【ITパスポート練習問題 6.3対応】21.システム活用促進・評価

【解説】

正解: 2 コンピュータやアプリケーションソフトウェアを効果的に活用する能力

この問題は、「デジタルリテラシー」という言葉の基本的な定義を正しく理解しているかを確認するものです。専門家だけに必要なスキルではなく、現代社会で生活や仕事をするすべての人に求められる能力であることを理解しているかが問われています。

正解の「コンピュータやアプリケーションソフトウェアを効果的に活用する能力」は、デジタルリテラシーの中核となる定義です。単に機器を操作できるだけでなく、目的に応じて適切なツールを選び、情報を正しく読み解き、活用する能力全般を指します。

選択肢1の「情報セキュリティ管理者が持つべき高度な専門知識」は、セキュリティの専門家のスキルであり、一般利用者に求められるリテラシー（識字能力・活用能力）の範囲を超えています。選択肢3の「IT製品の設計と製造に関する知識」は、エンジニアやメーカー側の専門知識であり、利用者のリテラシーとは異なります。

【解説】

正解: 1 デジタル技術を正しく活用し業務効率を高めるため

この問題は、ビジネスの現場においてなぜデジタルリテラシーの向上が求められているのか、その目的と効果を理解しているかを確認するものです。

正解は「デジタル技術を正しく活用し業務効率を高めるため」です。従業員一人ひとりがITツールを使いこなせるようになることで、手作業が自動化されたり、コミュニケーションが円滑になったりし、組織全体の生産性が向上します。これが企業がデジタルリテラシー教育に力を入れる最大の理由です。

選択肢2の「IT製品の販売を促進するため」や、選択肢3の「IT企業の収益向上を支援するため」は、ITベンダー側の視点に偏っており、一般企業が自社の従業員のスキルを向上させる本質的な理由ではありません。

【解説】

正解: 3 ソフトウェアのコード設計と開発の専門知識

この問題は、一般的なビジネスパーソンに求められる「活用スキル（リテラシー）」と、ITエンジニアに求められる「開発スキル（専門技術）」の境界線を理解しているかを確認するものです。

選択肢3の「ソフトウェアのコード設計と開発の専門知識」は、プログラマーやシステムエンジニアに求められる専門的な職能です。デジタルリテラシーは「道具として使いこなす能力」を指すため、システムそのものを作る能力までは含まれません。したがって、これが「不適切なもの（正解）」となります。

選択肢1の「インターネットを活用した情報検索」や、選択肢2の「データの収集と分析の基本的な能力」は、現代の業務において必須となるデジタルリテラシーの代表的なスキルです。

【解説】

正解: 2 利用者のモチベーションを高め行動を促進すること

この問題は、「ゲーミフィケーション」という手法の目的と定義を理解しているかを確認するものです。ゲームを作ること自体が目的ではなく、ゲームの「仕組み」を他の分野に応用する点がおさえるべきポイントです。

正解は「利用者のモチベーションを高め行動を促進すること」です。レベルアップ、バッジ、ランキングといったゲーム特有の要素を、仕事や学習、健康管理などに取り入れることで、「もっとやりたい」「目標を達成したい」という意欲を引き出すことがゲーミフィケーションの狙いです。

選択肢1の「ゲーム業界の利益を最大化すること」や、選択肢3の「ゲーム開発のための新技術を研究すること」は、エンターテインメントとしてのゲーム産業に関する内容であり、ビジネス手法としてのゲーミフィケーションの目的とは異なります。

【解説】

正解: 1 学生の学習意欲を向上させるための教育環境

この問題は、ゲーミフィケーションが実際にどのような場面で効果を発揮するか、具体的な適用事例をイメージできるかを確認するものです。

正解は「学生の学習意欲を向上させるための教育環境」です。勉強の進捗に応じて経験値が入る、課題をクリアするとメダルがもらえるといった仕組みは、単調になりがちな学習の継続を促す効果が高く、ゲーミフィケーションの代表的な成功例です。

選択肢2の「ゲームのデバッグ作業」は、バグを見つける品質保証業務であり、ゲーミフィケーションの活用とは文脈が異なります。選択肢3の「サーバーの性能を検証する技術的実験」は、システムの負荷テストなどであり、人のモチベーション管理とは関係ありません。

