【ITパスポート練習問題 6.3対応】(3) 利用形態

【解説】

正解: 2 ユーザーとシステムがリアルタイムでやり取りを行う

この問題は、コンピュータシステムの処理形態の一つである「対話型処理（インタラクティブ処理）」の定義と特徴を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の「ユーザーとシステムがリアルタイムでやり取りを行う」は、対話型処理の核心です。ユーザーがキーボードやマウスで命令を入力すると、コンピュータがすぐにそれを処理して結果を画面に返し、その結果を見てユーザーが次の入力をする、という「会話（キャッチボール）」のような形式で進む処理方式を指します。ATMの操作や座席予約システムなどが代表例です。

選択肢1の「ユーザーの入力に対して即座に応答が必要でない」は、バッチ処理の特徴に近いです。対話型処理では、ユーザーを待たせないための即時応答（レスポンス）が求められます。選択肢3の「処理が完了するまでユーザーが待機する必要がない」も誤りです。対話型処理では、システムが応答を返すまでユーザーは次の操作ができず、待機することになります。

【解説】

正解: 3 ユーザーの操作に対して迅速な応答が求められる際

この問題は、どのような業務やシーンで対話型処理を採用すべきか、その適用場面を理解しているかを確認するものです。

正解は「ユーザーの操作に対して迅速な応答が求められる際」です。例えば、窓口業務やチケット予約のように、人が判断しながら作業を進める場合、システムからの応答が遅いと業務が滞ってしまいます。そのため、入力に対してすぐに結果を返す対話型処理が必須となります。

選択肢1の「データの一括処理を行う際」や、選択肢2の「システムの負荷を軽減するために定期的に処理を実行する際」は、対話型処理ではなく「バッチ処理」が適している状況です。これらは夜間などにまとめて実行されることが一般的です。

【解説】

正解: 2 オンラインショッピングの決済手続き

この問題は、身近なシステム事例を通じて、対話型処理とバッチ処理の違いを具体的にイメージできているかを確認するものです。

正解は「オンラインショッピングの決済手続き」です。ユーザーが「購入」ボタンを押すと、システムが在庫の引当やクレジットカードの認証をその場で行い、「注文完了」や「エラー」といった結果を即座に画面に表示します。この一連の流れは対話型処理そのものです。

選択肢1の「バッチ処理による月次報告書の作成」は、名前の通りバッチ処理です。選択肢3の「システムメンテナンス中のデータバックアップ」も、ユーザーの操作とは無関係に裏側でまとめて行われる処理であり、対話型処理には該当しません。

【解説】

正解: 1 入力データに対して即時に処理が行われる

この問題は、「リアルタイム処理」という処理形態が持つ時間的な制約や特性を正しく理解しているかを確認するものです。

正解の「入力データに対して即時に処理が行われる」は、リアルタイム処理の定義です。センサーからの信号やユーザーからのリクエストが発生した瞬間に処理を開始し、決められた時間内（ごく短時間）に結果を出力する方式です。「即時性」が最優先されます。

選択肢2の「データが蓄積されてから一括処理される」や、選択肢3の「処理結果が後からまとめて出力される」は、いずれも時間的な即時性を重視しない「バッチ処理」の特徴であり、リアルタイム処理とは対極にあります。

【解説】

正解: 2 航空機の飛行制御システム

この問題は、リアルタイム処理が不可欠なシステム（ミッションクリティカルなシステム）の具体例を選べるかを確認するものです。

正解は「航空機の飛行制御システム」です。飛行中の航空機は、気流の変化やパイロットの操作に対して、瞬時に機体の姿勢を制御しなければなりません。わずかな処理の遅れが事故につながるため、極めて高度なリアルタイム処理（ハードリアルタイム処理）が求められます。

選択肢1の「月次の売上データを集計するシステム」や選択肢3の「企業の年次報告書を作成するシステム」は、処理に数分〜数時間かかっても業務に致命的な支障は出ないため、通常は効率重視のバッチ処理で行われます。

【解説】

正解: 1 処理の遅延がシステムの動作に影響を与える場合

この問題は、システム設計においてリアルタイム処理を選択すべき「要件（必要性）」を理解しているかを確認するものです。

正解は「処理の遅延がシステムの動作に影響を与える場合」です。リアルタイムシステムにおいて「遅延」は、単なる「待ち時間」ではなく「システムの失敗」を意味します（例：工場のロボット制御で停止信号が遅れると衝突する）。このような要件がある場合に導入されます。

選択肢2の「長期間にわたってデータを蓄積し解析する場合」は、ビッグデータ解析などのバッチ処理向きの要件です。選択肢3の「ユーザーの操作に応じてシステムが順次応答する場合」は対話型処理の説明ですが、必ずしも厳密なリアルタイム性（ミリ秒単位の保証など）までは求められないことも多いため、決定的な理由としては1の方が適切です。

【解説】

正解: 2 大量のデータを一括して処理する

この問題は、「バッチ処理」の定義と基本的な仕組みを理解しているかを確認するものです。

正解は「大量のデータを一括して処理する」です。バッチ処理は、データを一定期間ため込み、あらかじめ決められたタイミング（夜間や月末など）でまとめて処理を行う方式です。これにより、コンピュータのリソースを効率よく使うことができます。

選択肢1の「リアルタイムで処理結果を得る必要がある」や、選択肢3の「システムがユーザーの入力に即時応答する」は、バッチ処理が苦手とすることです。これらはリアルタイム処理や対話型処理の特徴です。

【解説】

正解: 2 月次の売上データの集計

この問題は、バッチ処理が適している具体的な業務フローを理解しているかを確認するものです。

正解は「月次の売上データの集計」です。1か月分の販売データをまとめて計算し、請求書を発行したり分析レポートを作ったりする業務は、即時性は不要であり、大量のデータを正確に処理することが求められるため、バッチ処理に最適です。

選択肢1の「飛行機の離着陸の制御」や選択肢3の「オンラインゲームのリアルタイム対戦」は、状況が刻一刻と変化し、瞬時の判断と反応が必要なため、バッチ処理で行うことは不可能です。

【解説】

正解: 3 リアルタイム処理よりもシステム負荷を低く抑えられる

この問題は、なぜあえて即時性のないバッチ処理を採用するのか、そのメリット（システムの効率性）を理解しているかを確認するものです。

正解は「リアルタイム処理よりもシステム負荷を低く抑えられる」です（※文脈によっては「効率的に処理できる」という意味です）。都度処理を行うと、そのたびにプログラムの起動やデータベースへの接続といったオーバーヘッド（準備動作）が発生しますが、まとめて処理することでこれらを最小限にし、コンピュータの処理能力を最大限に引き出すことができます。また、利用者の少ない夜間に実行することで、システム全体の混雑を避けることも可能です。

選択肢1の「処理時間が短く即時応答が可能」や、選択肢2の「処理結果をすぐに利用できる」は、バッチ処理のメリットではなく、むしろデメリット（制約）となる部分です。バッチ処理の結果が出るのは処理が完了した後になります。