンス費用
- 運用保守の人件費
%%replace6%%
正解
3 運用保守の人件費
解説
初期コストはシステム導入時に一度だけ発生する費用であり、ハードウェアやソフトウェアの購入費用が含まれます。
一方で、運用保守の人件費は導入後の費用に該当するため初期コストには含まれません。
問題
システムの導入時に発生する初期コストの主な要素として正しいものはどれですか?
- 月々のクラウド利用料金
- ハードウェアの設置費用
- 定期的なソフトウェア更新費用
%%replace6%%
正解
2 ハードウェアの設置費用
解説
初期コストにはシステムを導入するためのハードウェア設置や導入時に必要な設定などの費用が含まれます。
月々のクラウド利用料金や定期的なソフトウェア更新費用は運用コストに該当するため初期コストには含まれません。
問題
初期コストが高額になる要因として適切でないものはどれですか?
- 高性能なハードウェアの導入
- 導入時の技術サポート費用
- 定期的なセキュリティパッチの適用費用
%%replace6%%
正解
3 定期的なセキュリティパッチの適用費用
解説
初期コストはシステム導入時の一度きりの費用であり、高性能なハードウェアや導入時のサポート費用などが含まれます。
定期的なセキュリティパッチの適用費用は運用コストとして扱われ、初期コストには該当しません。
運用コスト
運用コストはシステムが稼働している期間中に継続的に発生する費用を指します。
このコストにはシステムの保守管理費、定期的なソフトウェアの更新やライセンス料、サーバーの運用費用、電力消費、そして人件費などが含まれます。
運用コストは長期的にかかるため、初期コストと共にシステムの総合的な経済性を評価する上で重要な要素となります。特に運用コストが予算を圧迫しないよう、適切な管理と予測が必要です。
運用コストに関する学習用問題
問題
運用コストに含まれる費用として適切なものはどれですか?
- サーバーの電力消費費用
- ハードウェアの購入費用
- 導入時の技術サポート費用
%%replace6%%
正解
1 サーバーの電力消費費用
解説
運用コストはシステムが稼働している間に継続して発生する費用であり、サーバーの電力消費費用が含まれます。
ハードウェアの購入費用や導入時の技術サポート費用は初期コストに該当するため運用コストには含まれません。
問題
システム運用コストの一部として適切でないものはどれですか?
- ソフトウェアの定期更新費用
- ハードウェアの修理費用
- 初期設定時の技術サポート費用
%%replace6%%
正解
3 初期設定時の技術サポート費用
解説
運用コストにはシステム稼働中に発生するソフトウェアの定期更新費用やハードウェアの修理費用が含まれます。
一方、初期設定時の技術サポート費用は導入時に一度だけ発生するため、初期コストとして扱われます。
問題
運用コストが予想以上に増加する要因として考えられないものはどれですか?
- システムの稼働時間の増加
- ハードウェアの設置場所の変更
- ソフトウェアのライセンス料の値上げ
%%replace6%%
正解
2 ハードウェアの設置場所の変更
解説
運用コストはシステムの稼働や保守に関連する費用であり、システムの稼働時間の増加やソフトウェアのライセンス料の値上げはその一部です。
ハードウェアの設置場所の変更は一度きりの対応であり、通常は運用コストの増加にはつながりません。
TCO(Total Cost of Ownership)
TCO(Total Cost of Ownership、総所有コスト)は、システムや製品の導入から廃棄までにかかる総費用を指します。これには初期コストや運用コストはもちろん、メンテナンス費用や廃棄費用、さらに間接的な費用も含まれます。
TCOは単に初期費用だけではなく長期間にわたる費用全体を考慮するため、システムや製品を導入する際にその経済性を評価するための重要な指標となります。TCOを低減するためには、初期コストの削減だけでなく運用コストやメンテナンス費用の効率的な管理が求められます。
TCOに関する学習用問題
問題
TCOに含まれるコストとして正しいものはどれですか?
- システムの廃棄費用
- 利用するインターネット回線の初期工事費用
- サーバーの月額利用料金
%%replace6%%
正解
1 システムの廃棄費用
解説
TCOはシステムや製品の導入から廃棄までにかかる総費用を指し、廃棄費用もその一部です。
初期工事費用は初期コスト、サーバーの月額利用料金は運用コストに該当しますが、TCOにはすべてが含まれます。
問題
TCOを低減するために考慮すべき事項として適切でないものはどれですか?
- 長期的なメンテナンス計画
- 初期費用の大幅削減
- 廃棄時のコスト管理
%%replace6%%
正解
2 初期費用の大幅削減
解説
TCOを低減するには初期費用だけでなく、運用コストやメンテナンス費用、廃棄費用も含めた総合的な費用管理が重要です。
初期費用の大幅削減だけを行うと、長期的には運用コストが増加するリスクがあるため、適切なバランスが求められます。
問題
TCOの概念に基づいてシステムの経済性を評価する際、最も重要な要素として適切なものはどれですか?
- 初期導入時のコストだけに注目する
- システムの運用や廃棄までの全期間のコストを考慮する
- メンテナンスの頻度やコストを無視する
%%replace6%%
正解
2 システムの運用や廃棄までの全期間のコストを考慮する
解説
TCOはシステム全体の経済性を評価するための指標であり、初期導入時のコストだけでなく運用や廃棄までの全期間にわたるコストを考慮することが重要です。
メンテナンスや他の関連費用も含めた総合的なコスト管理が必要です。