【解説】

正解: 3 製品の価格を一律に引き下げる施策

この問題は、ゲーミフィケーションの手法と、一般的なマーケティング施策（値引きなど）を区別できるかを確認するものです。

選択肢3の「製品の価格を一律に引き下げる施策」は、単なる価格戦略（ディスカウント）です。ここには「楽しさ」や「達成感」といったゲーム的な要素が含まれていないため、ゲーミフィケーションの手法としては適切ではありません。よってこれが正解となります。

選択肢1の「利用者にバッジを与える仕組み（コレクション欲求）」や、選択肢2の「学習進捗に応じたランキング表示（競争心）」は、ユーザーの心理に働きかける典型的なゲーミフィケーションの手法です。

【解説】

正解: 1 地域間や世代間の情報格差が広がること

この問題は、「デジタルディバイド（情報格差）」という社会問題の意味を正しく理解しているかを確認するものです。

正解は「地域間や世代間の情報格差が広がること」です。インターネットやパソコンを使える人と使えない人の間で、得られる情報の量や質、経済的な機会に差が生まれてしまう現象をデジタルディバイドと呼びます。都市部と地方、若年層と高齢者層の間などで特に問題視されています。

選択肢2の「情報技術が過剰に普及すること」や、選択肢3の「インターネットサービスの利用者が減少すること」は、格差（ディバイド）の意味とは異なります。

【解説】

正解: 2 インターネット環境を整備し利用教育を提供する

この問題は、デジタルディバイドを解消するために社会や企業が取り組むべき解決策について理解しているかを問うものです。

正解は「インターネット環境を整備し利用教育を提供する」です。格差を埋めるためには、まず物理的に使える環境（通信インフラや端末）を整え、次にそれを使いこなすためのスキル教育を行うという、ハード・ソフト両面からの支援が必要です。

選択肢1の「情報技術の利用に課税する」は、利用のハードルを上げてしまい、格差をさらに広げるため逆効果です。選択肢3の「情報機器の利用を制限する」も、技術の恩恵を受けられない人を増やすだけであり、解決策にはなりません。

【解説】

正解: 3 通信規格の技術的な詳細

この問題は、デジタルディバイドを引き起こす要因と、そうでないものを区別できるかを確認するものです。

選択肢3の「通信規格の技術的な詳細（例えば、プロトコルの仕様など）」は、エンジニアが扱う専門領域の話であり、一般利用者の情報格差を生む直接的な原因ではありません。したがって、これが「適切でないもの（正解）」となります。

選択肢1の「年齢や経済状況の違い」は、高齢で機器に馴染みがない、高価な端末が買えないといった理由で格差を生む主要因です。選択肢2の「地域ごとの通信インフラの整備状況」も、光回線が通っていない地域があるなど、物理的なアクセス差を生む大きな要因です。

【解説】

正解: 1 投資効果を最大化するための意思決定を行う

この問題は、「費用対効果分析（コストベネフィット分析）」を行う経営的な目的を理解しているかを確認するものです。

正解は「投資効果を最大化するための意思決定を行う」です。新しいシステムを入れる際などに、「いくらかかって（費用）、どれだけの見返りがあるか（効果）」を計算し、その投資が妥当かどうか、他の案と比べてどちらが良いかを判断するために行われます。

選択肢2の「新製品の設計に必要な要件を特定する」は要件定義プロセスであり、選択肢3の「会計基準に基づく財務諸表を作成する」は財務会計の業務です。これらは分析の目的そのものではありません。

【解説】

正解: 2 成果の定量化とコストの算出

この問題は、費用対効果分析を具体的かつ正確に行うために必要な要素を理解しているかを問うものです。

正解は「成果の定量化とコストの算出」です。分析のためには、かかった費用（コスト）だけでなく、効果（ベネフィット）を「売上が〇〇円アップする」「作業時間が〇〇時間減る」といった具体的な数値（定量データ）に落とし込む必要があります。数値化することで初めて比較検討が可能になります。

選択肢1の「実施計画の詳細な工程表」はプロジェクト管理に必要ですが、分析そのものの核ではありません。選択肢3の「対象施策の市場調査」は、データを集める手段の一つですが、分析の構成要素としては一部に過ぎません。

【解説】

正解: 3 効果がコストを上回る場合でも必ず実行する

この問題は、分析結果を意思決定にどう活かすか、その判断プロセスにおける注意点を理解しているかを確認するものです。

選択肢3の「効果がコストを上回る場合でも必ず実行する」は不適切な解釈であり、正解となります。たとえ黒字（効果＞費用）になる見込みでも、予算の限界があったり、他にさらに効果が高い案があったり、リスクが高すぎたりする場合は実行しないという判断もあり得ます。「必ず実行」という硬直的な判断は経営上危険です。

選択肢1の「コストが効果に見合わない場合、施策を見直す」や、選択肢2の「コストと効果を基に施策の優先順位を決定する」は、分析結果の正しい活用方法です。

【解説】

正解: 2 ソフトウェアの定期的な更新費用

この問題は、ITシステムのコスト構造のうち、導入後の「運用・保守（ランニングコスト）」に含まれる項目を正しく認識しているかを確認するものです。

正解は「ソフトウェアの定期的な更新費用」です。システムは導入して終わりではなく、セキュリティパッチの適用やライセンスの更新、バグ対応などが継続的に発生します。これらはメンテナンスコスト（保守費）に該当します。

選択肢1の「システム導入時の初期費用」や、選択肢3の「システム開発に必要な設計費用」は、イニシャルコスト（初期投資）に分類されるものであり、運用の維持費であるメンテナンスコストとは区別されます。

【解説】

正解: 2 初期投資を最小限に抑える

この問題は、メンテナンスコスト管理の目的と範囲を理解しているかを問うものです。

選択肢2の「初期投資を最小限に抑える」は、システム導入前の計画段階の話であり、導入後に発生するメンテナンスコストの管理目的としては不適切です。よってこれが正解となります。逆に、初期投資をケチりすぎると、品質の低いシステムができあがり、かえってメンテナンスコストが増大することもあります。

選択肢1の「システムの長期的な稼働を確保する」や、選択肢3の「コストの透明性を高め運用の効率を向上させる」は、メンテナンスコストを適切に管理・投資することで得られる正当なメリットです。

【解説】

正解: 1 サポートが終了したシステムを使用し続ける

この問題は、ITシステムの運用コストが増大してしまう典型的な原因（リスク）を理解しているかを確認するものです。

正解は「サポートが終了したシステムを使用し続ける」です。メーカーのサポートが切れた（EOS/EOL）製品を使い続けると、セキュリティ対策を自前で行う必要が出たり、故障時に部品が手に入らず特注対応になったりと、維持管理の手間と費用が跳ね上がります。

選択肢2の「初期投資を抑えるためのコスト削減策」や、選択肢3の「使用頻度が低いシステムの運用」も課題ではありますが、サポート切れ対応ほど急激かつ高額なコスト増要因にはなりにくい傾向があります。

【解説】

正解: 1 利用者が不満を持つ理由を特定し改善策を立てること

この問題は、「利用者満足度調査（CS調査）」を行う本来の目的を理解しているかを確認するものです。

正解は「利用者が不満を持つ理由を特定し改善策を立てること」です。「満足していますか？」と聞くだけでなく、どこに不満があるか、何が足りないかという「ギャップ」を発見し、具体的なサービスの改善につなげることが調査のゴールです。

選択肢2の「サービスや製品の市場価値を決定すること」は価格設定などの話であり、選択肢3の「利用者の個人情報を収集して分析すること」は手段と目的を取り違えています。個人情報の収集自体は目的ではありません。

【解説】

正解: 2 サービスの質を向上させ利用者の継続利用を促す

この問題は、収集した満足度データをビジネスにどう還元するか、その活用視点を問うものです。

正解は「サービスの質を向上させ利用者の継続利用を促す」です。不満点を解消して満足度を高めれば、利用者はサービスを使い続けてくれます（リピート率向上）。これはサブスクリプション型サービスなどでは特に重要な経営課題です。

選択肢1の「次世代製品の設計に必要な技術的要件を決める」は、エンジニアリングの領域であり、満足度調査からは「機能の要望」は出ても「技術要件」そのものは決まりません。選択肢3の「業務プロセスの可視化」も、内部監査や業務分析の領域です。

【解説】

正解: 2 利用者の行動を分析した自動データ収集

この問題は、「満足度調査（アンケート）」と「行動分析（アクセス解析など）」の違いを理解しているかを問うものです。

選択肢2の「利用者の行動を分析した自動データ収集」は、Webサイトの閲覧履歴などの客観的な行動データを集める手法です。これは「どう動いたか」は分かりますが、利用者が「どう感じたか（満足か不満か）」という主観的な心理までは直接測定できません。したがって、満足度調査の実施方法としては適切ではなく、これが正解となります。

選択肢1の「アンケートを通じた意見収集」や、選択肢3の「利用者に対するインタビュー」は、利用者の声を直接聞くことができるため、満足度を測るための最も一般的な方法です。

【解説】

正解: 3 企業の収益目標の設定

この問題は、「システムライフサイクル」という用語が指す範囲を理解しているかを確認するものです。

システムライフサイクルは、システムの「企画・開発・運用・保守・廃棄」という一生の流れを指します。選択肢3の「企業の収益目標の設定」は、経営戦略レベルの話であり、個別のシステムの一生を管理するライフサイクルプロセスそのものには含まれません。よってこれが正解となります。

選択肢1の「システムの運用と保守」はシステムが稼働している期間、選択肢2の「システム廃止の計画と実施」はシステムの最期を扱う期間であり、どちらもライフサイクルの重要な構成要素です。

【解説】

正解: 2 システムの効率的な活用とリスクの軽減

この問題は、システムライフサイクルを管理（SLCP）することの意義を理解しているかを問うものです。

正解は「システムの効率的な活用とリスクの軽減」です。導入から廃棄までの計画を立てて適切に管理することで、無駄なコストを省いてシステムを長く有効活用でき、老朽化による故障やセキュリティ事故などのリスクを未然に防ぐことができます。

選択肢1の「システム運用コストの完全な削減」は、運用する以上コストは必ずかかるため不可能です。選択肢3の「システムの導入スケジュールの短縮」は、管理の一側面に過ぎず、全体目的としては狭すぎます。

【解説】

正解: 1 システム要件の定義と設計

この問題は、システムライフサイクルの順序（プロセスフロー）を正しく理解しているかを確認するものです。

正解は「システム要件の定義と設計」です。ライフサイクルの最初の段階（企画プロセス・要件定義プロセス）では、「どのようなシステムを作るか」「何が必要か」を明確にし、設計図を描く作業が行われます。

選択肢2の「古いシステムの廃止とデータ移行」や、選択肢3の「システムの保守と更新」は、システムが完成して稼働し始めた後、あるいは役割を終える段階で行われる作業です。

【解説】

正解: 2 システムの運用効率向上とリスク軽減

この問題は、古いシステム（レガシーシステム）を最新のものに作り変える「モダナイゼーション」の目的を理解しているかを確認するものです。

正解は「システムの運用効率向上とリスク軽減」です。長年使い続けた古いシステムは、中身が複雑化して誰も直せなくなったり（ブラックボックス化）、維持費が高騰したり、新しい技術に対応できなかったりします。これらを解消し、ビジネスの変化に素早く対応できるようにすることが刷新の主な理由です。

選択肢1の「社内IT部門の負担軽減」は結果として期待されますが、移行プロジェクト中は一時的に負担が増えることもあります。選択肢3の「システム導入時のコスト削減」は誤りで、刷新には多額の投資が必要になります。

【解説】

正解: 3 システム運用中の性能向上

この問題は、システムを「廃棄・刷新（リプレース）」するプロジェクトにおける課題と、通常の「運用改善」の違いを区別できるかを問うものです。

選択肢3の「システム運用中の性能向上」は、現在動いているシステムをチューニングする話です。廃棄・刷新プロジェクトでは、古いシステムを「捨てる・乗り換える」ことが目的であるため、これから捨てるシステムの性能を上げることは課題になりません。したがってこれが正解となります。

選択肢1の「新システムへの移行コストの負担」や、選択肢2の「業務プロセスへの影響評価（システムが変わることで仕事のやり方がどう変わるか）」は、刷新プロジェクトにおいて必ず直面する大きく重要な課題です。

【解説】

正解: 3 既存システムの完全放置

この問題は、レガシーシステム問題に対する対応策として「やってはいけないこと」を理解しているかを確認するものです。

選択肢3の「既存システムの完全放置」は、刷新の方法ではなく、問題を先送りにしてリスク（故障やセキュリティ侵害）を最大化させる行為です。企業の存続に関わる危険な判断であるため、これが「適切でないもの（正解）」となります。

選択肢1の「クラウドサービスへの移行（リフト＆シフトなど）」や、選択肢2の「最新の技術基盤へのリプレース（再構築）」は、レガシーシステムを刷新するための有効かつ一般的な手法です。